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13年目を迎える南相馬にて

今回も「第51回被災地に学ぶ会」に参加させていただいた。
明日であの日から13年目を迎える南相馬の地は、晴天の雪景色だった。

この日のボランティアセンターは、センター長が重い体調不良のため不在で、参加団体も我々のみという今までにない状況でのスタートだった。
これまで13年間、被災地に完全に寄り添って支え続けてこられたセンター長には、頭が下がるばかりである。

今回の依頼は、ご自宅の清掃と復旧とのこと。
高齢の方がお一人で数年ぶりにご自宅に戻られるとのことで、荒れてしまっている状態からの復旧を望んでおられた。

災害関連で家族を失った方の悲しみについては、それを慮ろうにもあまりに重く、想像を絶する。
今回の能登半島沖の地震についても、そうである。

毎度そうだが、我々にできることといったら、せめて戻られる方にとって、住みよくすることのお手伝いだけである。

ご自宅には、当たり前だが遺品の類がたくさんある。
とにかく、可能な限り埃を払い、磨いて綺麗にする。

お昼、いつものお弁当屋さんはいなかった。
色々あって、廃業されたそうである。
昨年語っていただいた内容が現実になっていると思うと、物悲しい気持ちになった。

若者と子どもたちが戻ってくること。
これが被災地に限らず、あらゆる過疎化が進む地域にとっての復興必須条件である。
これが、一番難しい。

南相馬には、コミュニティ・センターが新たに立ち上がっている。
子どもの遊び場、地域の農産物を直販するマルシェ、飲食店にサーフショップと、少しずつだが、確実に前進している。

「道の駅なみえ」には、特に活気があった。
ポケモンのラッキーというキャラとのコラボによる公園や、ももクロなどのアイドルとのコラボも実施されている。
そして福島は、とにかく酒が旨い。
酒用おつまみも豊富で、お土産に最高である。

復興には、多分終わりがない。
活気に満ちていて、一見もう災害の跡など見られないと思われる神戸の方にも言われたことがある。
受けた傷が完全に癒えることはないのかもしれない。

忘れることと、いつまでも忘れないこと。
この両方が大切なのだと学ばされた。

今、能登半島へのボランティアは、登録者に溢れ、助けに行けるのも先着順という状況だそうである。
人は、人の役に立ちたい。
苦しんでいる人がいたら、助けてあげたいと自然に動いてしまう。

できる時に、できる人が、できることをする。
南相馬のボランティアセンターに掲げられ続けている、合言葉である。

人がこの素晴らしい人間らしささえもっていれば、きっと何とかなるのではないかと、希望をもてる気がした。


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