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人事・経営支援関連

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私の経営・人事支援関連の記事です。
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#コミュニケーション

「人事課題を解決したい」企業の方に対し、私がお尋ねする観点

 私は、地方企業様の人事課題の解決支援の活動をしています。その際、経営者の方、担当の方とも多くのコミュニケーションをさせていただいています。その際、話題として、人事関係(制度等)の話はもちろんですが、基本的な経営の状況の話もさせていただいています。  最近でこそ、「人事は経営の根幹の一つ」という経営者の方も多くなってきました。総論としては理解されているものの、なかなか深く突っ込んで議論をするのは苦労します。とはいえ、最初から「サーベイシート」のような、こと細かい資料を使って

DESC法を用いた効果的なアサーティブコミュニケーション

 DESC法は、アサーティブなコミュニケーションを促進するための効果的なフレームワークであり、問題解決や人間関係の改善に役立ちます。この手法は、Describe(描写する)、Express(表現する)、Specify(提案する)、Consequences(結果を伝える)の4つのステップから構成され、それぞれのステップで具体的な行動をとることで、より円滑なコミュニケーションを図り、良好な人間関係を築くことができます。 1. Describe(描写する)  このステップでは、

組織の結束力を高める戦略ー社員間のつながりを深めるアプローチ

 社員間のつながりを深めるための取り組みは、組織の生産性とイノベーション、そして社員の満足度とエンゲージメントを向上させるために重要です。私の長年の人事経験から学んだことを踏まえ、以下に詳細な考察を展開します。 組織構造と文化の再考  組織構造と文化が社員間のつながりに大きな影響を与えます。一般には、フラットな組織構造は、コミュニケーションの障壁を減少させ、部門間の協力を促進します。クロスファンクショナルチームを積極的に活用することで、異なる専門知識を持つ社員同士の交流が

管理職の新たな地平ー効果的なリーダーシップと組織成功の鍵

 管理職の役割と効果的なリーダーシップは、組織の成功において決定的な要素です。管理職に求められるのは、単に専門知識や技術力の高さだけではなく、人材の育成、チームの統率、そして組織文化の形成といった幅広いスキルセットです。これらの要素を深く掘り下げ、さらに詳細な分析を行い、効果的なリーダーシップのさらなる側面を考察します。 管理職の役割  管理職の役割を詳細に考えていくと、その責任範囲の広さと重要性が浮き彫りになります。人材育成においては、管理職は部下一人一人の能力と可能性

AIの時代のサバイバルスキルービジネスパーソンが持つべき5つの能力

 AI技術、特にChatGPTのような高度なAIツールの急速な進化は、現代社会を大きく変革しています。AIは、私たちの日常業務を効率化し、新たな可能性を切り開く一方で、ビジネスパーソンに求められるスキルや能力にも変化をもたらしています。  AIが進化し続ける中で、人間ならではのスキルや能力は、これまで以上に重要性を増しており、それらを磨き続けることがビジネスにおける成功の鍵となるでしょう。  この時代において、ビジネスパーソンが持つべき能力とは何かを考察、5つにまとめてみまし

声を上げる勇気ー会議での発言が切り開く成長の道

 インプットとアウトプットのバランスは、個人の成長において重要な要素であり、特に会議という場における積極的な発言は、実はこのバランスを最適化する上で非常に有効な場になります。  会議での発言は、知識や情報を吸収するインプットだけでなく、それを活用して自己の考えや意見を形成し、共有するアウトプットの機会となります。この双方向のプロセスを通じて、個人のスキルは磨かれ、組織文化は活性化され、チームワークは強化されます。 個人の成長への多角的な影響  会議での積極的な発言は、個人

中高年社員が直面する逆パワハラの現実と人事としてどう対応するのか?ー日経ビジネス記事より

 日経ビジネス2024/04/15の記事に『逆パワハラに怯える中高年社員 部下にもの言えず無気力状態 』が掲載されていました。この記事は、中高年社員が職場で直面する逆パワハラや複雑な人事評価制度によるストレスについて深く掘り下げています。40〜50代の社員が特に強いストレスにさらされており、これが彼らの働く意欲や精神的健康にどのような影響を与えているかが詳述されています。人事の立場として、これにどのように向き合って行くべきなのか、検討してみたいと思います。 逆パワハラストレ

