見出し画像

古墳探訪#9 伊都キャンパス内の大型円墳 元岡・経塚古墳

  九州大学の伊都キャンパス内にある古墳をもう一つ紹介します。伊都キャンパス内には、6基の前方後円墳がありますが、大きな円墳が一つあります。それが、元岡・経塚古墳です。

 伊都キャンパスの敷地は、大きな前方後円墳のような形状をしています。経塚古墳はこの伊都キャンパスの東端にあたる標高10mほどの丘陵の先端に立地しています。この古墳は、直径が30m、高さは3mを超える大型の円墳です。墳丘には葺石が葺かれていて、円筒埴輪や家形の形象埴輪などが出土していて、墳丘の頂部には埴輪が設置されていたと考えられています。この古墳の墳頂部には大きなプレート状の石が置かれていて、これが”お経が書かれた石碑”のように見えるため、”経塚”古墳と名付けられたようです。

 主体部(埋葬施設)は未調査ですが、初期横穴式石室と考えられていて、5世紀中ごろに築造されたと推測されています。私たちは、この経塚古墳の頂上付近で比抵抗による遺跡探査を実施しました。その結果、古墳の中央部に主体部と考えられる比抵抗異常部を検出しました。しかし、プレート状の石の存在からもわかるように、盗掘の可能性が高いと解釈しています。

 電気探査の後には、弾性波探査(屈折法)も実施しています。この探査の結果からも、主体部が存在していただろうことは確かめられました。経塚古墳は、道路のすぐ脇にあるので、簡単に見ることが出来ます。ただし、現在は雑草が生い茂っているので、墳丘の頂上まで登るのには覚悟が必要です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?