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30年間変わらない日本の平均年収に対する危機感と当社の想い。

正直、この図を見るたびに、いつも酷くショックを受けています。

世界各国の平均年収は年々右肩上がりで、平均すると約1.4倍になっています。それに対し、日本は過去30年間横ばいで据え置きなのです。

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日本企業の多くは製造業で、これまで安い人件費を求めて海外生産やオフショアを行ってきました。しかし最近になって、「海外の生産コストが上がって利益が出なくなった」とか「これまでの単価でソフトウェア開発を引き受けてくれない」などの声をよく耳にします。海外の企業の給料が上がっているのだから当たり前の話なのですが、自分たちの給料がまるで上がっていない多くの日本人は大事なことに気がついていません。

加えて、「意思決定が極めて遅く、額面的にビジネスにならない取引の話が多い」と海外パートナーから日本企業に対する辛辣なコメントを受けることもずいぶん増えました。しかし日本のほとんどの企業は国内需要だけで暮らせるため、このようなことはあまり感知しません。また緩やかな人口減少と経済縮小が体感できないことと合間って、ますます海外などに目を向けない鎖国のような状況に陥っていると感じます。

私が最も危機感を覚えたのは、海外パートナーが次のように語った瞬間でした。「日本は、全然怖くない。遅いし、決めないし。怖いのは中国だ」「日本の人件費は安いし、命令しなくても一生懸命働く」「欧米は手を抜くのが上手だし、ある目的が達成できればGOだが、日本は完璧を求めて、品質改善に必死。だから、そういう仕事をやらせればいい。その結果、我々のサービスは日本で通用する品質って、言えるようになるからな。」

一見、日本品質は今でも世界で健在だと誇れるようなコメントですが、もはや世界は、日本をマーケットではなく、「下請け国」の一つと見ています。日本が東南アジアを見てオフショアをしたように、日本の労働力を見ているインテリジェントな欧米・中国の企業が存在するということです。

例えば、アメリカでは銀行マンの初年度年収が1400万円からなんだとか…。ハイテク関連企業も同じくらいの金額です。これらと同業の日本企業の初年度年収は500万円をうろちょろし、40~50代に突入して運よく部長クラスになれたとしても、欧米や中国のハイテック企業や金融機関の初年度年収に届かないことも多いです。

一流大卒で大手企業に勤めていても、都内では小さなマンションを買うのがやっとで、子供を私立校に入れ、車を持ったら、服はユニクロが精一杯。そういう話を聞くと、日本の実情に疑問を抱かざるを得ません。コロナ禍に突入した2年の間にも、日本の衰退は確実に進んでいます。そもそも個人所得が増えて、みんなにお金を使ってもらえなければ、経済も回らないよねと、改めて強く感じます。

アベノミクスで株価は上がり、企業の内部留保は増えたはずですが、給料が上がったという話はとんと聞きません。「年収1000万円は一流ビジネスマンの証」と言われたものですが、その基準が30年間も変わっていないことに疑問を持つべきなのです。

国内の他社がどうだからと、横並びの視点で物事を見て、日本流の同調圧力に合わせていたならば、みんなで護送船団に乗り込んだ、終戦間近のような状況になるのではと危惧しています。経済の衰退を富の再分配による誤魔化しのような愚策で立て直そうという話をよく聞きますが、それでは栄華を極めた後に滅亡したローマ帝国と同じです。

このままでは、群集心理に弱い日本人は緩やかに貧困に向かっていくだけです。汗水垂らして働けど、いつまで経っても豊かで自由な暮らしにはならないと、我々の子供たちは日々思わされることになります。そうなれば優秀な若者は、外資系企業にみんな流れていってしまうでしょう。
今、もう一度個人個人が歴史や世界情勢を直視して、これからの生き方をしっかりと考え、行動しなくてはならない時代にいると思います。

少なくとも当社は、一民間企業としてできる最大限の環境づくりにチャレンジしています。海外企業に引けを取らない最高水準の給与を目指し、また福利厚生を徹底的に厚くすることで、会社仲間に経済的な豊かさを享受しながら、最高の仕事に取り組める環境が提供できるよう、夢のある企業作りを行っています。

多くの日本企業ではこれが難しいと言われています。それは既存制度の問題や人財に焦点が当たっていない経営だからだと感じます。
当社には、そんなことは関係ありません。会社仲間が、人生を豊かにする趣味や体験、子供の教育、老後の暮らしなどが十分満たされるようになるには、絶対的に給与水準の引き上げが必要だと考えます。

正直、給与が500万円から1000万円、1000万円から2000万円に上がったところで、実質の手取りを考えると、生活レベルのステージが変わるほどにはならないかもしれません。少し高級なバッグやスーツが買えて、年に1度の家族旅行が国内から海外にグレードアップできる程度です。北海道や沖縄に別荘が買えたり、生活を切り詰めることなく子供をインターナショナルスクールに行かせたり、毎月奥さんや子供に自由なお小遣いを多くあげることは難しいです。数字だけを見ると大きく違うようですが、これまで出会った人たちを観察してみると、経済的豊かさは見た目くらいにしか影響しないのかもしれません。

本当に会社の仲間がより良い暮らしができるようにするには、どれくらいの給与レベルにする必要があるのか、サービス単価や利益率はどうあるべきかと、帰納法的に考える必要があります。

当社は、これらに真剣に取り組んでいるため、値付けや利益率、割引を安請け合いしないことにこだわりを持っています。それを実現し維持するために、当社は付加価値が高く、顧客ビジネスの持続的成長に直接寄与できることを証明していく必要があります。またそれを継続していくための組織的能力を維持し続けなければなりません。

お金を使う人がいて、それで儲かった人がまた使う。そして経済という血がぐるりとめぐると考えれば、当社はこのような姿勢を継続できる企業を目指さなければならないと考えています。

これらの価値観に共感できる仲間を常に募集しています。当社の入社審査は、業務への取り組み姿勢やチームワークを真剣に考えているのでかなり厳しいですが、情熱ある方にはいつもドアを開いています。いつでもこちらから、お問い合わせください。https://krs.bz/orient/m/orient


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