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セルフリノベーションは今とちょっと先の暮らしを楽しむためのもの

私は空き家だった古民家をセルフリノベーションしてお店を始めた。
床、天井、壁を壊し、それらを新たに作る。
そして塗装し、整える。
ここでお店をし、暮らすために、できるだけ自分たちの手で。

建築を仕事としている方が、DIY が今流行っているけれど、暮らしていくとプロが手がけたものとの違いがわかっていく、と話していると聞いた。
恐らく、セルフリノベーションをしている人たちもそれは同じ気持ちだと思う。

どちらもしない人から見ると、プロに依頼するか、自分たちでやるかの違いに見えるかもしれない。でも、これらはそもそもの目的が違う。

セルフリノベーションは、何十年後を見据えた作業ではない。
既存の建物の構造には手を入れず、自分たちに合わないところを合うよに、暮らしやすいように整える作業。
悪い言い方をすれば、あくまでも一時しのぎ。
安全性は当時建てられたときのままだし、素人仕事なので隙間などのほころびもある。

ただそれでも、自分たちが暮らしやすいように整えることや、空き家を空き家ではなくし、価値あるものに、少しでも良いと思えるものに変えていくことに意味があると思っている。

快適に、そして安全と安心を兼ね備えた家はプロにお願いすればいい。それがベストだし、下手に素人がやることではない。

ただ、この空き家が増え続けている状況で、全てその状態に変えていくのは無理がある。人が住まなくなると、本当に朽ちるのが早い。
住めなくもないけど住むのにはちょっと、、みたいなうちに整え、暮らすことで時間をかせぐ。

改装後


セルフリノベーションの目的は、自分でやることでひとつひとつの作業の必要性を知れ、難しさ、大変さがわかり、そして面白さを体感することができること。
それぐらいの気負いで良いと思うし、それぐらいであるべきとも思う。
必要なところはプロにお願いすればいい。
その方が楽しめる。
プロが考える領域にまで踏み込むと、途端に楽しさが失われてしまう。
できる範囲で楽しむ。今とちょっと先の暮らしを楽しむ手段のひとつとして、そんな位置付け。

読んでいただきありがとうございます。