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逃避の散歩 91.JR青梅線と青梅街道(その2:奥多摩町編)

(その1:青梅市編)より続く。

JR青梅線の駅も残り5つ。

御嶽駅から線路沿いに歩き、2時間23分経過したところで御岳郵便局前を過ぎると右へ大きく曲がる。その曲がり角の入り口あたりで「御岳山登山口」と書かれた看板を見つける。

実はグーグルマップで次の駅までの検索をすると、ここから奥の道に入って多摩川を渡すかみばしを渡り、都道45号・吉野街道に出て同街道を歩く結果が出るが、それでは本末転倒なので無視してこのまま進む。

長く大きなカーブを曲がり終えて直線に入ったところで、この先に連続雨量で通行制限がかかる区間があることを知らせる案内標識が目に入る。山の道に来たなという実感がわいてくる。進行方向から見て右の山側を少し見上げると再び線路が、そして左側には多摩川とそれを利用した釣り堀が見える。

釣り堀の入口を案内する看板の前を通過すると、左へ大きく曲がりながら少しだけ下っていく。それが少し落ち着いたところで前方に案内板が見える。

2時間33分経過。案内板の下を通り、ついに奥多摩町に入る。それと同時に脳内で『スタートレックのテーマ』がメイナード・ファーガソンのカバー版で流れる。妙に気分がたかぶっている。

ここからまた上りになりつつ、左へカーブしていく。傾斜が少し落ち着いて直線になったと思いきや、今度は右へ大きくカーブする。山林の中を抜けていくような感じになり、時々電柱は見かけるものの、街灯は目分量で50メートルおきに1つあればいい方か。

やばい、この辺りは夜なら遭難する自信がある。

2時間48分経過、林道を抜けて住宅が密集する地帯に出てきた。川井駐在所の前を過ぎ、神塚橋を渡ったところで右側に上り階段が見える。

グーグルマップの検索結果だと、青梅街道をもう少し進み、大正橋の右手前にある坂を上ると次の駅に着くことになっている。奥を見ると上で線路と並行しているので、次の駅に行けるんじゃないかと直感が働く。間違ってもいいから上ってみるか。

途中で踊り場を経由して計60段の階段を上り切ると、線路沿いに細い道があり、少し前に駅のホームが見える。このまま通過して駅の入口まで行けそうだ。公衆トイレの前を通過し、駅の出入口が見えてきた。直感を信じて正解だった。

2時間52分経過、川井駅を通過。

電話ボックスの右側から下り階段がある。今度は35段を下りて坂と合流し、線路のガード下(「大丹波橋りょう」と記された看板がある)をくぐって青梅街道に戻り、大正橋に出る。

この橋を渡ると南多摩大橋と合流する。さっき述べた吉野街道から通されている橋だ。このまま直進し、少し進んだところで左へ曲がり、少し直線となってから右へ曲がり始める。

少し曲がりが弱まったところで3時間経過、青梅マラソンの折り返し地点を通過する。青梅の名を関しているのに奥多摩町が折り返しかよと思いつつ、いま歩いているのは青梅街道だ。これ以上野暮なことはは言うまい。

この折り返し地点を越えると大きく右へカーブしていき、曲がり終えると道は北へ延びる。再び右側に線路が見え始めるところからまた上り坂になる。3時間10分経過したところで左へ曲がり、予告信号灯がある角を右へ入りJR東日本の古里変電所の前を通ると奥に踏切が見える。

その踏切の手前を左へ折れると次の駅舎が見えてきた。

3時間14分経過、駅南出入口前を通過。

そのまま左の角に入って坂を下り、古里駅前交差点から青梅街道に戻る。古里郵便局と古里駐在所の前を通過したところで下り坂になり、左へ曲がっていく。さっき、二俣尾駅を過ぎた時も郵便局と駐在所を通過したところで下り坂に入ったことをふと思い出す。

そして坂を下り切る手前で右へカーブし、それが終わると直線になる。

3時間23分経過、この辺りの名物になっていると思われるマネキン群の前を通過。裏に自家菜園が見えるので、案山子代わりなのだろう。それにしても不気味だ。辺りを見回すと、やはり街灯が少ないので、何も知らずに夜中に通過したら逃げ出す自信がある。

少しだけ左に曲がり、3時間25分経過したところで古里附橋に差しかかる。

左前にはこの先の交通規制区間に関する案内が書かれた看板がある。これから、さっき通った青梅市の釣り堀の手前にあった案内に記されていた区間に入るということだ。

橋を渡ると右側には青梅線の高架とその下は石材店の工場入口がある。そして、ここからが交通規制区間となり、緩やかな上り坂に入る。途中でふくどうを通る線路と合流する。

3時間32分経過、はなたてばしに差しかかるところから左へカーブし、線路と分かれる。同橋を渡り、都道45号・多摩川南岸道路と合流する将門交差点を越えると、急に路肩が狭くなる。側溝のコンクリート蓋と白線の幅を足したくらいで人間1人分の肩幅よりも狭い。

