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人間学の学び(『致知』および「木鶏クラブ」等)

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雑誌『致知』の読後感、木鶏(読書会)クラブ、関連書籍についてまとめています。
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#1日1話読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書

人事と人間学ー『致知』からの学びがもたらす効果

 人間学を学ぶ雑誌『致知』。本当に素晴らしい雑誌です。また、読書会である「木鶏クラブ」にも参加し、学びを深めることができます。私も地元の木鶏クラブに参加し、多くの学びを得ています。  人間学は学校で教えてくれません。したがって、社会人になってから学ぶ方も多いです。人間学の学びがもたらす効果について、人事の立場から再度考察してみました。 自己啓発と内省の促進 職場でのリーダーシップ  自己啓発を通じて得られる自己理解は、リーダーとしての資質を高めることになるでしょう。リーダ

【書籍】北の地で花開く夢ー香田誉士史と高校野球の挑戦

『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』(致知出版社、2022年)のp272「8月23日:常識破りの努力(香田誉士史 西部ガス硬式野球部コーチ・駒澤大学附属苫小牧高等学校野球部元監督)」を取り上げたいと思います。  香田氏が語る物語は、単なる高校野球の成功談を超え、北海道の冷酷な冬という自然の壁に直面しながら、彼と彼のチームがどのようにしてその壁を乗り越え、最終的には全国の舞台で輝かしい成果を収めたのか、その過程は多くの教訓とインスピレーションを提供します。

【書籍】方向性を失わないための哲学:三浦朱門の教訓

『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』(致知出版社、2022年)のp266「8月17日:哲学とは、砂漠の中の懐中電灯である (三浦朱門 作家)」を取り上げたいと思います。  三浦氏の言葉「哲学とは、砂漠の中の懐中電灯である」という表現には深い意味が込められています。この比喩は、彼自身の砂漠での体験に基づいています。砂漠での一夜、彼は夜間に目を覚まし、小便のために寝袋から出る必要がありました。他人の目を気にして適当な距離を歩き、懐中電灯を頼りにその場所を離れ

【書籍】心の切り替えと集中力ー岡本綾子から学ぶ一流の秘訣

『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』(致知出版社、2022年)のp260「8月11日:一流プレーヤーに共通したもの(岡本綾子 プロゴルファー)」を取り上げたいと思います。  岡本氏は、一流プレーヤーに共通する心構え、練習方法、そして彼らが持つ特別な何かについて深く語っています。彼女によれば、ゴルフは瞬間的な勝負が重なるスポーツで、そのためにはミスショット後の心の切り替えの速さが極めて重要になると言います。ミスを引きずってしまうと、その後のプレーにも悪影響

【書籍】「努力と人間性の融合」-鳥羽博道氏の成功物語と人事への応用

『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』(致知出版社、2022年)のp254「8月5日:努力にも段位がある(鳥羽博道 ドトールコーヒー名誉会長)」を取り上げたいと思います。  鳥羽氏は、自己の事業と人生を振り返り、成功の背後にある哲学を語っています。鳥羽氏が強調するのは、自分自身の欲望を抑え、見返りを期待せずに仕事に没頭することの重要性です。彼はこの精神を持って多くの困難を乗り越え、数々のチャンスを掴んできました。彼の人生は、高校を中退し上京した若き日々から

【書籍】谷田大輔氏の座右の銘「人生万事因己」に学ぶ自己改善の精神

『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』(致知出版社、2022年)のp247「7月30日:人生万事因己(谷田大輔 タニタ社長)」を取り上げたいと思います。  1983年に谷田氏がタニタ社の副社長に就任した当時、同社は2期連続の赤字決算に陥る最悪の経営状況にありました。父である会長から実質的な経営権を委ねられた谷田氏は、従来の経験豊富な役員陣を残し、彼らとの熱心な議論を重ねながら会社再建に取り組むことにしました。  再建の道のりは困難を極めました。新社長が常

【書籍】遺伝子を超える結びつきー情熱、協力、そして挑戦ー村上和雄氏

『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』(致知出版社、2022年)のp241「7月24日:遺伝子をONにする条件(村上和雄 筑波大学教授)」を取り上げたいと思います。  村上氏の物語は、科学的な発見と成就の背後にある人間的要素、特に情熱、困難への対処、そしてコミュニティとの協力の重要性を強調しています。彼の経験からは、科学の道を歩む上での普遍的な教訓が見出されます。それは、どれだけ優れた才能や資源を持っていても、最終的には個人の情熱、挑戦に立ち向かう決意、そ

