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数学よもやまエッセイ

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数学や算数にまつわるエッセイをまとめました。内容は、そんなに専門的ではありません。ちょっとした息抜きにどうぞ。
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#エッセイ

掛け算は回転だ!

掛け算は、足し算や引き算に続く重要な演算ですが、数学(算数)の最初の関門でもあります。また、掛け算の基礎を習った後には、退屈な九九の暗唱が待っています。このあたりも、掛け算でつまづく子供が多い原因なのでしょう。私も当時、運悪く算数の教科書を紛失してしまい、授業中に覚えられなかったので、居残りさせられて先生とマンツーマンで暗唱させられた苦い思い出があります。 掛け算は、「2+2+2+2+2+2+2って書くのはめんどうでしょ。でも2×7を覚えたら一発でしょ。覚えようね」と”累加

数学の小ネタ#12 2:8の法則

2:8の法則というのを聞いたことがありますか?。これは、働きアリの観察から発見された経験則のようなものです。  働きアリの行動をよく観察すると、巣に向かってひたすら重い荷物を背負って運ぶもの、手ぶらでただついていくもの、そうかと思うと列から外れたりして勝手にウロウロするものなど、様々なアリを見ることができます。働きアリと言っても、全部がよく働くわけではありません。ざっくり言って、サボっているアリが2割で、真面目に働くアリが8割です。そのため、2-8の法則と呼ばれています。

数学の小ネタ#14 数値計算の加速法(サンプルプログラム付き)

 無限級数の計算には、多くの繰り返し計算が必要ですが、級数の性質によってはなかなか収束しない厄介な級数も存在します。その中でも交代級数と呼ばれる足し算と引き算が繰り返される級数は、収束が遅いことで知られています。有名な交代級数に円周率の1/4を計算するライプニッツの公式があります。この公式は以下のように、奇数の分母を持つ有理数の足し算と引き算で構成されています。  項数を増やして、この式を素直に計算しても、正解には辿り着きません。例えば1000項まで計算しても、有効数字2桁

数学の小ネタ#13 ”足し算”は”掛け算”よりも難しい?

 昨日、NHKで『数学者は宇宙をつなげるか?』と番組を見ました。この番組は、人類に残された最後の超難問と言われる『ABC予想』というものを取り上げた番組です。ABC予想を優しく説明するのは難しいので、”足し算と掛け算の違い”に焦点を当てて、ABC予想を説明していました。  この番組の中で語られていた「足し算は掛け算よりも難しい」が、私には衝撃的でした。「難しいのは掛け算なんじゃないの?」と私も思っていましたが、説明を聞くと「なるほど・・・」と少しだけ納得しました。例えば10

数学の小ネタ#11 偏微分と重積分

 新入学して理系の学部に進んだ人は、大学になっても数学を勉強することになります。線形代数や複素関数論などは、高校生の時に習ったベクトルや複素数などが基本になっています。また、解析学というのは、苦手だった人も多いかもしれない微分・積分が基本になっています。  微分・積分は、高校2年生や3年生で習います。簡単な微分・積分は公式を覚えていればそれほど難しくはありませんが、対数関数や三角関数の微分・積分が出てくると難易度が上がります。しかし、高校数学で取り扱うのは一変数の関数です。

数学の小ネタ#10 ○進数

 我々が普段使っている算法は、十進法が基本です。使われる数字は0から9までの10種類なので、十進数といわれます。十進法では、十を表わす1文字の数字はありません。これは二進数や八進数でも同様です。二進数には二を表わす1文字の数字はありませんし、八進数には八を表わす1文字の数字は使われません。二進数での2は10ですし、八進数の8も同じく10です。ただし厳密には右下に添え字として(2)や(8)を付けるのがルールです。  〇進法の数字を×進法の数字に変換する問題は、公務員試験の『数

数学の小ネタ#9 ナンバープレートを使った『11ゲーム』

 最近はタイトル画のように、ご当地ナンバープレートというのがあります。各自治体がアイディアを凝らして、”我が故郷”を宣伝しています。私が通勤途中で老化防止のために最近やっている”ちょっとした暗算ゲーム”が、私が『11ゲーム』と呼んでいるものです。  キッカケは、赤信号で停車した時に目にした、一台前の車のナンバープレートでした。ナンバープレートの数字は、ハイフン(ー)を除けば、4桁の整数になります。簡単に言えば、『11ゲーム』は4桁(または3桁)の数が11で割れるかどうかを判

