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皆様の業界の景況感はどうですか? − 日銀短観より −

日銀短観とは

日銀が3か月毎に発表するのが、全国企業短期経済観測調査、略して「日銀短観」と呼ばれているものです。
その信頼される統計調査から、海外においても"Tankan"で通じるようです。

日銀のホームページでは以下のように説明されています。
『統計法に基づいて日本銀行が行う統計調査であり、全国の企業動向を的確に把握し、金融政策の適切な運営に資することを目的としています。全国の約1万社の企業を対象に、四半期ごとに実施しています。
短観では、企業が自社の業況や経済環境の現状・先行きについてどうみているか、といった項目に加え、売上高や収益、設備投資額といった事業計画の実績・予測値など、企業活動全般にわたる項目について調査しています。』

この中で景況感を示すのが、業況判断指数、いわゆる「DI」と呼ばれる指数です。
DIは、景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を引いた値です。

日銀短観発表

昨日は、その日銀短観が発表されました。
https://www.boj.or.jp/statistics/tk/index.htm
この中で、大企業の製造業、非製造業の景況感が揃って改善したとの見方を発表しました。
けん引役は「自動車」。
景況感はプラスの5。前回はマイナス9でした。
業界団体によると、6月の新車販売台数は20%増で10か月連続増加というから、力強さを感じます。

また非製造業では「宿泊・飲食サービス」も見逃せません。
こちらはプラス36!!前回は0でしたから一気に上り詰めた感じです。
訪日外国人の増加が好影響を及ぼしているのはいうまでもありません。

一方「小売」の景況感は悪化しています。
それもそのはず。
4月の実質賃金は前年同月比で3.2%減少しています。
30万円の収入だった人は、約1万円が減ったということになりますから、家計の財布の紐は引き締めるのが当然です。

景気上向いたけど

つまり、今回の景況感が改善された大きな理由は、円安とインバウンドです。
決して日本の内需が上向いたからではありません。

値上げは良し、としましょう。
その値上げで増えた利益を溜め込むのではなく、従業員の賃上げに回し、個人消費を底上げしていかなければ、経済の好循環は実現不可能です。

この個人の消費が上向かない限り、日本経済が改善を続けることは難しくなります。
企業の業績も大事ですが、個人の可処分所得を増やすこともそれ以上に大事です。
消費が上がれば、法人税も消費税も税収が増えるのは必然です。
増税をすれば税収が上がるわけでは無いのです。
もし消費税や所得税の増税、社会保険料の負担増を叫んでいる政治家や経済評論家がいるとしたら、足元を見ていないに等しいと思いますね。

参考
日本経済新聞 7/4「値上げ・円安、前向く企業」
#経済 #投資 #投資信託 #株式投資

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