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人事・経営支援関連

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私の経営・人事支援関連の記事です。
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2024年5月の記事一覧

成功するプレゼンテーションの心理学ー川上真史氏の5段階アプローチ

 川上真史ビジネス・ブレークスルー大学教授の「企業と心理学 トピックス #12プレゼンテーション」というテーマでした。「プレゼンテーション」をいうと苦手の方も多いです。私もその1人。一方、質問ー驚きー具体例ー論理ー行動で実践すると良いとのこと。深掘りして事例を考えてみたいと思います。 プレゼンテーションの構成の5段階 1.Question(質問)  プレゼンテーションの最初に、聴衆に対して質問を投げかけます。この質問は聴衆の関心を引くためのものであり、具体的な回答を求める

組織成功の鍵ー主力社員の定着と成長の戦略

 組織において新陳代謝は重要であり、特に利益率の高い筋肉質な組織構築においては、主力社員の定着と成長に焦点を当てることが重要です。主力社員は組織の骨格を形成し、そのエンゲージメントと生産性が直接的に組織の成果に影響を及ぼします。以下では、主力社員の定着と成長を促進するための具体的な戦略を詳細に検討します。 主力社員の役割と責任の明確化  主力社員に対しては、彼らの役割と責任を明確にし、それに見合う権限と裁量を与えることが重要です。彼らが自分たちの仕事において意思決定を行い

中高年社員が直面する逆パワハラの現実と人事としてどう対応するのか?ー日経ビジネス記事より

 日経ビジネス2024/04/15の記事に『逆パワハラに怯える中高年社員 部下にもの言えず無気力状態 』が掲載されていました。この記事は、中高年社員が職場で直面する逆パワハラや複雑な人事評価制度によるストレスについて深く掘り下げています。40〜50代の社員が特に強いストレスにさらされており、これが彼らの働く意欲や精神的健康にどのような影響を与えているかが詳述されています。人事の立場として、これにどのように向き合って行くべきなのか、検討してみたいと思います。 逆パワハラストレ

抵抗から受容へー職場での変化に対する心理的ダイナミクス

 変化への抵抗感は、人間の本能的な反応であり、特に長年慣れ親しんだ職場や社会システムに対しては、この感情は強く現れます。私の長年の人事経験からも、この変化への抵抗は明確に観察され、組織内での変革や新しい方針の導入に際しては、この点を十分に考慮する必要があります。変化への抵抗感には多くの理由があり、それぞれの理由は、個人の心理や組織の文化、社会の構造に深く根ざしています。 変化への抵抗感はなぜ生じるのか、その影響は?安定への欲求  人は本能的に安定を求めます。職場においても

効率的な人事異動の実現:6つのステップで組織の力を引き出すー日経ビジネス記事より

 日経ビジネス2024/5/24の記事に『人事異動のコツ 知っておきたい6つの段階』が掲載されていました。人事異動については、多くの企業で多く行われている一方、悩みも多いのではないかとも思います。人事異動は、従業員と組織の双方に良い面もありますが、欠点もあります。経営学者ジェフ・S・ジョンソン氏が、人事異動の6段階を指摘、その有効性を高める選抜方法と方針を提案しています。その上で、人事の立場としてさらに考察していきます。 人事異動の6段階動機づけの段階  従業員が異動の利

企業の使命ー子どもたちへのメッセージー理念を磨き、実践し続ける価値

 理念を掲げ、それに従って行動することは、個人や企業にとって重要な意義を持ちます。特に、社会と未来を担う子どもたちに対しては、単に言葉で教えるのではなく、理念を実践することで具体的な模範を示すことが重要です。この行動は、単に一時的なものではなく、持続的な努力と改善、そして困難に直面しながらも前進し続けることを意味します。このプロセスを通じて、子どもたちは理念の重要性、それを実践する難しさ、そして不断の努力による成果を学びます。  人事の立場から見ると、企業文化や倫理観の醸成

ヒエラルキーからアジャイルへーアフラックのDX成功事例

 Aoba-BBTの番組、DXライブ08は「ヒエラルキー組織」でした。ビジネスブレイクスルー大学大学院の今枝昌宏教授とアフラック生命保険株式会社のアジャイル推進室長である吉田政史氏が、日本企業におけるDXの課題と、アフラックが実践するアジャイル型の組織モデルについて議論しました。以下アフラックのホームページにもにも詳細に記載されています。 日本企業におけるDXの課題階層型組織の弊害  従来の日本の大企業に多く見られる階層型組織は、意思決定のスピードが遅く、新しいビジネスモデ

