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雑記コラム

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物理探査に関係が薄い雑多なコラムをまとめました。
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#エネルギー

石炭 温暖化の元凶?

石炭は固体の化石燃料で、大昔の植物(おもに鱗木)が地下で、長い年月をかけて変化したものです。地中に埋まった植物は、泥炭→亜炭→褐炭→瀝青炭→無煙炭と熟成されていきます。通常使われる石炭は、ほぼ瀝青炭です。地質区分に石炭紀というのがありますが、古い時代の石炭はこの頃に繁茂していた植物が素になっています。石炭は燃料としてだけではなく、製鉄などの原材料(コークス)としても使われています。 私が所属している地球資源システム工学科は、最初は採鉱学科という名前でした。採鉱は鉱石を採掘す

"組み合わせ"が文明を進化させた?

現在のような機械文明は、偶然の産物らしい。蒸気機関の発明を端緒とした産業革命はイギリスから始まったのですが、これには次のような”偶然の連鎖”が関係しています。 イギリスは高緯度にあり、植物の生育には不向きです。そのため、森林が育つにはかなりの時間がかかります。イギリスではその昔、薪を煮炊きや暖房のために使っていましたが、森林を伐採し過ぎて山がハゲ山になってしまいました。そこで仕方なく、地下にある泥炭や石炭を燃やすようになりました。しかし、浅い所にある石炭を掘りつくすと、深い

常温核融合の夢

核融合反応は、軽い核種同士が融合してより重い核種になる核反応を言います。通常は単に核融合と呼ばれることが多い。核融合は、原子力発電などで利用される核分裂反応とは全く原理が異なる反応である。この核融合反応を連続的に発生させてエネルギー源として利用するのが核融合炉で、技術的な困難を伴うため2023年現在実用化はされていない。 しかし、身近な場所に天然の核融合炉があります。それは太陽です。太陽の内部では、水素と水素が核融合して、ヘリウムを生成されています。ヘリウムの名前の由来は、

トリアタマは馬鹿にできません!

鳥頭は、物忘れの激しいこと、あるいは記憶力の弱いことの喩えで、そのような忘れっぽい人を揶揄うときに使います。これは、「三歩で忘れる鳥頭」や「鶏は三歩歩けば忘れる」という諺が元ネタになっています。あまり聞かない言葉ですが、鳥の三足という言い方もあるようです。 しかし、いわゆる”鳥頭”の字義に当てはまる鳥はダチョウなどの少数の鳥だけらしいのです。実際の鳥類には道具を使う鳥や声真似をする鳥もいて、脳の大きさの割には賢い鳥が多いようです。カラスなども、そのような賢い鳥の代表です。

一次エネルギーと二次エネルギー

地球温暖化との絡みで、”クリーンなエネルギー”というキラーワードが頻繁に使われます。この場合の”クリーンな”というのは、温暖化の原因である二酸化炭素(CO2)を排出しないという意味で使われています。水素は燃やしても水になるだけなので、早くからクリーンなエネルギーとして着目されていました。しかし、水素はその反応性の良さから安全性の危惧がありますし、貯蔵する時の難しさもあって、いまのところ普及していません。 そこで、最近出てきたのがアンモニアです。アンモニアは化学式がNH3で、

資源価格の変動 需要と供給

モノの価格は、一般的には需要(demand)と供給(supply)が均衡(equilibrium)する点によって決まります。しかし、資源価格はそれ以外にも、その時の経済状態などによる社会情勢や、戦争/紛争などの国際情勢によっても大きく変わります。 資源価格の高騰で歴史的なものは、いわゆる『オイルショック』です。それまで、セブンシスターズ(Seven sisters)と呼ばれる欧米系の7つのメジャーな石油会社が、石油価格を主導的に決めていましたが、OPEC(石油輸出国機構)の

パワースポットは、ただの場所。

パワースポットは、パワー(力)とスポット(場所)を合成した和製英語です。諸説ありますが、この言葉を初めて使ったのは、スプーン曲げで有名になった超能力者(?)の清田益章さんだそうです。彼が自身の著者のなかで「大地のエネルギーを取り入れる場所」として、パワースポットを紹介しているそうです。小説家の荒俣宏さんは、「パワースポットは大地の力(気)がみなぎる場所と考えればよい」と述べています。 パワースポットという言葉自体は新しいものですが、昔から”大地の力”を得ようとする試みはあっ