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人事・経営支援関連

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私の経営・人事支援関連の記事です。
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#評価

「人事課題を解決したい」企業の方に対し、私がお尋ねする観点

 私は、地方企業様の人事課題の解決支援の活動をしています。その際、経営者の方、担当の方とも多くのコミュニケーションをさせていただいています。その際、話題として、人事関係(制度等)の話はもちろんですが、基本的な経営の状況の話もさせていただいています。  最近でこそ、「人事は経営の根幹の一つ」という経営者の方も多くなってきました。総論としては理解されているものの、なかなか深く突っ込んで議論をするのは苦労します。とはいえ、最初から「サーベイシート」のような、こと細かい資料を使って

中小企業の人事制度において、社長が最終決定権を持つことの意義と課題

 中小企業において、社長が人事制度の最終決定権を持つことは、企業の成長と安定に対して大きな影響を与える重要な要素です。この決定は企業の規模、業種、社風、そして経営理念に応じて多角的な視点から検討する必要があります。以下にその具体的な意義と課題について詳述します。 1. 社長が決めることの重要性:迅速性と責任  中小企業は大企業に比べて意思決定のスピードが求められる場面が多くあります。市場の変化や競合の動向に迅速に対応することが求められるため、社長が最終決定権を持つことはそ

職場文化の活性化ー報酬とパフォーマンス評価の課題への対応

 「どうせ給料上がらないし、評価もされないから適当に」という従業員の発言が、組織における報酬マネジメントとパフォーマンスマネジメントシステムの不備を示しています。これは従業員のモチベーション低下、職務満足度の低下、そして組織全体の生産性への悪影響に繋がりかねない深刻な問題です。以下では、これに対する包括的な改善策を考察します。 1. パフォーマンスマネジメントの見直し  パフォーマンスマネジメントシステムは、従業員の業績評価とモチベーション向上のための核となる要素です。従

部下の眼を通して見るリーダーシップー効果的な組織運営の秘訣

 部下が上司を観察することは、組織運営において非常に重要な意味を持ちます。私が人事を担当してきた経験から、この事実は様々な側面で組織の動きに影響を及ぼしていると考えています。  まず、部下は上司の行動、決断のプロセス、コミュニケーションスタイルを通じて、会社の文化や価値観を学びます。上司がどのようにチームを導くか、どのように問題を解決するか、また、どのように部下と関わるかは、部下の行動や態度に直接影響を及ぼします。上司がポジティブな態度で、公平で、支援的な環境を提供する場合

評価者研修と被評価者研修-優先順位のバランスを考察

 評価者研修と被評価者研修の優先順位に関しては、意外に話題になりやすいです。私もいろいろなところで話を聞いて、それぞれの状況に応じて構築・アドバイスしています。 被評価者研修の重要性  被評価者研修の重要性については、被評価者が評価制度を理解し、自己評価や目標設定のスキルを身につけることの重要性があります。この研修は、被評価者が自己のキャリアをより効果的に管理し、組織内での役割を積極的に担うことを促すでしょう。また、組織全体のパフォーマンス向上にも寄与するものと思います。

多面的な視点で捉える現代の人事制度:続・三位一体の取り組み

 以前に、人事制度について、会社、被評価者、評価者の三位一体の取り組みが大切という話をしました。  この内容をもう少し深掘りして、もう少し多面的な視点の深掘りをし、現代の人事制度のあり方について考察をしてみたいと思います。 会社目標と直結させる  多くの人事制度では、会社の組織目標との直結が重視されます。このアプローチでは、個々の従業員の貢献度を評価することが中心で、上司が部下の業績を評価することで昇進や賞与が決定されます。  このシステムは長年にわたり確立され、効率性

会社の成長と人事制度:三位一体の取り組みがカギ

 人事制度の適正な運用には、会社、評価者、被評価者が三位一体になることが必要です。そのために何が大切なのかを考察してみます。 人事制度の適正な運用は、会社の成長や労働環境の改善に大きな影響を与えます。このため、会社、評価者、被評価者が三位一体となり、共同で取り組むことが必要です。そしてそのバランスも重要です。  まず、会社側は公平な評価基準を設定する必要があります。評価基準は明確で透明性があり、全ての従業員に公平に適用されるべきです。また、評価基準は定期的に見直され、現実

部下を「観察」することは、上司の大切な仕事

 上司の最も大切な仕事の一つが、「部下をしっかりと観察する」ということです。観察をしないと事実をきちんと把握できず、評価することは難しいです。観察する際の注意点、効果をまとめました。 「業務上」「業務外」に分けて観察、観察記録を作成する その際に、「業務上」「業務外」に分けて観察記録を作成することです。そして、マネジメントには双方の情報が必要ですが、「評価」の局面では、「業務上」の話だけになります。ここは注意すべき点です。 観察1:「業務上」の話  業務上の話は、部下の

人事考課の標準的な流れ・機能・メリット

 人事考課は「目標設定~期中指導~評価~フィードバック」が大きな流れです。どれも重要なステップになります。基本的な流れ・機能・メリットを理解し、適切に実施することで、大きな効果を得ることができます。  これらをバランス良く実施することは大切です。一方、多くの企業は、いずれかのステップが弱かったり、事実上存在していないこともあります。その場合も、最初から多くを求めず、一つ一つ確実に実践していくだけでも、効果は上がってきます。 目標設定  目標設定は、従業員が期間中に達成す