「製造業でよくある事故」って、どんなもの?
はじめに
日本の製造業では「安全はすべてに優先する」という標語が至る所に張り出されており、製造現場の安全を確保しなければならないという考え方は広く浸透しています。
とはいえ、生産現場では様々な労働災害が起きているのも事実です。今回は、「製造業でよくある事故」って、結局どんなものなのか? また、製造業の安全担当はどんなことに注意しようとしているのかを書いていこうと思います。
厚労省が毎年統計を出している
まず、労働災害(労災)に関しては、厚生労働省(厚労省)が毎年詳細な統計を出しています。たとえば、令和3年のレポートは以下で公表されています。
また、Excel形式による生データがすべて公開されております。「死亡者数」と「死傷者数(ケガ人も含む)」の分類で、業種別・事故の型別・年齢別・都道府県別…など、様々な形で分析が可能です。
これを見ると、日本のデータ公開も少しずつですが進んでいる気がしますね…。
製造業で一番多いのは「はさまれ・巻き込まれ」
厚労省のレポートでは、令和3年の製造業の労災を端的にまとめてくれています。(※引用注:以下、機種依存文字のため、丸付数字は[ ]に変更)
「はさまれ・巻き込まれ」というのは、要するに大型設備に頭や腕などが巻き込まれるということです。
ちなみに、これが建築業になると「墜落・転落」が最上位に来ます。高い所から落ちるということです。建築/解体途中のビルを想定すると、なるほどと納得できますね。
他にも、「林業」「貨物運送業」などでそれぞれ、起きやすい事故の型があるのが非常に興味深いです。
工場はどういう事故を気にしているのか
では、実際に工場現場の安全担当は、上の発生事例順に対策を実施しているのでしょうか?体感的には、上の順に対策をするというよりも、
「実際にその現場で起きた事故」から対策を行う
ことが多い気がします。
確かに、プレス機が動いているような自動車関係・家電関係の生産工場なら、上にあるように「はさまれ・巻き込まれ」をケアしないといけません。ところが、「工場」と一言で言ってもで、実際に製造しているものは本当に様々です。作っているものが異なると、それを製造するための設備異なりますので、そもそも「事故の型」が変わるのです。
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