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フォトグラファーの小道具④フィルター

保護フィルターはマストアイテム!

レンズに必ず付けてほしいのが,保護フィルターです。

その名の通り,レンズを傷や汚れから保護するフィルターで,レンズの口径に合わせた物を取り付けます。

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取り付けはレンズの前面にあるネジに合わせてクルクル回して装着します。

レンズ口径の調べ方

レンズの前面を定規で測ります・・・ではなく,レンズ前面・側面もしくはレンズキャップの裏側に◯◯mm、Φ◯◯mm、Φ◯◯と記載があります。この数字がレンズ口径=フィルターサイズです。

例: 67mm、Φ67mm、Φ67


保護フィルターは「薄枠」「極薄枠」という表記の商品があります。

これは,レンズの焦点距離が短い(広角)場合に通常のフィルターを装着するとフィルター枠の影が写りこんで画面の隅が黒くなる「ケラレ」が発生する場合があり,「薄枠」「極薄枠」で防止するのがオススメです。


ただし,薄すぎる場合はレンズキャップがしっかりと装着できなくなる場合があるので要注意です。

私が広角で保有している保護フィルターで最も薄いフィルターは少しレンズキャップ の締まりが緩いです。

↓の方がレンズキャップがしっかり締まります。

ただし値段が約10倍・・・。

保護フィルターは表面のコーティング(反射防止・撥水・撥油など)やガラスの強度や枠の仕様,サイズで値段が変わります。

保護フィルターを持っていない方は安くても良いのですぐに購入しましょう!



以降紹介するのは,表現を変えるためのフィルターです。

大きく4つあります。

・PLフィルター

・NDフィルター

・ソフトフィルター

・クロスフィルター


それぞれ保護フィルターの前面に重ね付けして使います。

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使用しない時はケースに入れて保管します。

フィルター取り付けの前後にはお掃除グッズでレンズもフィルターもキレイにしましょう。


PL(PoLarizing:偏光)フィルター

反射をコントロールすることができ,発色(特に順光の青い空)やコントラストが得られるフィルターです。

ガラスや水溜り,海などの反射を撮りたい表現に合わせて変更できます。

PLフィルターを使わずとも発色やコントラストはカメラ本体の設定で変更できますが,PLフィルターがあるとガラス製品や磁器などを撮影する際に被写体に反射した撮影者本人が映らないようにコントロールできます。

なお,以前保有していましたが最近仕様頻度が高いレンズのサイズのフィルターを持っていないので購入を考えています。

購入したら撮影して作例を掲載します。


ND(Neutral Density:減光)フィルター

三脚の時にも出てきたスローシャッター撮影には欠かせないフィルターです。

日中に太陽が出ている時に流し撮りをしたいと思ってもなかなかできません。ブレを生み出そうとシャッタースピードを長く設定すると,その時間だけセンサーが光を取り込んでしまうため,明るすぎる写真になってしまいます。そんな時にはNDフィルターを装着してわざと暗くして適性露出の写真にします。

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NDフィルターには,ND2やND32と番号がついています。番号が大きいほど色が濃くなり,よりスローシャッターの設定ができます。

2や32は光量を何分の1に減らすかを表しています。

 2 → 1/2

 32 → 1/32

なお,ND2固定のフィルターやND2〜32など可変式のフィルターがあります。


しっかりとNDフィルターを使いこなすには,絞り・シャッタースピード・ISOといった露出について理解する必要がありますが,これらは別の記事にします。


ソフトフィルター

光をにじませて写真の雰囲気をソフトにするフィルターです。

最近はYouTuberが肌をキレイに映すために使っていることもあるようです。

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ソフトフィルターによって照明の部分がホワッとしていますね。

光が強い部分ほど光が大きくにじみます。

星空を撮影すると,星がよりまたたいているように写ります。作例を作るためにキャンプしようと思っていましたが,台風によって延期しました・・・これから寒くなりますが撮りに行きたいとウズウズしています。


なおソフトフィルターも多岐にわたります。


クロスフィルター

冬になるとイルミネーションの季節です。

クロスフィルターを使用すると,点の光源から十字のようなクロス効果でキラキラした写真が撮影できます。

※絞りを増やすとできる光芒とは違います


イルミネーションだけではなく,水の反射や木漏れ日など日中に使って光を強調することもできます。

こちらは私の写真には合わないので商品は持っていませんが,後ほど紹介する写真にある数百円で自作したクロスフィルターは持っています。

カメラつながりの知人の中では女性が持っている傾向です。



それでは私の手元にあるフィルターで同じ被写体(LEDライト)を撮影したのでフィルターの紹介と違いをご覧ください。

フィルターなし

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ソフトフィルター(BLACK MIST)

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ソフトフィルター(プロソフトン)

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NDフィルター

ND2

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ND32

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クロスフィルター(自作)

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同じ部屋でもフィルターで表現が変わりますよね。

他にもマクロレンズ にように撮影できるフィルターや街明かりを除去できるフィルター,レンズに合わせた丸ではなく四角いフィルター(10mmなど超広角や魚眼でレンズ自体が突き出て丸いレンズでも使える)などあり,カタログを眺めるだけでも楽しいです。


私の推しフィルターはBLACK MISTです。

雰囲気ある写真がフィルター1枚で表現できます。


ステップアップリング

でも全てのレンズサイズのフィルターを集めると費用もかかるし,荷物が増えます。

懐事情に余裕がある方はいいのですが,私含めてそうではない方には「ステップアップリング」を紹介します。

例えば,レンズのフィルター径が55mmであれば「55mm→67mm」のステップアップリングを使うことで,67mmのフィルターを使うことができます。

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フィルターサイズにあまりにも差がある場合,リングを2段にする必要が出て枠でも説明した「ケラレ」につながる可能性が出てきます。

とはいえ,口径が近いレンズを複数お持ちの方にはオススメです。


フィルターメーカーではKenkomarumiHAKUBAが様々な店舗で入手しやすいです。

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