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私家版英文法#2 A動詞とB動詞とC動詞

 英語が苦手な私の子供が、中学生の時にこんなことを言いました。「どうしてビー(B)動詞はあるのに、エー(A)動詞はないの?」。確かにその通りで、何やら良くわからないbe動詞というのが、英文法では出てきます。その癖、be動詞なのにbeはほとんど出てこなくて、am、is、areなど、やたらにbe以外が使われます。このようなことが頭に残っていて、「いつかA動詞を考案してみよう」と思っていました。

 最初のコロナ感染拡大の頃、自宅勤務が長く続いていたので、お昼の休憩時間や夜に、YouTubeなどの動画を見る機会が増えました。特にこの期間中には、数学や英語の動画をよく見ました。様々な動画を見るうちに、動詞についての私なりのアイディアが芽生えてきました。このアイディアは、私だけの私家版英文法なので厳密ではないし、学術的ではありません。ただし、こんな考え方をすると、英文を構成する語順がよく理解できると思います。

 助動詞という言葉があります。「助動詞なら知ってるよ。canとかwillとかでしょ」と思っている人が大多数だと思います。しかし、ちょっと待って下さい。”動詞”という名称に騙されて、”助動詞”の本来の役割を忘れていませんか?。”助”という漢字の意味に騙されて、助動詞は補助的な役割をする動詞だと誤解されがちですが、実は”助動詞”こそ動詞の主役であり、”動詞”という名称の方がピッタリなのです。

 英文の最小構成単位は、主語(名詞)+述語(動詞)ですが、動詞は大きく3つのグループに分けられます。一つ目の重要なグループは、英語学習の初期に習う、いわゆるbe動詞の一部と完了形に使うhave動詞です。具体的には、am, is, are, was, were にhave, has, hadを加えた8種類だけです。これをBasic Verb (基本的な動詞)の意味でB動詞と呼ぶことにします。ここで注意してもらいたいのは、B動詞には肝心のbeが含まれていないことです。

 もう一つの重要グループが、canやwillなどの助動詞と呼ばれているものに、do, does, did を加えたグループです。これをAheading Verb (先行する動詞)の意味でA動詞と呼ぶことにします。A動詞の種類は、can, could, will, would, may, might, shall, should, do, does, did11種類です。

 さらに、一般動詞の原形beを加えたものを便宜上、Complementary Verb (相補的な動詞)という意味でC動詞と呼ぶことにします。少し紛らわしいのですが、持つ食べるの意味で使うhaveはC動詞に分類されます。

 A動詞B動詞には優劣が無く同格ですが、C動詞は一段下の格下の動詞になります。C動詞は単独で使われる例外を除いて、基本的にはA動詞と一緒に使われます。つまり、英文での動詞の使われ方には、”A動詞+C動詞”と”B動詞単独”の2種類しかありません。次に簡単な例文を示します。

                                肯定文    疑問文               否定文
A動詞+C動詞: He can swim. Can he swim?   He can not swim.
B動詞:              He is great.        Is he great?       He is not great.

 最初の例では、canがA動詞でswimがB動詞です。二番目の例では、isがC動詞です。この例から分かるように、疑問文ではA動詞やB動詞が前に出てきますが、C動詞の位置は変わりません。また、否定文ではA動詞やB動詞の後に否定の意味のnotが続きます。これらの例からわかるように、英文ではA動詞とB動詞が主役です。ただし、He runs. のような文では、このルールが一見当て嵌まらないように見えますが、実はそうではありません。

         肯定文    疑問文               否定文
A動詞+C動詞: He (does) run. Does he run?   He does not run.

 肯定文で三人称・単数・現在(三単現)の場合、He runs. のように動詞にsesを付けるのは、A動詞のdoesを省略したためです。つまり、does+run = runs になります。この省略(置き換え)は肯定文だけで出来るので、疑問文や否定文にはdoesが省略されずに残っているのです。英語を習いたての頃、肯定文に無かったdoやdoesを使って疑問文や否定文を作ることに戸惑った人も多いと思います。しかし、A動詞+C動詞が基本だとわかれば、スンナリ理解できると思います。

 追加情報ですが、肯定文でも意味を強調したい場合には、doesやdoを省略せずに残すことができます。例えば、He does run. や I do love you. です。この場合は、「彼はまさに走っています」や「君のことが本当に好きだ」のような訳になります。

 記事が長くなったので、過去形完了形については改めて書きたいと思います。私家版英文法の、A動詞・B動詞・C動詞は発展途上です。まだまだ改良の余地がありそうですが、少しは理解して頂けたでしょうか?。


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