採用の先を見据えるー組織成長のための人材管理戦略

 経営者や人事担当者が陥りがちな一つの大きな落とし穴として、採用プロセスを完了した時点で満足し、その後の人材の成長と発展に十分な注意を払わないことです。採用は、個々のキャリアと組織の進化において、単なる始まりに過ぎません。目標人数を達成し、才能ある人材を確保した後も、その人材が組織内でその能力を最大限に発揮し、目に見える成果を生み出せるようにするための継続的なサポートと投資が不可欠です。 採用後の人材管理の重要性 採用プロセスの成功は、新しい従業員が組織に加わることによる即

日本人が苦手な伝えるコミュニケーションの克服法ー川上真史氏より

 川上真史ビジネス・ブレークスルー大学教授の「企業と心理学 トピックス #11 伝えるコミュニケーション」というテーマでした。今回は、日本人が苦手とする「伝えるコミュニケーション」について、その原因を深く掘り下げ、具体的な改善策を紹介しました。このテーマは、ビジネスシーンだけでなく、日常生活における人間関係にも深く関わる重要なものです。 日本人が伝えるのが苦手な理由 教育の影響  日本では「よく聞きなさい」という教育が重視され、「自分の意見を伝えなさい」という教育は後回し

女性リーダーの前進: システマティックな障害を乗り越える

 女性リーダーが直面する悩みは多岐にわたり、個人的な課題から職場でのシステマティックな問題まで様々な形で存在します。これらの悩みは、女性リーダーのキャリアや個人的な生活に大きな影響を与えるだけでなく、組織全体のパフォーマンスや生産性にも影響を及ぼす可能性があります。以下では、私が感じた、女性リーダーが直面する主な悩みを解説し、それに対処するためのアプローチについても検討していきます。 1. ジェンダーバイアスとステレオタイプ  女性リーダーは、性別に基づく偏見やステレオタ

自立を阻害するリーダーシップー組織とメンバー成長への影響

 何でも自分で進めてしまうリーダーの行動は、短期的には効率的に見えるかもしれませんが、長期的な視点で考えると組織とメンバーの成長に多くの悪影響を及ぼします。これは、私がこれまで人事として携わってきた組織開発、タレントマネジメントの業務で何度も目にしてきた問題です。このようなリーダーシップスタイルは、組織内のイノベーションの阻害、従業員のモチベーションの低下、そして将来のリーダー育成の機会の喪失につながります。 組織文化への影響イノベーションの抑制  イノベーションが抑制さ

執念と諦めの狭間でービジネスと人生における持続可能な成功の追求

 執念と諦めのバランスは、ビジネスと人生の両面で極めて重要な概念です。このバランスが成功への道を切り開くと同時に、個人と組織の両方において、長期的な持続可能性を保証する要素です。これらの概念がビジネスの様々な側面にどのように関連しているかを詳細に探求してみます。 執念ー目標への不屈の精神  執念は、困難に直面しても目標に向かって努力を続ける力です。この力は、特に起業家精神において顕著です。新しい事業を立ち上げる際、無数の挑戦と失敗に直面しますが、成功した起業家はこれらの挑

『求人のAmazon』へ進化する新プラットフォーム発表 にどう対応するか

 日経オンライン2024/04/15の記事に『インディード「求人のAmazon」に 求職者と企業を集結』が掲載されていました。求人のAmazonとは、求人情報サービスにおいて、米アマゾン・ドット・コムが展開するEコマースプラットフォームのような、ワンストップの求人マーケットプレイスを構築する動きを指しています。  リクルートHD傘下の米Indeedは、求人業界に新たな風を吹き込むべく、従来の求人検索エンジンから、求職者と企業が集う包括的なマーケットプレイスへと進化を遂げよう

中小企業の人事制度において、社長が最終決定権を持つことの意義と課題

 中小企業において、社長が人事制度の最終決定権を持つことは、企業の成長と安定に対して大きな影響を与える重要な要素です。この決定は企業の規模、業種、社風、そして経営理念に応じて多角的な視点から検討する必要があります。以下にその具体的な意義と課題について詳述します。 1. 社長が決めることの重要性:迅速性と責任  中小企業は大企業に比べて意思決定のスピードが求められる場面が多くあります。市場の変化や競合の動向に迅速に対応することが求められるため、社長が最終決定権を持つことはそ