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CASE.01こかげの家

上田英和の住宅設計note

今日から始まりました、『上田英和の住宅設計note』

このnoteは、今まで設計してきた住宅がどのようなストーリーで出来上がったのかを、設計士としての独自の視点で書いていく企画です。

写真とスケッチを元に、設計した当時にどのような思考でつくっていったかを振り返りながら、お届けしていけたらと思います。

主に、お施主さんのご要望から導き出すコンセプトや、こだわりのポイント、周辺環境との関係から生まれる住空間をどのように考えたかについて書いていきます。

CASE.01こかげの家(Amami Home モデルホーム)

こかげの家は、天美住建にて初めて設計を手掛けた住宅です。
お施主さん(天美住建の代表)からの要望は3つでした。

1.子供が走り回れる家
2.家族がどこにいても気配を感じれる家
3.夏は窓を開け放って寝たい

敷地は東と南が道路、北と西が隣地で分譲地内の1区画なので、周辺には住宅が立ち並ぶ土地です。

また、土地柄、風がよく吹き抜ける場所でした。

この環境で、3つの要望を踏まえて僕が最初にイメージしたのは、子供が走り回れるおおらかで心地良い環境が作れないか。ということです。例えば、公園の中に大きな木があって、その木陰みたいな環境です。
ピクニックに行って木陰の下で食べる食事って最高ですよね。
そんな環境が家になればいいなと思い、『こかげの家』というコンセプトをたてました。

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次に、要望を一つづつプランに落とし込んでいきます。

まず1つ目、”子供が走り回れる家”についてです。
子供が走り回れる為に、回遊動線(行き止まりの無い動線)を意識して間取りを考えました。さらに、室内だけを走り回っても子供たちは楽しく無いでしょうから、フルオープンサッシを使って、内外の境界を曖昧にすることで、庭もリビングとして使える外部と繋がるLDKを計画しました。

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2つ目、”家族がどこにいても気配を感じれる家”です。
これについては、各部屋の入り口は引き戸を使うことで、どこにいても視線が届くので、家族の気配を感じることのできるようにしました。2階も吹き抜けを介して繋がっていて、引き戸を全て開けることで、家全体がワンルームのような空間になり、リビングのフルオープンサッシを全開にすれば、外とも繋がり、中庭で遊んでいる子供を見守ることもできますし、外も含めたワンルーム空間を作ることができます。

3つ目、”夏は窓を開け放って寝たい"についてです。
この要望に対しての僕の答えは、中庭を囲む高い壁を作るでした。
周辺に住宅もありますし、道路も2方向なので、オープンにするにはプライバシーも気になります。この壁を作ることで、外から見られる心配がなくなるので、閉じることで逆に開放的な空間を維持することができます。そして、子供が庭を走り回っていても、道路に飛び出すこともないので、その点も安心です。

風がよく通る敷地なので、夏は窓を開け放つことで風も通りますし、軒もしっかり出しているので、暑い日差しを室内に入れないように配慮しています。(時期によって入る時はありますが)

分譲地で開放的で心地良く過ごすことのできる『こかげの家』で僕が考えたポイントは、以下の3つでした。

1.空間を一体化させ、ワンルーム空間を作る
2.中と外の境界を曖昧にして、生活に屋外空間(今回は中庭)を取り込む
3.中庭を囲む壁を設けることで、より開放的なくらしができる。


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この『こかげの家』は見学可能ですので、家づくりを考えている方は是非見てみてください。

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第1回目の上田英和の住宅設計noteいかがだったでしょうか?
このnoteは第2、第4土曜日に配信を行います。

次回も読んで頂けると嬉しいです。

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