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バカボン爺の知恵袋、味の素(MSG)は悪者?

アメリカではMSG(味の素)を悪者扱いする人が多い。
MSGを使わないことが良心的なレストランと見なされる。
お店の前に、NO MSGと張り紙しているレストランもある。
何故だろう?
私が日本に住んでいた50年前、味の素はよく使ったが問題なかったが、
アメリカに来て、中華料理を食べて、分かった、
何と、喉が渇く、のぼせる、血圧が高くなる、顔がむくむ。
なるほど、アメリカ人がMSGを毛嫌いする理由を自分で体験した。
そもそもアメリカ人は、暑がりが多い。
赤ら顔が多い。
暑がりの人が、MSGと食塩が多い食事をすると、明らかにのぼせる。

味の素って、モノ・ソディウム・グルタミンのことだ。
単に食塩にアミノ酸のグルタミンが一緒になった成分にすぎない。
しかし、何故、異常感が出るのか?

昔、アリゾナのフェニックスで開かれた学会に行ったことがある。
ホテルで開かれる学会には、会場のロービーに多くの業者が商品サンプルを並べている。その一つに、お尻から入れる坐薬を売っている業者がいた。
何の坐薬だろうか聞いた、
「とてもシンプルでマグネシウムとアミノ酸だけの組み合わせだけです」
それで、何に効果があるのか?
「お尻に坐薬を差し込んで、カプセルが解けると、数分で血圧が下がってリラックスするよ。」
本当かよ?😱
マグネシウムとアミノ酸をお尻に入れるだけ?
それで、血圧が下がる?
材料が安すぎて、それで効いたら、製薬会社潰れるじゃん?
でも、なんでお尻から入れるのかな?
「口からミネラルだけ飲むと胃腸からミネラルはほとんど吸収されませんよ。
でも、アミノ酸を加えて、お尻から入れる坐薬だと、大腸から直接吸収されるのですよ。」
ちょっと怪しいけど、面白いアイディアだから試しに買ってみた。
よく考えてみると、坐薬にしたのは特許を取得するためだろうと気づいた。
口から飲むミネラルは、すでにたくさんあるからね。

自己実験開始、
ちょっと大きめの坐薬だから、お尻から入れると、何とも居心地が悪い。
でも、数分後カプセルが溶けると、すご〜い、わかる〜。
全身リラックスし始めて、すぐに血圧が下がった。
お〜、すげ〜効く〜。
なるほど、マグネシウムという単純な成分でも、十分に効果がある。
それに、胃に何の負担もない。
お尻に負担は?
それは、ちょっと使っただけじゃ、お尻への影響は、分からないでしょう。
私も、自分で実験を続ける勇気はない。

この経験から、なぜ味の素(MSG)が嫌われるか理解できた。
つまり、アミノ酸と食塩のようなミネラルを一緒にすると、
食塩やミネラルの吸収率を高めてしまうのだ。
下手な料理人が、規定量の食塩と、その上に味の素を加えたら、必要以上に塩分が吸収されてしまう。
だから、のぼせたり、顔がむくんだりすると分かった。

そこで、証拠になる科学論文がないか調べた。
あった。
アミノ酸は、水分に溶けてイオン化したミネラルの吸収率を高める、と実験報告されていた。
It has also been suggested that the amino acid -mineral complex can utilize the more efficient amino acid transporters to cross the apical membrane of the enterocytes instead of the usual mineral transport mechanisms for each mineral. (国立衛生研究所ライブラリーからの引用)

味の素と、食塩を比べると、
味の素の塩分量は、食塩その物の3分の1に過ぎない、
でも、グルタミンと言うアミノ酸があると、食塩全体の吸収を高めてしまうのだ。

だから、結論は、
味の素を使う時は、食塩を極力少なく使いましょう、
となる。
ついでに言うと、食塩を減らした分、酢の成分を加えると良いよ。
酢を加えると、糖分の吸収が遅くなる。
太りたくない人や、糖尿病の人は、酢を垂らすと良いね👍。
しかし、味の素を使わなくても、旨み成分は作れるよ。
出汁を作る材料代が高くなるけど。

ついでに報告するけど、
お尻から入れる効果抜群の坐薬は、ビジネスとして成功しなかった。
何故って?
多分、みんなお尻から薬を入れたくないのだね。
安くて効くけど、何か惜しい感じがするけどな〜。

似たような例があった。
昔、サンフランシスコで偏頭痛に関する学会があって、
サンフランシスコ・クロニクル新聞に記事が載った。
世界中から、新薬や研究成果の発表があったのだが、
新聞が皮肉な論評を載せた。
少量のマグネシウムを注射すると、偏頭痛は速攻で止まるという発表があったけど、誰も関心を払わない。
なぜなら、保険適用にならないし、それに安価過ぎて、誰も使わない。
医療産業は、高い薬なら使うんだよね、という皮肉の論評だった。


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