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Vita Sexualis (性の目覚め)@Detective boy(少年探偵)

Episode β  同い年の従姉妹と妹

良雄くんは11歳になりました。
良雄くんには4歳年下の妹がいます。
名前を久子といいます。
良雄くんは、この妹のことを
「チャコちゃん」といつも呼んで
かわいがっていました。

 チャコちゃんは、今年の4月に良雄くんの通う小学校に
1年生として入学したのです。
5年生になっていた良雄くんは、当然のことですが、
毎日チャコちゃんの登下校に付き添っていました。
 
 低学年の子は授業が、高学年よりも早く引けるものですから、
たとえばチャコちゃんのように上級生に兄妹がいる場合は、
学校でお兄様やお姉様の授業がひけるまで、
特別にしつらえた教室で、
兄や姉のお迎えを待ってもよい
という仕組みがとられていました。
そして、その時刻まで小さな子どもたちの面倒を見る
「おばさん先生」が、いつもそこに張り付いていたのです。、

この日も良雄くんはチャコちゃんを
お迎えすることになっていたのですが、
なんとほとんどチャコちゃんの下校時刻と
同じくらいの時間に下校できることになったのです。
それは、学年の女子だけが集められて、
特別な授業があるそうなのでした。
そして、女子のみんなは、それぞれ紙袋や布製の巾着袋を
一斉に持って講堂へ向かっていったのです。

 それで、男子だけがこの日は早く下校することになりました。

「男子は得したね。女子はこのあと残されて、
何か勉強させられるのかな。」
「あの袋の中身はなんだろう?」

講堂へ向かう女子を尻目に、男の子たちは口々に噂をしていました。

「そうだ、ちょっと覗いてみようか・・。」

好奇心の強いお友達の裕太くんがそう言うと、
何人かのいたずら小僧が「さんせい!」と言いました。

 良雄くんは黒板の予定欄に描かれていた
「じゅんけつの時間」という文字が気になっていたのです。
それで、チャコちゃんが預けられている教室が
講堂への廊下と同じ方向でもあったことでしたので、
裕太くんの誘いに乗ってみようと思ったのです。

 おそるおそる講堂に向かっていくと、
やがて、講堂が廊下の向こうに見える曲がり角にさしかかりました。
「ここから先は、入っちゃいけません。」
と紙が貼られた椅子が置いてありました。

角越しにそうっと覗いてみると、廊下の向こうに講堂の扉があり、
やや大きな窓がそこに開いていて、
なんとなく中の様子がうかがえるようになっているのです。

5年生の女子だけがずらっと
体操座りしている様子がちらっと扉の窓越しにみえました。

「なんの勉強をしてるのかな。・・」

いたずら小僧たちは一様に不思議がりました。
男子にだけ秘密にしてるなんて、いったいどんなことなのか、
それは大きな謎だったからです。
しかも、そこに男の先生はいなくて、
女の先生ばかりが立っていたからです。

 男子禁制・・

謎に満ちた言葉です。探偵志望の良雄くんにしてみたら、
たまらなく解明したい謎です。

しかし、これ以上ここにいると、感づかれてしまいそうです。
ましてや先生に見つかるとどんな罰が待っているか、
わかったものではありません。
先生に叱られる前に解散することにしました。

良雄くんは、その足で
チャコちゃんが預けられている教室へと向かいました。
チャコちゃんは、良雄くんのお迎えが早いので、
びっくりしたようにしていましたが、
やがて赤いランドセルを背負って駆け寄ってきました。

「お兄ちゃん、今日はどうして早いの?」
そしてきょろきょろしながら、良雄くんにたずねました。
「あれ?アケミおねえちゃんは?」

アケミおねえちゃんというのは、
良雄くんたち兄妹の近所に住んでいる、
良雄くんと同い年のいとこのことです。

アケミおねえちゃんには、チャコちゃんが小さいときから
かわいがってもらっていて、
チャコちゃんの入学と共にアケミお姉さんにも登下校を
付き添ってもらっていたのでした。

 ですが、良雄くんは、
アケミさんが一緒に登校するようになってからは、
なんとなく恥ずかしくって、お友達にからかわれないように、
ちょっと距離を置いて歩いていたのでした。

 5年生の女子が、全員講堂に集められているのですから、
アケミさんが一緒に来られるわけがありません。
そのことを告げると。
 チャコちゃんはちょっとつまらない顔をしていましたが、
すぐに機嫌を直して、良雄くんと一緒に帰り道につきました。

 学校から良雄くんの家まで帰るには、
途中、少し大きな川の土手の道を通ります。
ここの河川敷はちょっとした広場になっていて、
小さなころからか良雄くんもよく遊んだ場所でした。

 すると、チャコちゃんが、いきなり立ち止まりました。
良雄くんはいかぶって、
「チャコちゃん、どうしたの?」

すると、チャコちゃんは真っ赤な顔で
「お兄ちゃん、おしっこ・・」
とだけ言いました。そして内股になってもじもじしています。
これは大変だと、良雄くんは近くに公衆便所はないかと思いましたが、
そのようなものは見当たりませんでした。

そこで、土手の下にチャコちゃんを連れて行き、
ちょうど茂みのような灌木が生えているところの草むらに、
チャコちゃんを連れて行きました。

「さ、お兄ちゃんが見張ってあげるから、ここでオシッコしなさい」
「うん」
といって、チャコちゃんはスカートをめくって、
パンツを下ろしました。
そしてしゃがんでオシッコをしたのです。

てっきり立ってするのかと思ったのですが、
座ってしていましたので、逆に良雄くんの方が驚いてしまいました。
あ、うんちがでるのかな?そう思ってしまったのです。

「チャコちゃん、うんちだったら、お兄ちゃんちり紙もってるから。」
「ちがうよ!うんちじゃないよ!」

チャコちゃんは怒ったような口調でそう言いました。
良雄くんはそっちの方を見ないようにしていましたが、
思わずちらっと見てしまいました。

不思議なことに、チャコちゃんはお人形さんのように、
おなかからいきなり二本の足が生えていたからです。

 良雄くんのようにオシッコを出すホースが、
チャコちゃんにはなかったのです。
だから、座らないとオシッコが出来ないのか。

 良雄くんは、そのように納得しました。
でもそれは、チャコちゃんの身体が普通と違うのではないかと
なんとなく心配にもなったのです。

すっきりした顔で、チャコちゃんが戻ってきました。
そして、また歩き出したとき、チャコちゃんが不思議なことを言いました。

「このまえね、アケミお姉ちゃんと歩いていたら、
やっぱり同じ事があったんだ」
「え?オシッコのこと?」
「うん、だけどお姉ちゃん、泣いてたんだよ。
チャコもびっくりしたんだ~。」
「なんで?」
「病気とか怪我したかも知れない・・って。」

良雄くんはぎょっとした顔で聞き返しました。
「どうしてそんなこと言ったのかな?」

「うん、オシッコじゃなくて血が出てたの・・。
チャコもお姉ちゃん死んじゃうんじゃないかって・・。
怖くなった。でもね・・。」

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チャコちゃんは屈託のない表情で言った
「そのあとね、おねえちゃんの家でお赤飯炊いたんだって。」

ああ、そういえば、
何か久しぶりにお赤飯もらって、食べたよなぁ

またまた、良雄くんの少年探偵の血が騒いだのでした。

       
To be CONTINUE

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