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経験を“学び”に変える

昨日の記事に書いた


身につけるには
”経験あるのみ”


そして
経験を“学び”に変えていく方法を
順序立てて、整理しているのが


イエナプランの要
ワールドオリエンテーション
という学習形態だと思う。



今日はこれについて
説明してみようと思う。


イエナプランってよく聞くけど
詳しくは知らない
って人向け。


<ワールドオリエンテーション>

ワールドオリエンテーション。

直訳すれば、



世界の説明
世界の方向づけ



ちょっとこれでは
意味が分からないので



実践に近づけた
訳し方をするならば

「世界の探究」

が良いかなって思う。




日本の教育現場で使われてる言葉から選ぶなら

探究型学習
体験学習
プロジェクト学習

に近いと思う。



どちらにしろ
この学習形態自体は珍しくない。
少数派だけど
日本でも昔から実践されていた形。


形が似ている他のものと比べて
あえてイエナプランの特徴を書くなら



自分を知り
他者を知り
世界を知ることを通して、

自分とそれ以外のものと
共生することを学び
目指していくもの

ってこと。



イエナプラン教育は
オランダの教育改革に影響を与えた
と言われているけれど
その大きな部分は、
このワールドオリエンテーション。


ただ残念ながら言葉だけが先行し
”理科と社会を合わせたもの”
というようなひろがり方をしてしまった
という側面もある。



なので、数年前から
オランダのイエナプランでは
”ファミリーグループワーク”という名前に
改めて使われいる。

※イエナプランは作られるプロセスで、家庭学校の影響を受けているので、使われる用語に「家族」を連想させるものが多い。



多様性の中で
他者との違いを生かしながら
協働的に学ぶこと

とても大切にしている。


<理論は、こんな感じ>

基本的には
科学研究の進め方と同じ。


7つのステップがある。

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①動機付け
子どもたちが「知りたい!」って思うような題材を決める。
知りたいことを集める(問いを立てる)

②企画と仮説
どうすれば
知りたいことを知ることができるか
考えて、方法を決める。



③実施
実際にやってみる。



④発見・探究・分析

やってみた結果を観察し、情報を集めたり、整理したりする。



⑤発表・報告

それぞれの成果を発表し、学びを共有する。



⑥後世研究のための保管

ポートフォリオを作成する。



⑦振り返り

何があって、どう感じたか。
何をして、どう学んだかなどを振り返る。



<実際は、こんな風にやる>

例えばの例。

①動機付け
川遊びに行って、自分の好きな形の石を拾ってくる。
教室に戻って、みんなの石を並べて、
比べてみたりしながら、問いを立てる。


②企画と仮説
集めた問いをグルーピングして、
自分の探究したい問いを選び、
目標を決める。



③実施
あれこれ、方法を変えながら試してみながら
問いを発展させていく。



④発見・探究・分析

分かったことを関係づけていく。



⑤発表・報告

みんなの前で発表して
学びを共有する。



⑥後世研究のための保管

ポートフォリオに、学びの記録を保管する。


⑦振り返り

発表までの振り返りをする。



イエナプランスクールでは
これを何度も何度も
繰り返していく。



<深い学びを得るステップと同じ>

米Amazon 2017年ベスト・サイエンス書
『Learn Better ― 頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ』


この書籍にある6つのステップ

①価値を見出す
②目標を決める
③能力を伸ばす
④発展される
⑤関係づける
⑥再考する


言葉は違うけれど
やっていることは同じと
考えていいと思う。


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<「発表・報告」が栄養になる>

イエナプランスクールでは
毎週金曜日
「催し」という名前で
「発表・報告」をする。



ここが
イエナプランの学びの終着駅であり
次の学びへの栄養になる。


子どもたちは、
それぞれの成果を発表する。

そして、それぞれの成果を繋げて
学びを共有する。



自分の学びだけでなく
他者の学びと
自分の学びをつなげていく。



そうすることで
“石”というものを多面的に学ぶことができる。



この経験の積み重ねによって
“他者とともに学ぶ力”を
身につけていく。



自分の学びを人に伝えるって
やっぱりうれしいもの。


だから
この発表・報告が
次の学びへの栄養
なっていく。
これは、子どもたちを見ていて
すごく感じたこと。



<大事なこと>

ワールドオリエンテーションの
質を上げるために
大事だと思うのは
“題材決め”


子どもたちの興味関心を
ベースに導き出していくものだけど


興味関心は
バラバラなのが当たり前。


男子と女子でも
その傾向は大きく変わってくる。


その中でも
思い出に残っている題材を
今度、書こうと思う。

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