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産業の空洞化

産業の空洞化とは、企業が工場を海外に移転することによって、製造業が衰退していく現象のことを言います。

日本は、資源がないため、原材料を輸入して製品を作り、輸出してお金を稼ぐ加工貿易を行なってきました。ところが一時期の円高の進行により、輸出する製品の価格が上昇し、他の国の製品と比べて割高になって売れなくなりました。企業は生き残りのため、円高の影響がなく、人件費などのコストが安い海外に工場を移して生産を行なうようになりました。その結果、いままで国内の工場で働いていた人の雇用が失われ、国や自治体の税収が減り、技術も海外に流出するなど日本経済を悪化させる様々な問題が生じています。

しかし、ここにきてその状況は変わりつつあります。少しづつですが、海外の工場が日本回帰を始めたのです。そのキッカケはコロナウイルスの感染拡大です。これによって国外の工場の生産中止や、物流の停滞で、品物が極端に手に入らなくなりました。現在は少しづつ解消されてはいますが、まだまだ完全とは言い切れません。海外での依存度が高まると、このような状況が起きる可能性があります。これは地政学的リスクと呼ばれています。

日本回帰のもう一つの要因は、円安です。工場が海外に進出した時期は、円高の時期とほぼ重なります。この時期の海外進出は、海外の安い労働力と円高に支えられていました。しかし現在は、海外の労働力も昔ほど安くないし、しかもかなりの円安になっています。

一部の家電メーカーや自動車メーカーは、工場を日本に戻したり、他の国へとさらに移動することを始めています。経済については詳しくありませんが、産業の空洞化が解消され、給与が増えることは歓迎すべきでしょう。大学教員の給与も、世間一般のサラリーマンの給料に準じているので、景気が良くなることは喜ばしいことです。

デフレが長期間続いた日本ですが、そろそろデフレを脱却しても良いのでは?。

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