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古墳探訪#7 古墳学習に最適 岩原双子塚古墳

 もう一つ、古墳の全景がよくわかる前方後円墳を紹介します。

 岩原(いわばる)双子塚古墳は、山鹿市鹿央町岩原地区にある前方後円墳です。各地の前方後円墳は、双子塚大塚車塚などと呼ばれることが多いので、全国的に区別するときは名前が重なって混乱します。そこで、古墳の一般的な命名規則として、”地名”+”地元での名称”が採用されます。岩原双子塚古墳も岩原+双子塚の組み合わせになっています。

 熊本県で最大級の岩原双子塚古墳は、全長が107m、後円部の直径が57m、高さが9mの前方後円墳で、古墳時代中期の築造と推定されています。この古墳に従うように9基の円墳が点在し、これらが岩原古墳群として国指定史跡になっています。なお、写真のように、この古墳は日本有数の姿形を持ち、丘陵に描くなだらかなスロープは、王者の墓にふさわしい美しさと力強さが感じられます。古代の一大墓所であったここ一帯は、緑の美しい古墳公園として整備され、すぐ近くには熊本県立装飾古墳館があります。

 熊本県立装飾古墳館の建物は、建築家の安藤忠雄さんの設計によるものなので、古墳や遺跡に興味のない建築関係者も、ここを訪れることが多いそうです。しかし、ここで働いている人たちの話では、「建物はおシャレだけど使い勝手が悪い」と言っていました。安藤さん、私が言っているのではないので勘弁して下さい。

 この熊本県立装飾古墳館の依頼を受けて、岩原双子塚古墳の後円部の頂上で電気探査・比抵抗法地中レーダ探査を実施しています。その結果は、論文にもなっています。論文の簡単に要約すると、”後円部には、石室と思われる埋葬施設が存在する可能性が高い”です。


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