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QCDをどう管理すれば「(体感の)生産性」は上がるのか?

はじめに

本日は、QCD管理について書きます。以下のような記事がありました。

改革活動を始めるにあたり、開発部門の現状実態を調査・分析する開発アセスメントから入るケースが多いでしょう。その際、「結果系データ」と「原因系データ」の両方を組み合わせて見ることが重要です。
結果系データは、開発部門全体の開発効率(図1)や各製品の最終的なQCD(品質・コスト・納期)データ(図2)などが相当します。いわば、開発部門のダイレクトな成果を示すための指標がこれに分類されます。代表的な結果系データの概要は以下の通りです。

開発部門全体の開発効率(開発生産性):ある期間における、各年度の開発部門全体の開発工数や開発人員数を開発テーマ数や開発規模で割った数値
Q(品質):SOP(量産開始)後に発生した品質問題数の計画(想定)および実績
C(コスト):SOPから数年たった時点までの開発費・製造原価の計画および実績
D(リードタイム・納期):開発期間全体(開発キックオフから量産開始まで、など)のリードタイムの計画および実績

開発イノベーション活動の失敗要因を排除し効果を定着させる7カ条 | 日経クロステック(xTECH)
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/02078/00008/

これは、新規事業の検討を行うステップの中で出てくる、現在の業務改革における記載です。まず、現状を分析するにあたりの切り口としてQCDというものは広く利用されています。当然、これはDXの文脈でも意識すべき内容なので、今回はQCD管理について深堀していきます。

Q・C・Dはトレードオフ

実は、忘れられがちですが、QCDの3要素は、どれか一つを優先するとその他の要素が犠牲になってしまうトレードオフの関係にあります。

品質(Quality)、コスト(cost)、納期(delivery)はすべて関連し、依存しています。QCDをGoogle検索すると、ベン図や三角形のチャートで示されている画像がでてきます。この図からも、QCDの3要素はそれぞれが独立しているものではなく、常に関係していて3つの要素を網羅的に考える必要がある、ということがわかるかと思います。

【今さら聞けない】QCDとは?基礎からわかりやすく解説 | LEXER ソリューションサイト
https://gdfindi.com/jp/blog-qcd/
QCDは全部大事 https://gdfindi.com/jp/blog-qcd/ より

当たり前ですが、

品質を上げたければ、必然的にコストや納期がかかる

のですから、QCDの管理というのはトレードオフになります。つまり、どれかを優先すればよいという単純な話ではないのです。

Qが膨れるのは「エントロピー増大の法則」

加えて、基本的に

Qは時間が経つと膨れる方向にしか動かない

という経験をされたことがあるでしょう。たいていの人は忘れてしまうのですが(もしくはとぼけているのですが)「ついでにアレもやって」という類のものです。Qが減るというのは「最後どうしてもリリースが間に合わなくなって機能削減される」といった緊急事態以外には起こらないことです。

科学の世界でこういった性質があるものが存在します。エントロピーです。

エントロピー増大の法則とは、簡単にいうと、
「物事は放っておくと乱雑・無秩序・複雑な方向に向かい、自発的に元に戻ることはない」
ということです。
これは日常的にもよく目にする現象で、例えば以下のような例があります。
・拡散した気体は元に戻らない
・常温に置かれた熱湯は自然に冷めるが、一度冷めた水が勝手に熱湯に戻ることはない
・コーヒーにミルクを入れると自然に混ざるが、勝手に分かれることはない
・覆水盆に返らず

図解!エントロピー増大の法則とは?自発変化の方向を示す熱力学の金字塔 - Dreamscope Blog
https://jp.dreamscope.me/blog/2021/4/entropy

QCD管理とは、まさにこのエントロピー増大の法則に抗う戦いであると言えます。

おわりに ~ QCD管理とは「Qを下げる」管理?

今回のテーマは、QCDをどう管理すれば「(体感の)生産性」は上がるのか?ですが、Qのような移ろうものは、CやDに比べ定量化しにくいという性質があります。

また、よくわからないものでも、「概念として存在する」ならとにかく定量化する必要をしておかないといけないわけですが、

勝手に膨れ上がったQによって、さらにPJ管理が困難を極める

という状況にあるわけです。つまり、QCD管理とは思いきって、

「Qを下げる」方向で管理しない限り(体感の)生産性は上がらない

と思えるのです。

さて、以下はまだ経験則しかなく、考えが整理できてないのですが

Q=0.8, C=0.4, D=0.5

と置くくらいがちょうどよいのではないかと感じているところです。

このあたりについては、今後の記事でさらに深掘りしていきます!

(つづく)

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