数学の小ネタ#8 連分数

 分数の計算が苦手な人は少なくないでしょうが、分数をもっとややこしくした連分数というのがあります。連分数とは、分母に更に分数が含まれているような分数のことを指します。特に、分子が全て 1 である場合には、単純連分数または正則連分数と言います。一般的に連分数は次のような、入れ子の形をした分数になっています。この場合は、三重の入れ子の分数になっています。  無理数は、分数(有理数)で表わせない数の総称ですが、連分数を使うと無理数を表わせる場合があります。連分数は、”有理数と無理

数学の小ネタ#7 今日(3.14)はパイの日

 今日は一般的には”ホワイトデー”です。ホワイトデーは、バレンタインデーの”お返し”のための日ですが、その昔は”マシュマロデー”と呼ばれていました。何となく想像できると思いますが、”マシュマロデー”もチョコレートと同じく、マシュマロをたくさん売りたいお菓子屋さんの陰謀(?)です。  3月14日は、その数字の並びからπ(パイ)、つまり”円周率の日”です。また、お菓子の”パイの日”でもあります。πは円周率を表す記号で、英語のpに相当するギリシャ文字です。それでは、円周率とはそも

数学の小ネタ#6 鶴亀算と連立方程式

 鶴亀算は、中学受験などに出てくる定番の算数問題です。まだ連立方程式を習っていない小学生に唯一出しても良い(?)問題のようです。鶴亀算は、特殊な連立方程式ですが、解き方を覚えれば簡単に解くことができます。しかし、恐ろしく難しい算数の問題が、中学受験の問題に出たりします。  かなり昔ですが、子供が中学受験の塾に通っていた頃、「どんな問題やってるの?」と聞いたら、模擬試験の問題を見せてくれました。小学生が解く問題と侮ってはいけません。中には、解法を知らないと大人でも時間がかかる

数学の小ネタ#5 素数とメルセンヌ数

 素数(prime number)は、2以上の自然数で、正の約数が1と自分自身のみの数のことをいいます。したがって、1は素数には含まれません。また素数は、正の約数の個数が2個である自然数と言い換えることもできます。1より大きい自然数で素数でないものは合成数と呼ばれます。具体的な素数は、小さいものから列挙すると、  2, 3, 5, 7, 11, 13, 17, 19, 23, 29, 31, 37, 41, 43, 47, 53, 59, 61, 67, … となります。

数学の小ネタ#4 数の拡張(2) 四元数

 前回の記事で、複素数について少しだけ触れました。複素数は実部と虚部の2元から構成される二元数ですが、虚数単位をさらに2つ追加した四元数という、さらに変わった数の概念があります。  この四元数(quaternion:クォターニオン)とは、複素数を拡張した数体系で、3つの虚数単位 i, j, k を用いて a+bi+cj+dk と表せる数のことです。ここで、a, b, c, d は実数であり、3つの虚数単位の間には以下の演算規則があります。このような演算則を使うと、四則演算が

数学の小ネタ#3 数の拡張(1) 双対数

 高校数学では、二乗すると-1になる変な数”虚数”が出てきます。この二乗すると-1になる基本単位は、虚数単位iと表現されます。ただし、電気系の学問分野では、電流にiの文字を使うので、iの代りにjが使われることが多いようです。  一般的な複素数は、2つの実数aとbと虚数単位iを使って、a+biのように表現します。このような虚数を使うと、これまで解けなかった二次方程式にも(虚数の)解が出てきます。これは、それまでの実数を拡張した新しい数の概念です。  二乗して0(ゼロ)になる

数学の小ネタ#2 無理数の覚え方

 よく使う無理数には、語呂合わせを使った覚え方があります。ちなみに無理数とは、有理数(整数の分数)で表せない数のことです。有名なものでは、√2、√3、√5などがあります。√2は「一夜一夜に人見ごろ」=1.41421356・・・、√3は「人並に驕れや女子」=1.7320508075・・・、√5は「富士山麓、鸚鵡鳴く」=2.2360679・・・ です。  円周率πはおよそ3.14ですが、これにも面白い覚え方があります。その覚え方は「産医師、異国に向こう、産後役無く、産婦、御社に