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バークレーの思い出#7 アメリカの車事情

 あくまで20年以上前の話です。今は違うかもしれませんので、そのつもりで読んで下さい。カリフォルニアのバークレーに住んで思ったことは、キレイな車がほとんど走っていないという事でした。日本では、休日ともなれば、自家用車を洗車してきれいな状態を保ちますが、アメリカではそういうことは殆どありません。

 車は移動手段だと割り切っているので、「動けばいい」と考える人たちがほとんどです。単なる移動手段に過ぎない車を、手間暇かけてピカピカにするという考えが、そもそもありません。

 はじめて大学キャンパスに行く時には、受け入れ先のモリソン教授が我家まで車で迎えに来てくれましたが、高給取りの教授でも年季の入った車に乗っていました。私が後部座席に乗り込もうとすると、「そっちのドアは開かないんだ。反対側のドアから乗ってくれ」と言われました。よく見ると、私の側のドアノブには、ガムテープが貼ってありました。なにもモリソン教授が特別なわけではありません。少なくとも、私が住んでいたバークレーでは大部分の人が、そんな感じでした。

 アメリカでは、日本のように自動車販売店が彼方此方にある環境ではありませんでした。そのようなわけで、中古車需要がとても高い印象を受けました。車は中古車屋さんでも買えますが、個人間の売買も盛んです。日本では手続きが厄介なので個人間の売買は殆どありませんが、アメリカでは自動車整備工場で所定の検査を受ければ、DMV(Department of Motor Vehicles;自動車省)の事務所で譲渡の手続きができます。我家の車も、知り合いの日本人から買って、別の知り合いの日本人に売りました。

 同じ研究室にいた中国人研究者は、200ドルで車を買ったと言っていましたが、排気量の大きな車なので月に200ドル以上のガソリン代がかかる、とぼやいていました。

 DMVでは、自動車免許の試験を実施しています。日本と違って、アメリカでは自動車学校は無く、DMVで学科試験と実地試験を受けます。カリフォルニアでは日本語でも学科試験が受けられました。日本人の場合は、自動車免許を持っていれば、国際免許を県警で発行してもらって利用することができますが、写真付きの証明書にもなるので、現地で長期間滞在する人は免許を取る人も多いようでした。

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