見出し画像

科学する心の原点

小学生の頃、学研の『科学』を時々買ってもらいました。もちろんその時は、科学を学びたいわけではなくて、面白い”付録”が目的でした。我家はそれほど裕福ではなかったので、毎号買ってもらうことは叶いませんでしたが、付録が豪華な1月号の時は、無理を言って買ってもらいました。

この子供向け科学雑誌で科学の素養が培われた訳ではありませんが、間違いなく科学への興味は上がりました。その中でも強く印象に残っているのは、『強烈な毒を持ったカビ(たしかカビロゾアという名前?)が全世界を滅亡させそうになる』という内容のSFマンガと、小学生が考えたオリジナルの実験『アマガエルと天気の関係(正確な題名ではありません)』です。

前者のマンガは、ペニシリンなどのカビの有効利用を絡めたマンガだったと思います。詳しい内容は忘れてしまいましたが、有毒カビは新種のカビに駆逐されるという結末でした。アマガエルの実験は、飼育箱で飼っているアマガエルの居場所を記録し、同時に湿度や温度も記録し、天気予報が出来るかどうかを調べた実験でした。小学生ながら、この実験を思いついた発想のすばらしさに、当時小学生の私は感動しました。

本からの知識も重要ですが、実生活から学ぶ”科学の芽”も重要です。明日は父の日です。父は高校中退なので勉強は教えてくれませんでしたが、科学的な根本原理を”実技”で教えてくれました。父はとにかく器用な人で、私は中学生の時に、コンクリートの練り方や、コンクリートブロックを使った塀の作り方などを学びました。

この時に「なるほど!」と感心したのは、”水平”の取り方です。現在なら、レーザ測量機という便利な機械もありますが、そんな高価な機械を使わなくても水平を確保することはできます。コロンブスの卵のように、気付けば簡単なことですが、”水平”の漢字の通りで、”水”を利用して、”平”を測ります。そのためには、地面にある程度深い溝を掘り、そこに水を張って、その水面から水平を写し取ります。

この方法は非常に単純ですが、地球の重力の基準面となる”ジオイド”の考え方の応用です。私の科学する心の原点は父親↓↓です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?