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人事・経営支援関連

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私の経営・人事支援関連の記事です。
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#川上真史

「人事課題を解決したい」企業の方に対し、私がお尋ねする観点

 私は、地方企業様の人事課題の解決支援の活動をしています。その際、経営者の方、担当の方とも多くのコミュニケーションをさせていただいています。その際、話題として、人事関係(制度等)の話はもちろんですが、基本的な経営の状況の話もさせていただいています。  最近でこそ、「人事は経営の根幹の一つ」という経営者の方も多くなってきました。総論としては理解されているものの、なかなか深く突っ込んで議論をするのは苦労します。とはいえ、最初から「サーベイシート」のような、こと細かい資料を使って

成功するプレゼンテーションの心理学ー川上真史氏の5段階アプローチ

 川上真史ビジネス・ブレークスルー大学教授の「企業と心理学 トピックス #12プレゼンテーション」というテーマでした。「プレゼンテーション」をいうと苦手の方も多いです。私もその1人。一方、質問ー驚きー具体例ー論理ー行動で実践すると良いとのこと。深掘りして事例を考えてみたいと思います。 プレゼンテーションの構成の5段階 1.Question(質問)  プレゼンテーションの最初に、聴衆に対して質問を投げかけます。この質問は聴衆の関心を引くためのものであり、具体的な回答を求める

日本人が苦手な伝えるコミュニケーションの克服法ー川上真史氏より

 川上真史ビジネス・ブレークスルー大学教授の「企業と心理学 トピックス #11 伝えるコミュニケーション」というテーマでした。今回は、日本人が苦手とする「伝えるコミュニケーション」について、その原因を深く掘り下げ、具体的な改善策を紹介しました。このテーマは、ビジネスシーンだけでなく、日常生活における人間関係にも深く関わる重要なものです。 日本人が伝えるのが苦手な理由 教育の影響  日本では「よく聞きなさい」という教育が重視され、「自分の意見を伝えなさい」という教育は後回し

能動的傾聴:アクティブ・リスニングで築く信頼関係ー川上真史氏より

 川上真史ビジネス・ブレークスルー大学教授の「企業と心理学 トピックス #10 アクティブ・リスニング」というテーマ。アクティブ・リスニングは、単に相手の話を一生懸命に聞くだけではなく、聞き手が能動的に質問や働きかけを行いながら、話し手の発言内容を深く理解しようとする技法です。この技法の目的は、話し手自身が今まで気づいていなかった自分の真の思いや感情、意図などに気づくことを促進することにあります。  私も時々取り上げている、リーダー・エフェクティブ・トレーニング(L.E.T

川上真史氏ー企業の持続的成長に向けたエンカレッジメントの活用: 従業員の個性を活かす人事施策

 川上真史ビジネス・ブレークスルー大学教授の「企業と心理学 トピックス #9 エンカレッジメント」というテーマは、古くて新しい概念を改めて認識する良い機会となりました。エンカレッジメントとは、単に人を励ますことではなく、自分の意思や判断に基づいて主体的に行動を起こすための勇気を与えることを指しています。  具体的には、他者のために生きるのではなく、自分の意思で主体的に生きる責任を持つことの重要性が強調されています。周囲の人々に認められるために、社会的に望ましいとされる行動を

川上真史氏ーパブロフの理論からビジネス戦略へー条件付けとマインドセットの理解

川上真史ビジネス・ブレークスルー大学教授の「企業と心理学 トピックス #7 条件付けとマインドセット」というテーマは、マインドセットが条件付けによって変わっていくという興味深い視点を示しています。人事の立場においても非常に重要な示唆を得られるものでした。考察してみたいと思います。 条件付けとマインドセットの理解 条件付けとは、ある特定の刺激(条件刺激)に対して一定の反応(無条件反応)が習慣化される心理学のプロセスです。この概念は、イワン・パブロフの古典的条件付けの実験から広

職場における自我の役割と主体性の育成ー川上真史さんの指摘から考える

 川上真史ビジネス・ブレークスルー大学教授の「企業と心理学 トピックス #8自我と主体性」というテーマは、心理学の中でも特に人間の意思決定プロセスやパーソナリティ形成に焦点を当てており、特にフロイトの精神分析理論を基に自我の機能とその社会生活や職場での影響について述べられており、大変興味深いものでした。  自我は、内部の無意識的な衝動(イド)と外部の社会的規範や道徳(超自我)との間で調整を行う役割を持っています。このバランスをうまく管理することで、個人は社会内で適切に機能す

心の深層に潜む影ーコンプレックスの心理学

 川上真史ビジネス・ブレークスルー大学教授の「企業と心理学 トピックス #6コンプレックス」というテーマは、コンプレックスの本来の意味、そしてコンプレックスをどのように扱うべきなのか、深い洞察を与えてくれました。  まず、コンプレックスとは、自分の心の最深部に潜んでいる、直視することも思い 出すこともためらわれるような辛く苦しい経験や感情を、無意識のうちに強く抑圧し、心の奥底に封じ込めてしまった状態を表す心理学の概念です。これは、一般的に誤解されがちな劣等感とは本質的に異な

変わるリーダーシップ、変わる組織ー未来への挑戦

 川上真史ビジネス・ブレークスルー大学教授の「企業と心理学 トピックス #4 変わるリーダーシップ」というテーマを取り上げます。  2023年のプロ野球における阪神(岡田監督)が大差をつけて優勝したことを例に取り上げています(ちなみに、川上教授は阪神タイガースの大ファンでもあります。)。これは、変化への適応と、状況に応じた対応策の設定・周知、そしてそれを実践へと移す過程において、リーダーシップの形が大きく関係していると見ています。ここから学べるリーダーシップの変化とは何か、

従業員教育の新時代-「勉強してはいけない」という挑戦

 川上真史ビジネス・ブレークスルー大学教授の「企業と心理学 トピックス #3『勉強』してはいけない」というテーマは、企業や組織における教育と学習のあり方に対する深い洞察を提供しています。  この視点は、私が長年関わってきた人事領域においても非常に重要な示唆を与えるものでした。従業員のスキルアップについて、教育の機会・メニューを取りそろえること中心に考えがちですが、それだけでは不十分です。  川上教授の提言を掘り下げ、企業における学習の実践にどのように応用できるかを考察します