「仕事が忙しい」と言っている人、実はそんなにラクをしたいとは思っていない説
はじめに
以下のような記事がありました。
いまや毎日のように「DX」というキーワードを目にし、ChatGPTも出てきて、みんなで日本の生産性をさらに上げよう!というメガトレンドは、いまや日本どころか世界中巻き起こっているはずなのに。それなのに、なぜ「今まで通りのやり方がいい」ということになってしまうのでしょうか? 今日はこの点を考えていきます。
そもそも人は仕事のやり方を変えたいと思ってない
そもそも、ヒトは面倒なことは嫌で楽をしたいと口では言うのですが、ここでいう「面倒」とは
今の環境を変えることも含まれる
のです。
この記事では、書類やExcelについての扱いが書かれていますが、これ以外にも「非効率な業務」の代表格としてFAXがあります。しかし、このFAX、
何と日本だけでなく、世界中で未だに残っている
というのです。
2022年にもなって、いまだにFAX?と感じる方も多いかもしれませんが、このような環境を変えたくないと思うのは世界共通だというのです。これも、すでに慣れている「FAXによる業務」から仕事のやり方を変えるのが面倒だからです。
「DXすると工数が増えるからやりたくない」
一見意味が分からないフレーズですが、これは事実です。何故かというと、
自社のDX化に直接的な影響を受けるのは経営トップ層ではなく、現場層
だからです。
現場の方はバカではないので、今の仕事のやり方がどうやらベストではなさそうだと頭ではわかっているのです。しかし、
それを言うインセンティブが働かないので、口では「できない」と言う
のです。それはたとえば「それを言うと怒られる」とか、「じゃあオマエが率先してシステムを導入しろと押し付けられる」とか、いろいろでしょうが、本音では「そういうのを含めた対応まではやりたくない」し、
結局やらない方がトータルで得
だと判断しているだけなのです。なので、やりたくなるようなインセンティブの設計が何よりも重要だとここでは書いているのですね。
おわりに ~ 「怠慢は美徳」を伝えなさい
今回は、従業員にとっての「仕事がラク」とは、業務量が減ることだと思われがちだが、実はそうではなく
「これまで通り」であること(量は関係ない)
ということを書いてきました。また、これをぶち破るにはインセンティブが必要ということも書いてきました。
ここでインセンティブの案の一つを示します。それは
「『怠惰』であれ」と伝え、『怠惰』であったことを評価すること
です。
プログラマーの三大美徳という言葉をご存知でしょうか?
プログラマは、プログラムに処理を行わせるために頭を使いますが、それは
プログラマ自身が退屈な仕事から離れるため
です。これは、もしかしたら「ラクをするのは後ろめたい」という価値観と逆かもしれません。
これはもっと言うと、子供の頃から
「忙しくしている方が褒められる」「忙しくしてないと怒られる」
という環境にいたからかもしれません。
肝心なことは成果を出すことであり、その成果はプログラムやAIで出したって構わないはずです。デジタル活用で一番考えるべき意識改革は実はこの点ではないかと考えております。もっと言えば、DX人材教育と称して行うものはPythonの書き方よりもむしろこちらではないかとすら思います。
いずれにしても、いますぐやるべきことは「便利ツール」を作るよりも、
「そもそもそんな業務止めようぜ」と言って、実際に止めてしまうこと
です。これができない限りDXは実現できないと言っても過言ではありません。
(おわり)
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