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♡恋愛で学ぶ統計学♡(No.14 最尤推定: 妄想マッチングアプリ)

こんにちは!
今回も、恋愛を通して、統計学を学びましょう。

この記事で取り上げるのは「最尤推定(さいゆうすいてい)」です。

最尤推定って何?と聞かれたら、私は「もっとも、もっともらしい推定」と答えます
実は、これ最尤という漢字を訓読みしただけです。
しかし、この漢字こそ、この推定の本質を表していると思います。

これだけの説明で、「なるほど!」と思う方は、ほとんどいないと思うので、たとえ話をしながら、一緒に理解していきましょう!

最近、恋愛はマッチングアプリを使うのもあり!という、少し昔では考えられない状況になりましたね。マッチングアプリも様々なものがあり、今では数えきれないほどの数が存在しています。
そんな恋愛マッチングアプリを使う状況を想像してみてください!

もしも、あなたがとあるマッチングアプリをしていたとします。
その名も「妄想マッチング」
そのアプリは、顔写真を使ってはいけません。
そして、あなたがわかるのは
マッチング相手の「パートナーに求める条件」
だけです。
それだけの情報で相手がどんな人かを妄想するのです。
こんなアプリは、きっと、ダウンロード数は低いと思います(笑)
ですが、とりあえずそんなアプリがあったとします。

ではアプリにいる方たちの条件をみてみましょう!

Aさん
「外国車に乗っている人がいい」

なるほど。1人目の情報をみると、外車が好きな人なのかな?もしかしたらドライブ好きの人かもしれないぞ。と妄想できますね。
では、2人目を見ましょう。

Bさん
「専業主婦または、専業主夫を許してくれる人がいい」

ふむふむ。どちらかというと、あまりバリバリ働きたいというわけではないのかな?むしろ、働きたいというパートナーを支えてくれる人なのかな?と妄想できます。
もう少しみていきましょう。

Cさん
「上場企業で働いている人がいい」

パートナーには、上場企業で働いていて、たくさんお給料を稼いでくれる人がいいのかな?と妄想することができます。それでは、最後にもう一人見てみましょう。

Dさん
「年収3000万円以上の人がいい」

直球ですね。妄想する余地がありません。Dさんは、パートナーには、金銭的な面を重視している方です。

ここまで、4人の条件を見てきました。
どうでしょうか?
お気づきの方も多いかと思いますが、4人とも表現こそ違いますが、パートナーには、かなり金銭的な部分を条件にしている方たちでしたね。

これらの情報から
この「妄想マッチング」アプリを使用している人たちの大部分は、もしかすると「都市部に住んでいる、年齢層が低め(20代くらい)」ではないだろうかと推測することができませんか?

なぜそのように予想したか。

①このような相手の情報が乏しいマッチングアプリを、年齢層が高めで本気の付き合いを求めている方は使用しないから。

②金銭的な面のみを条件にあげていて、その条件も比較的、レベルの高いものであるため、田舎で暮らしている人がパートナーに求める内容として考えにくいから。

③最近でてきた「港区女子」という人たちが挙げるパートナーに求める条件と似ているから。

(これらの理由は、かなり偏っていると思われる方がいらっしゃると思いますが、あくまでこれはたとえ話ですからね(;^ω^))

じつは、このように、ある集団からいくつかサンプルを集めて、その集団がどんな集団なのかを予想するというのが統計学では「推定」と言われます

そして、最尤推定(さいゆうすいてい)では、その集めてきたサンプルから考えれば、これが一番もっともらしいなと思う予想をします

今回のたとえ話の場合であれば、サンプルを集めたとき、この4人が最も選ばれやすい集団は、どんな集団なんだ?と考えた時、「都市部に住んでいる、年齢層が低め(なんなら港区)の集団」だと予想する。
というのが「最尤推定」です。

もしも、このアプリをやっているひとたちの集団が
「地方にある、おじいちゃんおばあちゃんが多く住む村」と考えた場合
あの4人と遭遇するのは、かなりレアなケースです
よね(笑)
あの4人がその村にいる確率は、かなり低そうです。
よって、その予想は「もっともらしくない」のです。

図で考えると、次のようになります。

このように、集めてきたサンプルは、どんな集団から出てくるのかを考え、その確率がもっとも高い集団を考えるのです。

ここまで、たとえ話で説明してきたので、統計学の世界での「最尤推定」についても考えましょう。

先ほどのように、いくつかサンプルを集めます。
そして、それらのサンプルが出てくる確率が最も高い集団の「平均値」と「分散」を推定します
別の言葉でいえば、集団の分布がどこに位置しているのかを予想するのです。
これが、統計学でよく行われる内容です。
統計学では、よく「母平均」と「母分散」を知ろうと色々な分析をするわけです。
少ない情報から、自分たちが知りたい集団の平均は一体どのくらいで、どの程度ばらけている(分散)のかを調べることこそ、統計学の肝とも言えます。

この最尤推定は、近年よく用いられています。

この推定を行うには、正規性(調べたい集団が正規分布)を仮定する必要があったり、「最小二乗法」のような別の推定をつかった方がよい場合もあったりするのですが、とても応用性のある推定です。

数学的な説明は、もう少し複雑になりますので
興味がある方は、この記事を書くにあたり参考にさせていただいた動画を載せておきますので、そちらも見ていただけると幸いです。


それにしても、相手の情報が最小限しかないマッチングアプリ、、、
あまり流行らないかもしれませんが、相手がどんな人なのかな?
とドキドキしながら、連絡を取り合うのは、楽しいかもしれませんね。
昔の文通のようなものでしょうか?
最近では、匿名で話ができる掲示板やチャットボックスがたくさんあるので、わざわざ課金をしてまで、やらなくても、そうしたドキドキは手に入れやすいのかなとおもいながら、やっぱり顔もわからない人と恋愛するのは怖いなとも思う今日この頃です。





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