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金利、為替、株価の関係

金利、為替、株価の関係

金利とは

お金の貸し借りについて回る金利。
例えば私たちが銀行からお金を借りる際は、「貸主」である銀行が「借主」である私たちを信用するその度合いに応じて金額とともに金利も決められて、お金を貸してくれます(この銀行の一連の行動を「与信」と言います)。

金利は「利息」とも言いますが、銀行にお金を預けてくれた人にはこの利息を支払います。
この利息ですが、預けてくれた人に支払う利息よりも貸す人からもらう利息の方が高くなります。
この差が銀行の利益となります。

では、この金利はどのように決められるのでしょうか。
金利には長期金利と短期金利がありますが、銀行が長期金利の指標とするのが、日本銀行で決められる10年物国債利回りです。

日米金利差拡大で円安

ところで、お金というものは、金利が低い方から高い方に流れる性質を持ちます。
当然のことではありますが、低金利より高金利で運用した方が多くの利益が見込まれるからです。
この金利が、日米で差が拡大しています。
日本は低く、米国が高いというのが、現在の金利の状況です。
この日米金利差が拡大すると、日本から米国に投資資金が向かいます。
そうすると、円安・ドル高に進みやすくなります。

特に為替相場に影響が出やすいのが、長期よりも短期金利、2年物国債の金利差です。
米国は21年末から現時点で0.7%から4.5%にまで上がりました。
急上昇と言ってもいいぐらいの水準です。
逆に日本はどうでしょうか。
日銀が金融緩和継続を発表し、相変わらずマイナス水準です。
昨年の円安・ドル高はこの影響がとても大きいと思われます。
先週25日、円が半年ぶりに140円の円安となりました。

円安と株高

円安が悪い、ということではありません。
円安の影響で恩恵を受ける産業があります。
それは、主に輸出で成り立つ産業、例えば自動車を始めとする製造業です。
日本の上場企業は、輸出企業がとても多いのです。
こういった輸出企業の好業績が日本株相場を押し上げます。
これが日経平均株価33年ぶりの高値の原動力となりました。

日本株式を引っ張っているのは海外投資家です。
意外だと思われるかもしれませんが、日本株を売買する投資家は海外が約7割を占めると言います。
この海外投資家が、割安の日本株を買うと同時に、低金利の円を売って高金利のドルを買うという取引をすることが多くなります。
このため、株価が上がり、円安が加速します。
その円安がさらに株高になるというサイクルが回ります。

日銀は緩和を止め、日米金利差を埋めるべきだという声がいまだにありますが、むやみに日本が金利を上げると、どうなるかということも考えておくべきです。

参考 日本経済新聞
5/27 「円安と株高 共振」
5/27「日米金利差 拡大なら円安進みやすく」
#投資 #株式投資 #為替 #日本株 #金利

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