その途中にあるバス停を越えたところから右へ急カーブする。その途中にある看板によると、その側にある坂道を上ると将門神社があるようだ。平将門のゆかりの地らしい。歩き終えたら帰りの電車で調べよう。

カーブを曲がり終えると直線となり、左側はガードレールしかない完全な崖だ。高所恐怖症ではないが不安を覚えつつ、右の山側に沿って狭い路肩を進む。幸いなことに車通りが少ないことが精神的に助かっている。

3時間36分経過、対向車線用の案内標識の下を通過したところから下り坂になり、稲荷神社の前を通過した先で左へカーブし、曲がり終えるところで路肩が少し広くなったところでたなざわばしを渡る。

3時間42分経過、橋を渡ってすぐの鳩ノ巣駅前交差点の右側に鳩ノ巣駅への案内板が見える。コンクリート舗装の坂を上った先に駅がある。コンクリート舗装とはいえ、軍畑駅の傾斜に比べたらぬるすぎるくらいのものだ。

左へ曲がるとともに線路と跨線橋が見えてきて、坂を上り切ると風情のある駅舎が姿をあらわす。

3時間43分経過、鳩ノ巣駅前を通過。そのまま奥へ進み、踏切が見える突き当りで左折してコンクリート舗装の坂を下る。それなりに傾斜があるが、いままでの下り坂に比べると楽なものだ。

坂を下りてすぐ右側に鳩の巣トンネルが見える。78メートルしかないが、路肩がなくて通り抜けるには危険だと思い、左の側道から遠回りをする。手前に横断歩道があるので、それを渡って側道のある歩道へ移動してから側道へ。路肩をしめす線はないが、明らかに安全だ。

角の所で鳩ノ巣渓谷の入口前を通って大きくL字に曲がる側道を抜け、トンネル出口と合流して先を進む。また路肩は狭くなる。

3時間51分経過、はなおれトンネルに差しかかる。また路肩が狭くて通り抜けるには危険を感じたので、また側道を利用することにした。側道の先は白丸調整池とダムがあるのを看板で知るが、それを見ることなく通過する。自分は観光を市に来たんじゃない。散歩をしに来たんだ。

V字状に曲がる側道を抜け、トンネル出口に合流して先を進む。「歩行者注意」の看板が立てられている路肩のない左側を進むが、幸いなことに車がほとんど通過しないので安心して通れる。途中、車が来ないことを確認しつつ多摩川を見下ろすと、光の具合で鮮やかな緑色に見えていい感じだ。

3時間57分経過。澤之瀧橋に差しかかるところで、青梅線の橋梁が見える。

別に橋に詳しいとかその筋のマニアでもないが、周囲の木々となじむほどに年季が入った味わい深い風景だと感じる。

4時間経過、横断歩道があるところで右側に「白丸駅入口」と書かれた看板と、駅へ向かう坂道が見える。やはりコンクリート舗装だが、傾斜はさして緩くない。だが、ここまでほぼ休みなく歩いてきた疲労で少しだけ足取りが重くなっている。

4時間2分、踏切の前にある白丸駅前を通過。無人駅らしいというか物寂しい感じが味わい深い。残る駅はあと一つ。

駅の左側に折れ、奥の崖側にある住宅の左横に下り階段が見える。そこから見下ろすと青梅街道にすぐ出られるようだ。利用しない手はない。82段(わざわざ数えた)の階段を下り、青梅街道の草木沢橋前に出る。

草木澤橋を背に西へ進んでいく。

4時間10分経過、白丸トンネルに差しかかる。

今度は十分な幅の路肩があるので悠々と歩ける。トンネルを越え、4時間16分経過したところで海沢大橋交差点を越えると、ほどなくしてゆるやかな上り坂となり右へ大きくカーブする。角を曲がり終えたところで左にパイプガードが付いた歩道が見える。

だが、そっちへ移動するほどいま歩いている路肩の幅は狭いわけではないので、このまま進んでいく。

4時間25分経過、新氷川トンネルに入る。延長605メートルというと、この前歩いた羽田空港の滑走路下トンネル(89回)より少し短いくらいか。中に入ると、200メートルを越えたあたりから左へ曲がっていく。

トンネルを抜けると下り坂になり、右側の高架に近づいてきたところで、左側にはこの先の奥多摩駅入口交差点の案内標識が目に入る。そのまま真っ直ぐ進むと奥多摩湖、右折するとゴールの奥多摩駅に向かうそうだ。

4時間34分経過、同交差点で信号待ちをする。先の案内標識では十字路のようになっていたが、実際は五差路になっている。信号が青になり、横断歩道を渡って最初の横断歩道を過ぎると右側に駅舎が姿を現した。

4時間36分、奥多摩駅に到着。時間かかったなあ。

帰りの電車まで時間があるので、待合室に行って軽く水分補給をしつつ事前に買っておいたカロリーメイトをかじると、思わず安堵の溜息が漏れる。運動後の軽い補給は大事。

都内で歩いた道では今までで一番厳しいルートだったが、同時に充実感もある。また初めて乗る路線で23区内に戻ろうと思ったが、途中で立川に寄って映画を1本観るか。