見出し画像

コミュニケーションスタイル 実践編

コミュニケーションスタイルのお話の続きです。
少し具体例に触れたいと思います。

~~コミュニケーションスタイルの理解(おさらい)~~

前回(2022年5月24日)の記事で、相手のコミュニケーションスタイルを
理解することの大切さを述べましたが、おさらいも兼ねて、ポイントをまとめます。

(1)コミュニケーションの4つのスタイルとは、

◎コントローラー(Controller):
自分で判断し、自分で進めていきたい。人から指示を受けることは嫌い。

◎サポーター(Supporter):効率や成果より「人」に視点がいく。
「和」を重んじ、他人に気配りする。

◎プロモーター(Promoter):
注目されることがモチベーション。アイデアマン。人を喜ばせて自分も楽しむ。

◎アナライザー(Analyzer):正確さ、完全さを好む。客観的な視点を大切にする。


(2)コミュニケーションスタイルを理解するということは、様々な相手へ個別対応をしていくための一手段。
性格診断や、その善し悪しを評価するものではない。


(3)人のコミュニケーションはひとつのスタイルで特長付けられる様な単純なものではないので、強くでるスタイル、2番目に強く出るスタイル。
また、状況に応じて出てくるスタイルなどもある。


(4)コミュニケーションスタイルを理解するということは、
「このスタイルだからこの人は○○な人」
という様な、人に先入観を持ったり、レッテルを貼ったり
することに繋げることではなく、逆に客観的に人を観察するきっかけとなる。

以上、おさらいです。さて・・・

~~「人を見る眼」は「観察」で育つ ~~

この「観察する」という言葉が何か人間をモノ扱いしているようで、抵抗感を覚える方もいらっしゃるかもしれませんが、

「あの人はよく人をみているよね」というコメントを耳にすることがあるように、こう言われる人は、意識か無意識のうちに人を客観的な目で「観察」しています。

人をマネージする立場にあれば、「観察」の対象となる領域はさらに増え、「性格」「経験値」「スキル」なども含まれてきますが、先ずは、観察の着眼点としてコミュニケーションスタイルから行ってみるのも有効では?というお話でした。

コミュニケーションスタイルの理解は、相手との良い関係性を築いていくための最初のドアを開ける鍵の様なもので、開いたドアの向こうには、人それぞれの「個性」という、奥深いものが別に存在するからです。

~~で? 安藤のコミュニケーションスタイルは何?~~

さて、ちなみに、私のコミュニケーションスタイルを診断してみると、1番強いのがサポーターで2番目がプロモーターとのことです。

自分で言うのもなんですが、
「協調性を重んじる」「他人に気配りしがち」
「対立を避けたい」「ノーと言えない」など、
サポーターのスタイルは自覚できます。

また、
「アイデア豊富」「よく喋る」「飽きっぽい」「人のモチベーションを上げる」など、プロモーターの特徴があるのも否めません。

他の観点としては、「結論」にフォーカスするのはコントローラーの特徴ですが、一方、サポーターは「プロセス」にフォーカスします。
そしてプロセスを承認してもらいたい。

それが実証されたケースを自らの経験でご紹介いたします。

懐かし昭和の営業職時代、週報(Weekly Report)という提出物がありました。(今もあると思います)報告内容に対して、直属の課長からのコメントや指示に加え、その上の部長からの簡単なコメントも頂けるのですが、
いまだに忘れない次のようなショートコメントがありました。

「今週は色々大変だったろうが、嫌な顔ひとつせず、よく頑張ってくれた。お疲れ様。」

この「嫌な顔ひとつせず」が仕事へのモチベーションの熱量を一段上げてくれたのです。

サポーターは我慢強い傾向があり、普段あまり文句や愚痴を言いません。

しかし、結果だけでなく、プロセスを理解してもらい、そこで頑張っていることを「承認」してもらいたいのですね。
「ちゃんとみてるよ」「わかってるよ」と。

その部長は、人を見て無意識のうちに効果的な労いのコメントをすることを長年のマネジメント経験で身につけてきたのだと思います。

この週報に書いた内容はとうに忘れてしまっているし、何が大変だったのかの記憶もありませんが、この「嫌な顔ひとつせず」は、自分のコメントの引き出しに入れて、後年、人をマネージする立場になった時に折を見て使わせて頂きました。

その当時はコミュニケーションスタイルの理解などという知識も何もなかったのですが、人を観察して言葉を選ぶことの大切さを後知恵で学んだ一例でした。

コーチングセッションでは、モチベーションに火が点いた、熱量が上がった、納得がいった、等の言葉の経験をクライアントに共有してもらい、相手に対しての理想的な言葉選びやタイミングを探求する対話をすることも
少なくありません。

コーチングがもたらす成果物のひとつになることは間違いありませんね。

安藤秀樹
株式会社ドリームパイプライン代表

公式ホームページ: https://dreampipeline.com
お問い合わせ先: hideki.ando@dreampl.com

拙著 『ニッポンIT株式会社』
https://www.amazon.co.jp/dp/B09SGXYHQ5/
Amazon Kindle本 3部門で売上一位獲得
「実践経営・リーダーシップ」部門
「ビジネスコミュニケーション」部門
「職場文化」部門

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?