見出し画像

筋肉痛のタイムラグ

フィールド調査から戻って来て2日目、なんとなく腰の辺りが痛みます。これは重い荷物を運んだことによる筋肉痛なのでしょう。

筋肉痛とは、”運動によって生じる筋肉の痛み”です。筋肉痛の原因は、以前は疲労物質である乳酸であると考えられていました。しかし、乳酸はエネルギーとして再利用できることがわかり、現在では”乳酸は疲労物質ではない”と認識されています。現在は、運動による筋繊維の損傷を修復する際に、炎症が起こって痛みを引き起こすという考えに代わっています。

筋肉痛のメカニズムは、こんな感じです。普段使わない筋肉を使ったり、同じ動作を繰り返したりすると、筋肉を構成している筋繊維に細かな傷ができます。このとき、傷んだ箇所を修復する過程で炎症反応が生じて、ブラジキニンなどの痛みを生み出す刺激物質が生成され、筋肉痛が出現すると考えられています。

運動して数時間から数日後に生じる筋肉痛を遅発性筋痛と言います。一般的に筋肉痛とは、この遅発性筋痛を指します。最も遅発性筋痛になりやすいのが、下り坂を駆け下りたり、重い荷物を下ろしたりするなど、筋肉を伸ばしながら力を発揮する伸張性運動です。フィールド調査では、重たい荷物を背負って道なき山を登ったり下りたりしたので、筋肉痛になっても不思議ではありません。

よく「年をとると筋肉痛が遅く出る」と言われていて、自分でも”筋肉痛のタイムラグ”を感じていました。しかし、この説は医学的には”肯定も否定もできない通説”なのだそうです。この通説を肯定または否定できれば、イグノーベル賞が取れるかもしれません。誰かチャレンジしてみては!。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?