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sound edge

今日いちにちをどう乗り切ったんだったか
時々わたしは思い出せない
葉の全て落ちるすんでのところ
あの隙間の空が好き
理由はなくて
理由はあるの
わたしはそれを思い出せない

あのひとの歌が聴きたいわ
あのひとの歌に潜む傷痕
痛くなる胸が共に鳴く
目覚めた真夜中
片隅の常夜灯
刹那広がる黒い染み
チリチリ、チリチリ締めつける
わたしはそれを思い出せない

春へと向かう風
この倦怠 この焦燥
覗き込む穴からの声は
二者択一をわたしに迫る
こんな事ばかりじゃないか
まだ冬に閉じこもっていたい
どうしてかしら 眠りたい
選びなさい
できないわ
わたしはそれを思い出せない

知るものと知らぬものたちのコントラスト
知りながら漂うもの
知らずに先へと向かうもの
あの日見た音の正体
問いと答え

邪気のないやさしさが
凶器になることもある
救いなどいらない
前向きであることだけが
前へ進む力ではないの
泣かせて
泣かせてよ
泣きたいの
泣きたいのよ

わたしは今も思い出せない
「あのひとを思い出させて」
わたしはそれを思い出せない
わたしは今も思い出せない

#詩 #うた #歌 #311













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