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#62 人からの信用と信頼について

社会の中では、ある過程かていて、そこで付けた実力を、
自分は出来るんだと思うだけじゃなく、周りの人にも証明する、
あるいは、この人は確かにこういう力があるという、
資格として証明して次のステップへ進むことができる、
どんな世界でも、このような自分の力を客観的に証明する仕組みがあります

例えば、医療関係や私が働く教育関係においてもそうです
独りよがりに、自分はこう思っているので医療がしたい、教育がしたい、
そう思っているだけではできないです

私自身足が悪い障害者なので、同じような人を助けたい、そう思っても、
医師免許であったり、理学や作業療法士などの資格が要ります
教育現場で働いているとしても、教壇に立つにはそれ相応の資格が要ります

このように、私たちがやりたいと思ったからと言って、
すぐにできるわけではないことがあります

ビジネスにおいてもそうで、
自分のやりたい事、好きな事を仕事にする、これはもちろんできます
けれども、法律的な事であったり、税務的な事であったり、資格だったり、
ルールや制度をクリアしなければいけなかったりするのが現実です

私が進路室で6年働いていると、いろんな生徒と関わります
今まで進学を考えていたのに、就職へとか、またはその逆とか、
あるいは、そう言って変更したのに、また戻したいと言う生徒もいます

それはもちろん、激動の思春期でもありますし、
まだ未熟だということも当然あります

中には、学校を辞めたいとか、逆に、今まで来れなかったけど、
また来たいという生徒もいます

こうした生徒たちと話していると、
自分はこうしたいと思っているけど、親御さんや担任に反対されるとか、
自分はこうしたいと思ったけど、反対されたことで、
本当にこれで良いのかと思う、そんな話が聞かれます

親や先生に対する反発する心、
あるいは、変更したことでもしダメだったらという不安な心、
これは非常に、みなさんもよくわかることだと思います

これは別に学生だけでなくても、大人でもそうですよね
周りに何か言われたり、自分で不安に思ったりする、
カフェやサロンを開きたいと思っても、資金が必要だったりと、
いろいろこう思ったことが、すぐには実現できないということがあります

この時に、自分が思った事を自分の持っている中で、
持っている力の中で、出来るのであればこれは何も躊躇ちゅうちょすることなく、
どんどんやったらいいと思います

でもそれが、何らかの資格が要ったり、何か援助が必要であれば、
自分の思いを実現するために、強い意志は当然大事ですが、
周りの人を説得するだけの、自分に対する信頼を得る必要があります

この大学に行きたいんだ、行きたいんだという意思だけでは、
やはり親として、すぐにOKは出せないと思います
学費の面、生活の面、そこで学ぶことへの面、
普段の自分の子の様子などなど、親の頭にはよぎりますよね

ですから、行きたいんだという意思だけではなく、
今までの自分とは違うんだ、そこに行ってもちゃんと出来るんだということを親や先生に態度や行動で証明してみせる必要があると思います

これが、子どもから大人へ変わっていくということ、
周りの意見に影響を受けずに、
自分が自立をしたいという意思があるのなら、なおさら必要なことです

そんなことを書きながら、私は自分で決めた学校へ自分のお金で行き、
結局ケンカして途中で辞めてしまったので、
偉そうに言えた義理ではないです

ですが、地元に帰ってきて、ある工場で働きだした時、
こんなことがありました
その工場では、車やカラオケなどにあるスピーカーを作っていました

私は最初、スピーカーの震える部分、振動板しんどうばんの部門でした
素材は主に紙でしたが、プラスチックやゴムなどもありました
そして、その紙の強度をあげたりするのに、薬品に付ける、
含浸がんしんという工程をしていた時です

そこの班長は、非常にクセのある方で、職人気質で、
ほぼアルコール中毒のような方でした
なので仕事の教育と言っても、何も話さず、ただ作業しているだけです

技術部門の人が、班長に何か仕事の話に来ると、
怒鳴り散らして追い出す始末でした

私は普段見ていたスピーカーがこうして作られているのかという、
興味もあったので、そんな班長でしたが、片時も離れず、
どんなに無視されてもやっている作業の真似をしていました

そして2年ほど経つと、その工場は海外にも何か所かあったので、
何かしらの社会情勢を受け、閉鎖に向けて進むようになりました
その影響で、多くの社員が都会の工場へ異動か、
もしくは海外へ仕事を教えに行くかという風になりました

当然、班長にも管理職から話しがあったようで、
当時50代の班長でしたが、退職することになったようでした
そんな多くの社員がいなくなる中、納品しなければいけない受注もあります
私はいつも通り生産を続けました

すると、あの何も教えても構ってもくれない班長が、
突然、「お前に、含浸がんしんのすべてを教える」と言い、
本来、社員でも役職のある人しかできない作業も含めて、
全ての作業を細かく丁寧に教えてくれました

その時、これが信頼なのかと感じました
私は決して能力があったとも思えませんし、
失敗も数えきれないほどしました
何度も製造部門の課長に呼び出されたりもしました
しかし、一生懸命には仕事をやっていました

そんな自分を、何も見ていない様子でも、
ずっと見られていたんだなと思った瞬間でした

1日も自分の都合で休むことも無く、
何も言わなくても文句も言わずにきちんと仕事をした、
だから班長は、私にその仕事のすべてを任せてくれたんだと思います

また長々と書いてしまいましたが、
先に書いた証明するというのは、こういうことだと思います

今は、高校という場所で働いていますが、
変わらずにやっていることがあります

誰かに頼まれて、自分が引き受けたら必ず最後までやる、
そして、後ではなく、すぐやること
これだけは、私が習慣としても出来ている誇れることだと感じています

これが信頼を得る、有効な方法だと思います
でもまだ、信頼はされても、信用はされていないかもしれないですが…😂

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