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シェアリングエコノミーによってお金を得ることは「兼業/副業の就業規則」に抵触するのか?

表題の件については、以前からずっと気になっておりました。

経済産業省は、電子商取引及び情報財取引等に関する準則という、「法が追いついていない現状」と現行法との間を埋めるような文書を公開していたんですね。

学識経験者、関係省庁、消費者、経済界などの協力を得て、経済産業省が現行法の解釈について一つの考え方を提示することにより、電子商取引や情報財取引等を巡る法解釈の指針として機能することを期待しています。

「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」について
https://www.meti.go.jp/press/2020/08/20200828001/20200828001.html


この中で「シェアリングエコノミーと兼業・副業に関する就業規則」に関してのガイドラインのようなものを公表しており、初めて得た知識であるためシェアいたします。

「I-8-7 シェアリングエコノミーと兼業・就業に関する就業規則」では、シェアリングエコノミーサービスを通じて収入を得ることにつき、兼業禁止規定に関する就業規則との関係で留意すべき点を整理している。

「電子商取引及び情報財取引に関する準則」p4
https://www.meti.go.jp/press/2020/08/20200828001/20200828001-1.pdf

シェアリングエコノミーとは、個人等が保有する活用可能な資産等(スキルや時間等の無形のものも含む。)を、インターネット上のマッチングプラットフォームを介して他の個人等も利用可能とする経済活性化活動である。シェアリングエコノミーの代表的なサービス内容として、住宅を活用した宿泊サービスを提供する民泊サービスが挙げられるほか、一般のドライバーの自家用車に相乗りし目的地まで移動するサービス個人の所有するモノを利用するサービスや、個人の専門的なスキルを空き時間に提供するサービス空いている駐車スペースを利用するサービス等、様々なサービスが登場している。スマートフォンやSNS の普及を背景に、今後、シェアリングエコノミーサービスの活用は増加することが見込まれる。

「電子商取引及び情報財取引に関する準則」p122
https://www.meti.go.jp/press/2020/08/20200828001/20200828001-1.pdf

(参考)兼業禁止規定の効力が及ばないと思われる例
・民泊サービスを利用して、勤務に支障がないように鍵の受け渡し等を行い、休日に自宅の空き部屋を貸し出す。
・クラウドソーシングサービスを利用して、休日に、勤務先でのノウハウを活用せず、勤務先の業種との関連もない分野の翻訳役務提供を行う。(参考:永大産業懲戒解雇事件「就業規則により禁止される就業時間外における「会社以外の業務」とは、内職程度のものは含まず、他と継続的な雇用関係に入ることを指し、その限りで使用者はかかる行為を禁止し、これに対する違反を懲戒処分の対象となし得る」)
・各種のシェアリングエコノミーサービスを通じて収入を得ているものの、従事している時間やその程度が社会通念上、本業の業務に支障を来すほどではなく、かつ、競業避止義務等にも違反しない場合。(参考:国際タクシー事件「企業秩序に影響せず、企業への労務提供に格別の支障を生ぜしめない程度の兼職である限りは、就業規則上の兼業禁止規定に違反するとはいえないから、それを理由とする懲戒解雇は無効である。」)

「電子商取引及び情報財取引に関する準則」p127
https://www.meti.go.jp/press/2020/08/20200828001/20200828001-1.pdf

PDF本文中には、判例なども引用されており、非常に長く読みにくいところもありますが、とても参考になる資料ですので、是非ご一読されてはいかがでしょうか。

(おわり)

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