日本人が苦手な伝えるコミュニケーションの克服法ー川上真史氏より

 川上真史ビジネス・ブレークスルー大学教授の「企業と心理学 トピックス #11 伝えるコミュニケーション」というテーマでした。今回は、日本人が苦手とする「伝えるコミュニケーション」について、その原因を深く掘り下げ、具体的な改善策を紹介しました。このテーマは、ビジネスシーンだけでなく、日常生活における人間関係にも深く関わる重要なものです。 日本人が伝えるのが苦手な理由 教育の影響  日本では「よく聞きなさい」という教育が重視され、「自分の意見を伝えなさい」という教育は後回し

持続的な成功のための組織文化の強化ー9の着眼点

 組織文化の強化は、組織全体における重要な課題であり、成功するためには総合的なアプローチが求められます。組織文化は、組織の価値観、信念、行動規範、慣習などを包含する複雑な概念であり、組織の全てのメンバーに浸透し、組織の方向性と意思決定に影響を与えます。強い組織文化は、組織の一体感と結束力を高め、メンバーのモチベーションと生産性を向上させ、組織の目標達成を促進します。一方、弱い組織文化や不健全な文化は、組織の効率性と成果を阻害し、メンバーの士気を低下させる可能性があります。その

長所と短所のバランスー効果的な人事管理の秘訣

 誰にでも「長所」と「短所」はあるものです。周りの人の長所に注目することの重要性と、そして、短所も含めた適切なバランスについて考え、具体的な人事戦略とその実践方法について考察してみます。 長所に注目することの重要性  長所に焦点を当てることで、ポジティブな職場環境を構築し、従業員の自己効力感を高めることに寄与します。従業員が自分の能力や才能が認識され、評価されると、仕事への情熱、創造性、そして責任感が高まります。このような環境では、従業員は自発的に自己超越の機会を求め、自

【15のチェックポイント】1on1面談ー継続的なコミュニケーションと個人の成長を支援する

 1on1(1対1)面談は、組織内でのコミュニケーションと個人の成長を促進するために非常に重要です。1on1では、上司と部下が直接顔を合わせて対話し、仕事の進捗、目標の設定、フィードバックの交換、キャリア開発や個人的な懸念事項について話し合います。これにより、個々の従業員が直面している課題を深く理解し、適切なサポートを提供することが可能になります。また、従業員のモチベーション向上やエンゲージメントの強化にも大きく寄与します。効果的な1on1面談を実施するためには、いくつかの重

人的資本の価値: 知識経済における無形資産と競争力

 現代のビジネス環境では、有形資産だけでなく、無形資産としての人的資本の重要性が高まっています。企業の市場価値評価においても、従来の有形資産中心の視点から、知識や経験、従業員の創造性などの無形資産を重視する傾向に変化が見られます。人的資本とは、従業員の知識、技能、経験、創造性、モチベーションなど、企業価値向上に貢献する従業員の総合的な能力を指します。人的資本が豊かな企業は、イノベーションを起こしやすく、顧客満足度を高め、競争優位性を築きやすいという特徴を持っています。 無形

「雑談」のマネジメントー職場でのコミュニケーションと組織文化の強化

 職場における「雑談」の重要性を理解し、それを組織文化として育んでいくことは、人事の立場から見ても非常に重要な取り組みといえます。雑談は表面的には軽い会話と見えるかもしれませんが、実際には社員のエンゲージメント、チームの結束力、創造性の促進、ストレスの軽減など、多くのポジティブな効果をもたらします。雑談が職場に与える影響(善し悪しあり)を考えてみたいと思います。 コミュニケーションの活性化と社内ネットワークの強化  雑談によるコミュニケーションの活性化は、社内ネットワーク

感情と本音のバランス-職場での健全なコミュニケーション文化の促進

 感情と本音を区別するして考えることは、組織内コミュニケーションにおいて極めて重要な問題です。人間は複雑な生き物であり、感情と本音が常に明確に分かれているとは限らないでしょう。特に組織の中では、ストレスの多い環境やプレッシャーが高まる状況で、感情が高ぶり、本音と混ざり合うことがあります。このような状況は、人事の領域でも特に注意深く扱う必要があるテーマと感じています。 組織内での感情と本音の管理感情と本音の区別  組織内では、従業員が感情的になりやすい状況がしばしば発生しま