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地電流のアーティスト

 MT法の関連で地電流のことを調べていた時に、偶然に”地電流の芸術家”を見つけました。彼は、電子回路に土壌(earth)を組み込み、地球(Earth)をハックすることをもくろむMartin Howseさんというメディア・アーティストです。彼はロンドンとベルリンをベースに活動しています。

 エンジニアでもある彼は、土壌に電極を刺し、自作の発振器やコンピュータをつないで信号を変調させたり、地電流を音や光に変換する作品を制作しています。2015年には本物の土を積んだユーロラック・モジュラーシンセ “ERD/ERD (Earth Return Distortion)” を制作したことでも話題になりました。このERD/ERDモジュールには、地面(GND=earth)に接続できる出力がついていて、地表の電位の揺らぎを回路に取り込むことができます。

 文章だけだと何のことかさっぱりわからないと思いますが、下記のリンクから動画を見ることができます。音声は英語ですが、どんなことをやっているのかの雰囲気は伝わると思います。

 この動画を見て面白かったのは、地電流を測るのに素焼きのツボ+硫酸銅水溶液(青い液体)を利用した非分極電極を使っているところでした。これは電気探査の一種である自然電位法(SP法)の基本ですが、彼は物理探査の基本がマスターできているようでした。地電流は、MT法やSP法などの科学の世界だけに使われるものだと思っていましたが、芸術にも使われるんですね^^。世界は広いです。


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