第八話 すくすく農園

とても楽しかった夏休みが終わり、いつもの日常が始まった。
真っ黒に日焼けしたみんながニコニコで、朝顔の鉢植えやたくさんの荷物を持って登校してきた。

僕も一生懸命育てたホウセンカの鉢植えを持ち、ハンコでびっしりなラジオ体操カードと自由研究が書かれた方眼紙などを抱えながら行った。

自由研究では、家で飼っている猫のチャコの研究をした。チャコは僕と同じ年に生まれた猫なので、とっても仲良しだった。1日中チャコについて回り、どれぐらいの範囲を行動するのかやどれぐらいの高さの木に登れるかなどを研究した。

交通安全のポスターの宿題では、初めて金賞をもらえてとても嬉しかった。絵は下手くそだけど、絵の具で描くのは好きだった。

小学校の2学期がスタートすると同時に、すくすく農園もスタートする。

このすくすく農園というのは、小学校が地域の方々の畑を借りて小学生だけで農作物を作る農園だ。秋の収穫に向けて、クラスごとに世話をしていた。

僕のクラスでは、大根と二十日大根、あとはトマトとサツマイモを育てることになった。地域のおじいちゃんに耕し方や畝の作り方、種のまき方や普段の世話の仕方を細かく教わった。

僕は家でもよくやっている作業なので、とっても得意だし楽しかった。昼休みや放課後には、必ず水やりや草むしりに通っていた。そして、大根も増えすぎると育ちが悪くなるのである程度のところで間引きをする。その間引きした小さな大根をそのままかじりながら、探検クラブの探検に行った。

他にも炭焼き保存会の炭焼きもさせてもらった。炭焼きはとっても窯が熱いので顔を真っ赤にしながら、炭づくりを手伝った。出来上がった炭は販売もしていたが、秋の収穫祭の時も使われるから楽しみだった。


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