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父に教わったこと

恥ずかしい事とは思っていませんが、両親ともに中卒です。正確に言うと父は高校中退ですが・・・。そんな親たちですから、私が小さい頃に”ひらがな/カタカナ”は教えてもらったかもしれませんが、直接勉強を教えてもらったことはありません。しかし、”勉強の仕方”や”自分で学ぶことの重要性”を教えてくれました。

我が家の教育は実戦的でした。とにかく、子供の頃から何でもやらされたのです。小学校に入る前は、ナイフ(肥後守ひごのかみ)で鉛筆を削る方法を教わりました。また、ノコギリの使い方やクギの打ち方も小学生の時には教えてもらっていました。

父はバスの運転手でしたが、とにかく器用な人で、今で言うDIYが好きでした。中学生になると、"やらされたコト"は広がって、五右衛門風呂の炊き方、斧を使った薪割の方法、コンクリートの練り方、ブロック塀の作り方等々、他所の家では教わらないようなことを色々と教わりました。実は実家へのアクセス道路は坂道になっていますが、この坂道も父と私(当時小6)で作りました。懐かしいなぁ。

こういう風に書くと、父が他界したように想像されたかもしれませんが、ドッコイまだ父親は生きています。さすがに体力・気力も衰え、高齢者によくある”繰り返しの言動”が多くなりましたが、今年の誕生日が来ると88歳の米寿です。母もピンピンしています。私くらいの年になると、両親ともに健在なのは珍しくなってきます。私の大学の同級生の中でも、両親が健在なのは数えるほどしかいません。

若い頃の父からは、「わからないことは放置するな!」、「辞書を引け!」とよく言われました。ただし、そんな父が辞書を引いている姿は、一度も見たことはありません。「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」ともよく言っていました。

そんな父からの薫陶くんとう?を受け、気付いたら研究者になっていました。中卒の両親から、工学博士が誕生しました。人生、何が起こるかわかりません。

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