見出し画像

祝ノーベル物理学賞 真鍋淑郎さん

 今年もノーベル賞の季節がやって来ました。本日のホットニュースは、今年のノーベル物理学賞にアメリカ・プリンストン大学上席研究員の真鍋淑郎さん(90)が選ばれたことです。

 真鍋さんは地球温暖化研究の先駆的存在で、1950年代末からアメリカにわたり、コンピュータを用いて気候の変動を分析する研究分野を開拓しました。また、二酸化炭素濃度の上昇が大気や海洋に及ぼす影響を世界に先駆けて研究し、現代の地球温暖化予測の枠組みを築きました。これらの業績に対して、ノーベル物理学賞が贈られました。日本のノーベル物理学賞の受賞者は、2015年の梶田隆章さん以来、12人目です。

 今回の研究分野は、物理学と言っても最先端の素粒子物理学や、一般の人の関心も高い天文学・宇宙物理学でもない、地球物理学・地球科学に関する分野なので少し驚きました。

 物理学は対象の大きさによって、マイクロスケール(微視的)やマクロスケール(巨視的)に大別できます。マイクロスケールの物理学が素粒子物理学で、マクロスケールの物理学が宇宙物理学です。地球物理学は我々に最も身近な物理学ですが、マイクロとマクロの中間の中途半端なスケール(メソスケール)なので、これまでノーベル物理学賞とは疎遠でした。私も地球物理学を齧っている一研究者として、大変うれしく思っています。

 ノーベル賞は研究業績が素晴らしいことが前提ですが、受賞時に生きていないともらえません。研究によっては、その成果が認められるのに時間がかかる研究領域もあるので、研究業績は素晴しいのにノーベル賞がもらえなかった人も数多くいると思います。実際のことは分かりませんが、今回は地球温暖化に関する研究だったので、受賞までに時間がかかったのかもしれません。真鍋さんは、90歳での受賞なので、受賞&長寿でどちらもおめでたいです。

 私の研究室では、地下構造を調べて、再生可能エネルギーである地熱エネルギー探査の効率化・高精度化に関するプロジェクトを今月から開始しました。便乗商法のようですが、タイトル図のようにNobel MT Project(新しいMT法のプロジェクト)と命名したいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?