【書籍】孫子と歩む人生ー越智直正の自己啓発物語

『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』(致知出版社、2022年)のp235「7月18日:読書百遍意自ずから通ず(越智直正 タビオ社長)」を取り上げたいと思います。  越智氏の物語は、厳しい環境下での成長と自己啓発の旅を描いています。彼が若かりし頃に経験した丁稚としての生活は、労働が非常に厳しく、仕事場兼寝室である六畳間での生活は肉体的にも精神的にも大きな試練を与えました。朝七時から深夜までの絶え間ない労働、限られた空間での共同生活は、彼にとって厳しいもので

【書籍】レールを越えてー水中の視点から見た人生の多様性ー中村征夫氏

『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』(致知出版社、2022年)のp229「7月12日:人間の一生はレールが敷かれている(中村征夫 水中写真家)」を取り上げたいと思います。  中村氏は、人間と自然界の関係について語る中で、深い洞察と個人的な体験を交えて述べています。自然への介入が必ずしも正しい結果をもたらすとは限らないという教訓から始まります。若い頃、東京湾で卵を抱える母ガニを見つけ、より適した環境だと思われる真鶴海岸へ移動させたことから、この体験は後に彼

【書籍】経営の神様が拝んだ背中:松下幸之助と高橋荒太郎の物語ー平田雅彦氏が見る

『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』(致知出版社、2022年)のp223「7月6日:松下幸之助が拝んだ人(平田雅彦 松下電器産業元副社長)」を取り上げたいと思います。  松下電器産業(現パナソニック)の歴史の中で、労使関係が大きな転機を迎えた昭和30年代初頭の出来事と、その中心人物であった高橋荒太郎氏に関する詳細なエピソードです。戦後の一時期、松下では大手企業に見られるような労使紛争が起きていませんでした。しかし、昭和30年代に入ると、他社での激しい労使

【書籍】障害を超えた絆ー浦田理恵さんと家族の旅路

『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』(致知出版社、2022年)のp215「6月30日:笑顔に咲いた天の花(浦田理恵 ゴールボール女子日本代表)」を取り上げたいと思います。  浦田理恵さんは、20歳の時に突然視力を失い始め、この出来事は彼女の人生に大きな影響を及ぼしました。彼女は、目指していた小学校教師という夢を叶えるための専門学校卒業を間近に控えていた時期に、左目が見えなくなり、すぐに右目も同じ運命をたどりました。この急速な変化により、彼女は自分がこれま

【書籍】災害を乗り越える絆:丸善ジュンク堂書店の再出発物語ー工藤恭孝氏

『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』(致知出版社、2022年)のp209「6月24日:ジュンク堂書店・再出発の原点 (工藤恭孝 丸善ジュンク堂書店元会長)」を取り上げたいと思います。  工藤氏は、阪神・淡路大震災後の瓦礫と化した街で、自身の店舗を再開することに他ならぬ決意を抱いていました。この再開は、単に顧客のためだけではなく、企業の生存を確保するための必死の措置でした。再開の瞬間、工藤氏は、もしかしたら従業員を自宅待機にして休業手当のみで済ませられたか

【書籍】王貞治監督のもとで磨かれたプロ精神: 小久保裕紀のキャリア変革

『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』(致知出版社、2022年)のp203「6月18日:王貞治監督から学んだプロのあり方 (小久保裕紀 元福岡ソフトバンクホークス選手)」を取り上げたいと思います。  小久保氏が語る王監督との出会いは、彼のプロ野球選手としてのキャリアにおいて、非常に重要な転機となりました。小久保氏は、プロでの成功の最大の要因は、まさに王貞治監督との出会いにあるとのことを語っています。彼がプロの世界に足を踏み入れた二年目に、王監督がダイエーホ

【書籍】絆、努力、勝利ー伊調馨のトップアスリートへの道

『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』(致知出版社、2022年)のp194「6月9日:決勝戦直前の姉のひと言(伊調馨 ALSOK所属レスリング選手)」を取り上げたいと思います。  伊調選手は、自己のキャリアを振り返り、自身がトップアスリートとして成功を収めるまでの心理的な過程と周囲の影響について深く語っています。彼女は、他の選手たちと比較して特別に秀でた能力が自分にはないという認識でした。一般に、ある分野で特出している人は他の領域で弱点を持つ傾向があるとい