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産学連携

 産学連携とは、新技術の研究開発や、新事業の創出を目的として、大学などの教育・研究機関と民間企業が連携することをいいます。また、政府や地方公共団体などの官が加わると、産学連携や産学連携ともいいます。

 独自の研究機関を持たない民間企業は、新技術の種を持つ大学との連携は魅力的です。また、大学にとっては、新技術の種を育てて商品化できる可能性のある企業との連携は魅力的です。お互いの条件がうまく合えば、Win-Winの関係を構築できます。

 大学の経常的な研究経費は微々たるものです。それを補うために、科学研究費補助金というのがありますが、採択率が低いため、全員には行きわたりません。そのため大学は、外部資金が獲得できる産学連携による研究を推奨しています。お金があれば研究が成功するわけではありませんが、お金によって解決できる問題もあります。企業との産学連携研究には、共同研究受託研究の二種類があります。

 共同研究は、その名の通り、共同で行う研究です。共同研究の場合は、研究する分野を分割・分担して、企業と大学の同時並行で研究を進めます。独自の研究部門を持つ企業や、研究開発型の企業の場合は、共同研究を選択する場合が多いように思います。共同研究の場合は、分担の割合や研究経費の額にもよりますが、企業と大学はほぼイーブンな関係です。

 受託研究は、企業からの依頼を受けて行う研究で、言葉は悪いですが、研究内容を”丸投げ”した研究です。受託研究は、研究部門を持たない企業が選択する場合が多い気がします。この場合、実際の研究に企業は殆どタッチしないので、大学側は自由に研究ができます。ただし、研究経費が企業持ちなので、企業が主で、大学が従の関係になります。

 どちらの研究も一長一短があるので、研究内容に応じた種別を選択するのがベストです。これまで私も多くの共同研究や受託研究を経験してきました。誰もが知る有名企業との産学連携もありましたが、地元の中小企業との産学連携もありました。

 今年(2021年)の10月から始まった地熱開発に関連した大型プロジェクトは、独立行政法人石油天然ガス・鉱物資源機構(通称JOGMECジョグメック)との産学官連携で、種別で言えば受託研究になります。今年度は開始時期が遅くなったため、予算は6000万円程度ですが、来年度は1億円前後を計画しています。このような大型プロジェクトを受託することは、滅多にありません。これまでに経験した最高額は、三年間で一億円弱というのがありました。

 研究費が多いに越したことはありませんが、予算金額に応じてその責任も大きくなります。メンタルが弱いと、研究成果が出ないことを苦にして自殺したりする人もでます。こうなると、産学連携も命がけです。私が産学官連携研究を引き受ける基準は、予算額ではありません。その研究が自分にとって好奇心をそそるものかどうか、が決め手です。

 コ〇ナが収まってきたせいなのか、最近、産学連携の問い合わせが立て続けに来ています。今日も某企業との面談でした。今日は顔合わせ(お見合い)がメインでしたから、企業の方からは業務内容を伺い、私の方からは現在の研究内容を説明しました。今後、お互いのニーズが合致すれば、ゴールイン(結婚)です。ただし、毎回成功するわけではありません。最初の面談だけで、終わる場合も少なくありません。今回はどうなることやら・・・。

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