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世界一高い山は?

 世界一高い山は?、と聞かれれば、多くの人がエベレストでしょ、と答えるはずです。エベレスト/エヴェレスト(Everest)、現地名のチョモランマ/サガルマータは、ヒマラヤ山脈にある世界最高峰の山で、山頂はネパールと中国との国境上にあります。

 エベレストの標高については諸説あり、1954年にインド測量局が周辺12か所で測定した平均値の8,848mが長年一般に認められてきました。2020年、中国・ネパールは合同でGPSによる測定を行ない、8848.86mであったと発表しました。しかし、厳密には地殻変動などの影響によって標高は年々変動しています。

 実はこのエベレストより高い山が、ハワイにあります。その山はハワイ島にあるマウナ・ケア山です。マウナ・ケア(Mauna Kea)は、ハワイ島を形成する5つの火山のうちの1つです。マウナ・ケアとはハワイ語で”白い山”の意で、冬になると山頂が雪に覆われることもあります。マウナ・ケアの山頂付近は天候が安定して、空気が澄んでいるので、世界11ヶ国の研究機関が合計13基の天文台を設置しています。日本の国立天文台が設置したすばる望遠鏡もここにあります。

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 マウナ・ケアの標高は4,205 mに達し、南にあるマウナ・ロアよりも35 m高く、ハワイ諸島で最も標高の高い火山です。何だ、エベレストの半分しかないじゃないかと思った人、ちょっと待って下さい。実は、マウナ・ケア山は、裾野にあたる太平洋の海洋底から測ると、10,203mもの高さがあります。つまり、最も低い場所からの高低差なら、エベレスト山を抜いて世界で最も高い山なのです。ハワイ島はホットスポット上にある火山で、島全体が大きな火山になっています。マウナ・ケア山は、奥ゆかしいことに、その姿の半分以上を海底下に隠しています。きっと恥ずかしがり屋なのでしょう。


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