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恋愛で学ぶ統計学♡(No.12 対応のある2群のt検定:モテる薬ってホント?)

こんにちは!
今回も、恋愛のシチュエーションを考えながら、統計を学んでいきましょう!
皆さんは、「この薬を飲めば、あなたもモテる!」という、広告があったらかなり怪しいと思いますよね、、、
でも、もし本当に効果がある薬なら、試してみたいと思うものです。
では、効果があることを示すには、どうすればいいのか?
その答えは「対応のある2群のt検定を行う」です。

t検定とは

統計を少しはかじったことがあれば、t検定という単語を聞いたことがあると思います。また、統計が初めてな方も検定という単語は、聞いたことがあると思います。たとえば、漢字検定や英語検定は、多くの人が聞いたことがあるでしょう。
国語辞典には検定を「一定の基準のもとに検査をして、価値、品質、資格などを決めること」と表現されています。
統計における「検定」も同様に、自分が集めたデータが本当に効果があったのかなどを検査して、ある基準を満たしているかを調べることと考えることができます。
検定についての基本知識は、別の記事で紹介していますので、ぜひそちらもご覧ください。

この統計における「検定」は、いろんな種類があります。こんかいはその中でも「t検定」についてご紹介します。
まず、この検定では「平均値」に注目をします。「平均値に差があるのか」というのが、この検定の本質になります。

また、この「t検定」には、大きく3つの種類があります。
1.1群でおこなうt検定
2.対応のない2群のt検定
3.対応のある2群のt検定
です。

1.は1群、つまり母集団の平均値を推定するものです。これは、あまり行うことがありません。

2.は2群、つまりあるグループAとあるグループBという2つのグループをつくり、それぞれに別のことを行い、効果があったのかを確かめる検定です。

3.は2群なのですが、もともとグループAがあり、それに対して何かをしてグループAがどんな効果があったのかを確かめる検定です。つまり事前のグループAと事後のグループAという2つのグループがあるということです。これを対応がある2群とあらわします。

2群のt検定のイメージ図

今回のような、薬を使って効果があるのかを調べる場合は「3.対応のある2群のt検定」を行います。対応のない2群のt検定では、薬を飲んだことによる効果の違いを示すことは難しいです。

たとえば、イメージ図にあるグループAの人たちとグループBの人たちで考えてみましょう。グループAの人たちに、特別なモテ薬をのんでもらい、グループBの人たちにはモテ薬をのまないようにしてもらいます。そして、1か月後に、モテたかどうかを聞くとします。すると、グループAの人たちは、ものすごくモテた!といい、グループBの人たちは、特に変わらなかったといったとします。だから、このモテ薬は効く!という結論になりそうですね。
しかし、だまされてはいけません。そもそも、グループAの人たちがダイヤの原石のような方たちばかりで、モテやすい素養を内に秘めた人がたくさんいた場合、モテやすくなるのは当たり前ですよね。逆にグループBの人たちが、まったく人とかかわることをしない人たちばかりであれば、なにも変わらないのも当たり前です。
このように、そもそも違うグループ同士の平均値を比べるということは、そのグループ同士が同じ性質をもっていないと成立しません。

ですので、薬の効き目が聞いたかどうかを調べるときには、同じ人がどのように変わったかを見たほうが説得力があるため、対応のあるt検定をおこなうことが多いです。

では、実際に薬をのんでもらい事前と事後の結果を見てみるとしましょう。
したのイメージ図を見てください。

有意差についてのイメージ図

このように、平均値が明らかに変化がある場合、有意差があると判断できます。このように有意な(=意味のある)差がある場合、このモテ薬をのんだ結果、モテ度が上がったということができます。

モテ度というかなりあいまいな言葉を使っていますし、イメージ図のように簡単に変化があるということは、厳密に言えません。
この記事でも説明は、あくまで「t検定」を学ぶきっかけにしてくださいね!

そして、もし、「この薬を飲めば、あなたもモテる!」という、広告でないにしても、似たような広告があると思います。
そんなとき、この薬は、対応のある2群の検定が行われて、効果があったのかを確かめるといいかもしれませんね。
きっと、そんな情報を提示してくれている薬は、怪しい薬にはないと思いますが、、、(笑)

でも、もし、ちゃんと検定を行われた効果のあるモテ薬ができたら、、、

あなたは、その薬をのみますか?



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