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2.投資の神様 ウォーレン・バフェット偉人伝 

「足るを知る」偉人


皆さんは、投資家というとどのような印象をお持ちでしょうか。
煌びやかな衣装を纏い、金銀パールの高価な貴金属アクセサリーを身につけ、高級外車を何台も所有し、豪華な邸宅をあちこちに所有し、毎日毎晩パーティーで大騒ぎ、、、。

私が最も尊敬する投資家ウォーレン・バフェット氏はそのような人とは全く逆をいく人物です。
なぜ私がバフェット氏を尊敬するのか。
それは一言で言うならば「足るを知る」人だからです。

米国のウォーレン・バフェット氏は、1930年8月30日、米国ネブラスカ州にて生誕、御歳93歳(2024年1月21日現在)。
バフェット氏は、基本的には余計なお金を使わず、贅沢を慎み、1958年に31,500ドルで生誕の地・ネブラスカ州オマハで購入した、郊外の住宅に婦人と慎ましく今でも住んでいることからも、それが言えると思います。

バフェット氏の投資歴


バフェット氏の株式投資は、11歳の時に始まりました。
その投資額は114ドル。
日本円で換算すると、17,100円(1ドル=150円の場合;2024年2月26日現在)。
それが現在、バフェット氏の純資産はおよそ1000億ドル(15兆円)にまでなっています。

初めて株式投資をした時に得た教訓は次の3つだったと言います。
・目先の利益にとらわれない
・他人のお金を運用しない
・買った時の株価にこだわらない
このあたりの具体的なことについては、後の株式投資のページで述べたいと思います。

またバフェット氏は、6歳の頃にはすでに自らチューンガムやコカコーラを売り歩き、11歳では既に様々なビジネスも手掛けていました。
そのビジネスは、得た利益を再投資に回すことで更なる利益を生む「複利効果」に基づくビジネスだったと言います。
そしてそれぞれのビジネスが成功するとさっさと売却し、さらに新しいビジネスを手掛け、高校を卒業する頃には約5000ドル(現在のレートで換算すると、日本円で700万円ぐらい)という財産を築いていたそうです。

バフェット氏は、自身が経営する投資会社「バークシャー・ハサウェイ」のかつての株主総会でこう述べられたそうです。
「できるかぎり多くの本を読み、時間をかけて本当に価値あるものを選り分けることです」
中でも氏が19歳の時に出会った本、ベンジャミン・グレアム著作の「賢明なる投資家」については、「その本に出会ったことは人生の最も幸運な瞬間の1つ」と言うぐらい、強く影響を受けています。

僕もこの本を読みましたが、現代でも通じる投資に関する考え方、特にバリュー投資の知識がぎっしり詰まっています。

やがてバフェット氏は、グレアム氏が教授をするコロンビア大学のビジネススクールにも入学し、ビジネスの勉強をし始めました。
さらには、同スクールを卒業後、相当長い年月を経て、グレアム氏が会長を務める保険会社で働くことにもなったバフェット氏でした。
グラハム氏がその保険会社を去ることと時を同じくして、バフェット氏は故郷のオマハに戻り、投資会社を営みます。

バフェット氏は、若い頃より、投資で一儲けしたいということではなく、投資が好きでたまらない、と投資そのものを「楽しんでいた」からこそ、目先の利益に惑わされることなく、長期的視野でコツコツと継続し、やがて結果として莫大な財産を築くに至ったのだと確信しています。
「楽しむと続く」と言うことは、投資以外のことでも言えることですね。

バフェット氏来日で日本にもたらしたもの


そのバフェット氏が2023年4月に来日しました。
その際バフェット氏は、日本経済新聞の独占インタビューの中で日本企業への追加投資を示唆しました。
バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハザウェイは、すでに2020年8月までに日本の商社(伊藤忠商事、丸紅、三菱商事、三井物産、住友商事)の株式を5%超所得、さらに22年秋までに6%台まで引き上げました。
さらには、それを現在7.4%まで高めたということをインタビューで話し、アメリカ以外では最大の投資対象国が日本であることも明らかにされました。
また、協業の提案があれば歓迎したいということも説明されました。

それら商社の株式を保有していることに関し
『とても誇りに思っている』
とインタビューに答えられています。
この時のバフェット氏来日が、今の日本株浮上のきっかけの1つの要因になったと言われています。

ところで、バークシャー・ハザウェイ社は、「投資会社」というイメージがどうしても強い印象があるのですが、実は従業員38万人を抱えるコングロマリット(複合企業)なのです。
事業は、保険や製造、鉄道に至るまで実に幅広いものがあります。
最近のニュースでは、2024年2月26日、その同社の株価が一時3%高の430ドルまで上昇し、取引時間中の最高値を更新しました。

さて、話は戻りますが、バフェット氏が日本商社株式に改めて着目した理由については自身の会社に
『事業が似ている』
ということが挙げられます。

バフェット氏の投資への考え方は、投資対象の企業の事業内容が「分かりやすい・理解できる」ことです。
そして、バフェット氏は常に先を見ており、投資先を常に考えています。
投資の判断となることは、ずばり「割安であること」。
この「理解できる」、「割安である」というシンプルな考え、言い換えれば投資の哲学を一貫して持っていることが、成功の原則だと思われます。

かつてのバフェット少年が、ベンジャミン・グレアム著作の「賢明なる投資家」から学んだことを生涯実践しているのです。
その最たるものが米国の事例にあります。
あのリーマンショックで金融システムそのものが破綻に向かっている中、地に落ちたと言ってもいいゴールドマンサックスに投資をしたことからも投資哲学を地で行っているのがバフェット氏です。

このバフェット氏は日本をどう考えているのでしょうか。
『必要なのは政府が民間産業を通じて経済を発展させることに賛同していると感じられることだ。その点では米国も日本も心地よい環境だ』
と述べられています。
バフェット氏自身の発言が良くも悪くも日米はおろか世界の株式市場に大きく影響していると感じています。

金融不安は買いの好機。そう述べるバフェット氏。
『人々が恐怖にかられ、私が望む価格で何かを売りに来た場合は貪欲に対応する』

よくよく考えれば当たり前のことでも、人々がやらないことをやる。
それがウォーレン・バフェット氏なのではないかと思います。

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