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カーボンニュートラルと『じゃじゃ馬億万長者』

 その昔、『じゃじゃ馬億万長者』という、アメリカのコメディードラマがありました。英語タイトルのビバリー・ヒルビリーズ(Beverly Hillbillies)とは、直訳すればビバリーヒルズ(Beverly Hills)の田舎者たち(Hillbillies)となります。もともとHillbilliesは、アパラチア山脈周辺に居住する貧困白人層のことで、HillsとHillbilliesが英語の駄洒落になっています。

 クランペット一家は、片田舎の貧しい農家です。ある日、家長ジェドが獲物を狙って発砲すると、その弾丸が当たった場所から石油があふれ出しました。一家は石油会社の払った油田の権利金で大金持ちになり、ロスアンゼルスのビバリーヒルズの豪邸に引っ越すことになりました。それまで極貧生活を送ってきたクランペット一家は、生活習慣の違いもあり、街の住民とトラブルになり、様々な騒動を引き起こします。

 このドラマでは、グラニーというジェドの義理の母、通称オッカサンが出てくるのですが、小さい頃の私は、グラニーをジェドの奥さんだと思っていました。それから、エリーはジェドの娘ですが、私がエリーのお兄さんだと思っていたジェスロは、ジェドの従兄弟の息子という、なんとも複雑な家族構成でした。

 私のお気に入りキャラは、銀行の頭取とうどりドライスデールさんです。小学生の私は、頭取がどんなことをする人かは知りませんでしたが、ドラマのストーリーから、彼がお金が大好きなことはよくわかりました。守銭奴の頭取・ドライスデールさんはお金のことで良く失神するのですが、秘書のジェーンさんが常に持ち歩いているドルの札束を彼の前で振ると、お札の匂いを嗅いで正気に戻ります。

 主題歌も面白くて、歌詞は所々忘れていましたが、メロディーはよく覚えていました。

ワシら代々山育ち♪ 鉄砲てっぽうかついで山歩き♪
おめーの鉄砲てっぽが当たるかよ♪
あーら当たった石油が湧いた♪ 
おどろいたなコリャー
ワシら億万長者だ もう山なんぞにゃいられねえ それー

花の都のハリウッド♪ 素敵な男がいるかしら♪
それ行け やれ行け ドンと行け♪ 
豪勢な暮らしをやらかそう♪
調子づいてもう
いいからゼニはあるんだ
それ行けー じゃじゃ馬億万長者

 日本政府はカーボンニュートラルに舵を切りました。これから、石油は徐々に使われなくなっていくことでしょう。今なら、油田を持っていれば大金持ちですが、百年後の近未来では、その価値が無くなっているかもしれません。その頃の人たちにとっては、「石油で大金持ちになった」という事実が理解できないかもしれませんね。

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