見出し画像

21世紀に求められる情報判断力

最近は、本当に様々なニュースや記事がどんどんフェイスブックやTwitterのフィードに流れてきます。その中で、それは大変だ!と思わず共有せずにはいられない内容のものもたくさんあるとおもいます。しかし、こういったもの中には、かなりの割合で間違いの可能性が高くそのままシェアしてしまうことで間違った情報を拡散することに加担してしまう場合があります。悪気がなくとも「シェア」という行為を取った時点で問題になる可能性がゼロではない難しい時代です。

フェイクニュースなどを見抜くために

例えば、以下の記事を読んでどう感じて、どのような行動を取る可能性があるでしょうか?
【記事】日本社会は「助け合いにあふれている」と考える人は2%。20〜30代男性4割は助け合いに拒否感も
「日本社会はとても冷たい社会」と感じるのではないでしょうか?
なんでこんな世知辛いのだ!これはみんなに知らせねば!!と正義感が沸いてきますでしょうか?
それとも、ちょっと待って…本当にそうかな?と疑問を感じるでしょうか?

「反射的行動」を取る前に、情報源を確認する

人間はどうしても間違いを起こしてしまったり、固定観念があったりします。例に挙げた記事は、社会全体に対する批判なので誰かをすぐに傷つけてしまうことはなさそうなので、反射的にシェアしても問題ないかもしれません。ただ、一人一人のメディアリテラシーの高さ(=その人の信頼度)に関わるので、「うわぁ~、騙されてるよ・・・踊らされちゃってるよ・・・」とならないためには正しい判断力や行動がとれるように常に判断力を磨いておきたいところですよね。それが本当に大切な状況で適切な判断を行うことにつながると思うのです。
この記事の例では、出所に関する記述があります。
"調査を行ったのは「こくみん共済coop」"
そこでGoogleを使ってみると下記のような情報が見つかります

調査を行ったのは「こくみん共済coop」
【情報源】こくみん共済 coop 〈全労済〉 「たすけあい」に関する意識調査を実施!

こちらの記事には下記の記述があります

今回の調査においても「過去1ヵ月以内に『知らない人で困っている人を助けたことがある人』」の割合は、14.4%と低い結果となりました。しかしながら、助けたことがない理由は「そのような場面に出会わなかった」が75.2%と最も多いことから、困っている他者に冷淡なわけではなく、困っている他者に出会っていない(または気づいていない)だけではないか、と調査結果から見て取ることができます。

あれ??ちょっと元になっている調査と記事の主張のGAPが大きくないか??ソースを探すというひと手間をかけるだけで「違和感」を持つことができます

「主張」の根拠を確認する

【記事より引用】”今回も「過去1カ月以内に知らない人で、困っている人を助けた」人の割合はわずか14%。”
これは、困った人を助ける人は14%しかいないというように伝わる可能性が高いです(情報の切り出し)。ここで、「過去1カ月以内に」の部分がちゃんと引用されているので、あやしいかも…と気づける人はリテラシーが高いと思います。

これはどのような質問に対して、どのような回答がされたかを【情報源】をみると
<質問1>直近1か月であなたが行ったことがある行動として当てはまるものをお答えください
回答:知らない人で困っている人を助ける 14.4%

<質問2>1か月以内に「知らない人で困っている人」を助けたことがない人にお聞きします。あなたが手助けをしなかった理由について当てはまるものをすべてお答えください
回答:そのような機会に出会わなかった 75.2%

全体100%のうち、1か月以内に助けなかった人は、100%-14.4%=85.6%、そのうち85.6% x 75.2%は64.4%はそのような機会がなかったから。

つまり私たち日本国民は
14.4%の人は過去1か月に他人を助けたことがある
64.4%は過去1か月に他人を助けたことはないが、そのような機会もなかった(※助ける気があるのかないのかこれだけではわからない)
21.2%はチャンスがあったけど何等かの理由で助けなかった

このように整理すると【記事】の主張は、正しく情報を伝えていると言い難い部分があると判断できます。

情報過多の時代こそ判断力が大切

今の時代のように、そしてこれからの時代は情報があふれています。だからこそどのように情報を入手し、どのように自分の知識をアップデートしていくか?はとても大切なスキルです。今回の事例では、自分で判断せずに情報を受け入れると「日本の社会って冷たいんだ・・・」と誤解の可能性が高い情報で知識をアップデートしてしまう可能性があります。
そのようなことを避けるには、この記事は誰が書いているかも明確ですので、書いている人、会社を確認しておくことで次回以降の情報ソースとしての確からしさ・質を判断する上での有益な情報になり得ます。1つ1つのニュースや記事からどのように情報を読み解き、判断し、自身の知識をアップデートするか?という思考プロセスを重ねていくことが21世紀に必要な情報判断力を高めることにつながると考えています



サポートを検討いただきありがとうございます。サポートいただけるとより質の高い創作活動への意欲が高まります。ご支援はモチベーションに変えてアウトプットの質をさらに高めていきたいと考えています