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今回の円高。経済正常化の兆しなのか


「チャレンジング発言」で円急伸!


びっくりしましたね!円の急伸には。
一昨日のニューヨーク外国為替市場のドル円相場で、一時1ドル=141円台後半と「超円高」。

きっかけは日銀・植田総裁の『チャレンジング』発言です。
この発言が、金融緩和に向けた地ならしだと市場では受け止められ、緩和の早期正常化を巡る観測に火をつけた、というのが各メディアの大方の見方です。

1ヶ月前の円安から一転


ドル円相場は、11月中旬には一時1ドル=151円92銭まで下落していました。
瞬間風速とはいえ、あれから1ヶ月弱で円が10円以上も急騰したことになります。

1ヶ月前の「超円安」の背景は、日銀の「超緩和」。
世界の中央銀行の米国FRBや欧州ECBなどがこぞって金融引き締めの中、日銀は短期金利を世界唯一のマイナス金利に据え続けていました。

それが、経済正常化に移行してきつつあると見ているのが今回の円高に振れていると日銀では見ています。
経済正常化とは、賃金と物価の好循環が生まれているということです。
しかし、ゴールはまだまだ先と言わざるを得ません。

経済正常化への道険し


10月の毎月勤労統計調査では、実質賃金が前年比マイナス2.3%で、19ヶ月連続マイナスです。
現金給与総額は、前年比1.5%プラスで、こちらは22ヶ月連続プラス。
ということは、物価の上昇に賃金が追いついていない状況が2年近く続いているということになります。
この状況では、経済正常化、とは程遠いと言わざるを得ないでしょう。

国内総生産(GDP)も、7〜9月期で2.9%減。
喫緊の課題は、個人消費の再点火ですが、前述のように所得が伸び悩んでいる限りは難しいでしょう。

緩やかな円高が消費者に好影響をもたらし、内需拡大につながる、という見方もあります。
今回の円急伸が、超円安の渦から抜け出す一つのきっかけであるならば良いのですが、「正しいインフレ」に進んでいくかどうか注目です。

参考
日本経済新聞12/9「超円安」転機
#為替 #円安#円高#経済

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