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CASE.04スローライフの家


第2第4土曜日に更新しています。『上田英和の住宅設計note』
(今回は土曜日に更新できませんでしたので、日曜日に更新です。)

このnoteは、今まで設計してきた住宅がどのようなストーリーで出来上がったのかを、設計士としての独自の視点で書いていく企画です。

写真とスケッチを元に、設計した当時にどのような思考でつくっていったかを振り返りながら、お届けしていけたらと思います。

主に、お施主さんのご要望から導き出すコンセプトや、こだわりのポイント、周辺環境との関係から生まれる住空間をどのように考えたかについて書いていきます。


第4回目はスローライフの家について書きたいと思います。

敷地条件:田んぼを造成

敷地は、田んぼに囲まれた土地で、実際に建設地も田んぼを造成し宅地に変えて計画しました。

道路は北側と西側、南と東側は田んぼです。
南と東はのどかな田園風景が広がり視界も抜けていて、その先には山々が綺麗に見えます。


ご要望:スローライフを楽しみたい

お施主さんのご要望は3つです。

・スローライフを楽しみたい
・薪ストーブを使いたい
・冬は雪山を見ながら暮らしたい

ご要望と敷地条件がマッチした最高のシチュエーションですね。

プランニング:環境に素直に

スローライフを楽しんでもらう為に、この最高の周辺環境をできるだけ、そのまま暮らしに取り入れることを考えました。

それと同時に、寝室や子供室などは少し守られた環境を作ってあげることも考えました。

開放的に外部の環境を取り込めるLDKと落ち着いた環境の居室。2つの異なる環境を作ることで、空間にメリハリをつけることができ、よりスローライフを楽しめる家になる計画としました。

南側に庭を設け、そこに面するようにLDK、そして北側に居室と南側から北側にいくにつてれ、パブリックからプライベートへ変わるようにゾーニングしました。

周辺環境と近い環境のLDKと守られた居室をどのようにメリハリをつけるか、そこについて考えたことを上げてみようと思います。

まずLDKはできるだけ開放的な空間を作ることを目指しました。
大きな開放部を設け、平家だけど、吹き抜けのような高い天井を作ることで、おおらかな環境を取り込むことのできる空間としました。

逆に居室は天井高を押さえ、守られた空間にしました。

天井高の操作によって、空間のメリハリをつけるように考えたのです。

この天井高の操作によって生まれた高低差、ここにも開口を設けることで、空気の流れを作ることができますし、北側の安定した明るさもLDKに取り入れることができます。北側=暗いという印象がありますが、ある程度開けた場所であれば、北側は安定した採光を得ることができます。南は季節や天気、時間によって明るさが大きく変わりますが、北側の光は比較的一定の明るさをもたらしてくれます。



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スローライフを楽しむ為に

今回、スローライフを楽しむ為に考えたことで、一番大切だと思っていることは、環境を作るということです。

冬場に朝起きて、そとの雪山を見ながら薪ストーブに薪を入れ火をつける。そして、薪ストーブの火を見ながら、温かいコーヒーを飲む。

また、天気の良い日は少し広いデッキの部分にテーブルと椅子を持ち出し、朝食をいただくのも良いです。

そんな時間は最高ですよね。

その環境を作りあげる為の建築を素直に作ることを、このスローライフの家を設計する際に考えました。

ご要望を楽しめるような環境作り、それが建築家の仕事だと改めて考えることのできたお家でした。

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最後まで読んでいただいて、ありがとうございます。

次回は、7月11日土曜日に更新予定です。

お楽しみに!!

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