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COP26と釧路コールマイン

 現在開催されている国連会議COP26のCOPとは、Conference of the Parties (締約国会議) の略です。26は26回目の会議であることを表わしています。今回のCOP26は、10月31日から11月12日まで、スコットランドのグラスゴーで行われています。COP26では様々な議題が話し合われますが、メインテーマは気候変動(地球温暖化)です。約120カ国の代表団、科学者、環境保護活動家など2万5000人以上が集まるこの会議について国連は、「無軌道な気候変動をコントロールするため、世界にとってベストで最後のチャンス」と呼んでいます。

 今回の議長国はイギリスで、ジョンソン首相が議長として議論の取りまとめを行ないます。COP26では、温室効果ガスの排出削減対策がとられていない石炭火力発電所の新規建設中止などを盛り込んだ声明が出され、ヨーロッパ各国など40か国あまりが賛同しました。しかし、日本やアメリカ、中国はこの中には含まれておらず、脱石炭が議論の焦点になっています。

 日本は原子力発電所の再稼働が進まない中、ベース電力のかなりの部分を石炭火力に頼っているので、脱炭素には積極的になれない国内事情があります。また、アメリカや中国にも、それぞれのお国が抱える事情があります。

 日本は石油と同じく、石炭の多くを海外に依存しています。そのため、日本には炭鉱が一つもないと思っている人が多いでしょう。しかし、北海道の釧路には、釧路コールマイン株式会社という、日本唯一の坑内掘石炭生産会社があります。この会社は、閉山した太平洋炭礦たんこうを縮小して引継いでいます。地元産業の存続という側面があり、この釧路の地方企業で構成された独立系エネルギー資源会社の主要株主は、釧路ガス、釧路日産自動車、大栄産業、釧路石炭販売、釧路信用金庫などとなっています。

 石炭を採掘(年間約55万トン)して販売することが、この会社の主な仕事ですが、事業の柱の1つとして石炭採掘技術の研修生受入技術者派遣があります。この会社では、2019年までに3,000人以上の研修生を受け入れると共に、海外へ延べ4,000人以上の技術者を派遣しています。

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