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逃避の散歩 90.JR青梅線と青梅街道(その1:青梅市編)

さて、瑞穂町と羽村市を歩いたとき(86回)のゴールだった、JR青梅線の河辺駅北口に来た。

今回は、以前からどう歩こうか考えていた青梅市からのJR青梅線。

事前に調べたら同線は河辺駅を除き奥多摩町にある終点の奥多摩駅まで14駅、総距離25キロほどある長丁場だ。思えば最近は20キロ以上歩くことがなかったので久々に歩きがいがある。

この駅から先は初めて歩くのだが、ルートは非常に単純だ。途中から青梅街道に入り、JR青梅線の各駅をチェックポイントとしてひたすら西へ進む。言い方を変えるとそれ以外の方法しかない。そして終点まで歩いて行く。

とりあえず歩き始めよう。最初の駅へ行くにはほぼ線路に沿って進むだけだ。最初の踏切で南側の側道に移動する。

7分経過したところで都道5号・青梅街道のバイパスとの立体交差の上と青梅市役所の前を通過する。さらに3分後、右側に踏切がある突き当りを左に入って奥多摩街道に出て右折。進むと右側にバス・タクシー用ロータリーと駅が見えてきた。

12分経過、東青梅駅南口前を通過。

駅前を通る奥多摩街道から信号を1つ越えて、都立青梅総合高校の横にある道を進み、NTT東日本青梅電話交換所の前の十字路を右折して旧青梅街道の西分一丁目交差点に出る。

23分経過したところで、この先に都道31号・秋川街道との分岐があることを知らせる案内標識を過ぎ、住江町交差点の手前の角に入ることをグーグルマップの検索結果で出してきたが、実際にその道を確認すると狭くて嫌な予感がしたのでそのまま旧青梅街道を進む。

八坂神社の鳥居の前を通過し、次の信号の右側から北側に延びる通りを見て少し上りになっていたので、予感は当たっていたようだ。傾斜が緩くてもわずかに余分な体力を使うので、この先を考えたらなるべく緩急の少ない道を歩きたいところだ。

ところどころに昔の映画のパロディポスター風イラストが街の至る所にあるのは少し気になるが、それがなぜかは帰りの電車で調べればいいか。そう思っているうちに青梅駅前交差点を右折して奥へ行くと次の駅が見えてきた。

28分経過、青梅駅前を通過。ここから電車は単線の区間となる。

バス乗り場側にあるコンビニエンスストアの角を入って七兵衛通りを進み、最初の突き当りを左折して青梅図書館入口交差点から旧青梅街道に戻る。そして次の青梅市文化交流センター交差点で国道411号線・青梅街道の本線と合流する。

都指定有形民俗文化財の旧稲葉亭住宅前を通り、左側に都バスの営業所と熊野神社が見えるところで右へ蛇行していく。そこからは直線となり、住宅が立ち並ぶ。妙に高いマンションなどはなく、のどかな景観を保っている感じだ。信号を1つ越え、次の横断歩道を過ぎたあたりから少し下りに。

47分経過、谷となるたてばしを越えたところで上り坂になる。信号を越えたところで平坦になり、少しだけ左右に蛇行しながら進むと次の信号で「宮ノ平駅前」の案内表示版が見えてきた。その信号まで行き、右側を見ると駅の出入口が。

51分経過、宮ノ平駅南口前を通過。この建物の佇まい、郊外に来た実感がわいてきた。この信号から左へ曲がりつつ長い下り坂に入る。

坂の下り始めで和田乃神社の横を通りすぎるとき、対向側にある飲食店の看板に「東京スカイツリーの見えるお店」と書かれているのが目に入る。青梅市からでも見えるのかよ。

さらに進むと右へカーブし、日向和田駐在所の前を通過する。57分が経過し、谷のあたりで信号に差しかかる。それを越えるとまた右へ大きくカーブしたのちに直線となり、次の信号を越えたところで上り坂になる。

人通りが皆無に近いくらいなので、心地よく歩を進める。坂を上り切るところで横断歩道が見え、その右側に次の駅舎が見えてきた。

1時間3分経過、日向和田駅前を通過。そのすぐ隣にある自転車駐車場を抜けた日向和田駅交差点の手前に秩父多摩甲斐国立公園の看板が見える。この先は国立公園の中というわけか。

同交差点をそのまま直進して越えたところからまた上り坂になり、左右に1階ずつ蛇行したところで線路と合流して道が平坦になり、住宅が見えなくなる。そして1時間10分が経過したところでふくどうが見えてくる。

覆道を越えて最初の踏切が見えてきたところで左へカーブし、いしがみしゃの鳥居の前を通過すると横断歩道が見え、またのどかな住宅街に戻る。その横断歩道の右側にある角を入り、突き当りまで行き左折するとベンチや公衆トイレのある広場を抜けて駅舎が見える。

1時間15分経過、石神前駅前を通過。前を通る道路に出て左へ曲がり、丁字の道路標識がすぐ見えるのでそこを右に入り次の角を左折して坂を下る。すると石神前駅入口交差点に出て青梅街道に戻る。

ながもりばしを渡り、おくたま路入口交差点を越えたところからまた上りになる。傾斜が非常に緩いとはいえ、結構長い。3つの信号を越えて青梅市立六小前交差点まできてやっと平坦になった。時計で確認すると6分くらい。

このあたりから右側に線路がはっきりと見える。

酒屋やクリーニング店など商店は通りに散在するものの、その中でも木造の本屋の佇まい、特に看板の具合に味わい深いさを感じる。こういう場所で本屋がちゃんとあるのは貴重だと思う。自分の住んでいるところなんか、23区内のくせに本屋がないので繁華街の大型書店に行かなければならない。

二俣尾駅前信号が見えてきた。そこまで向かい、線路側を見ると駅の出入口が見える。

1時間28分経過、二俣尾駅南口前を通過。郵便局と二俣尾駐在所の前を渡す横断歩道を越えたところでまた下り坂に入る。そしていきなり二俣尾橋を渡ることになる。普段はここまでわかりやすく坂の一部になっている橋を歩くことがなかなかないので、なかなか楽しい。

橋を渡り少し進んだところで5%の勾配があることを知らせる道路標識が左側に見える。今は下っているので、100メートル進むごとに5メートル低くなるということだ。このくらいの傾斜の坂を全力で駆け上ると足にいい負荷がかかって鍛えられるらしい。走らないけど。

また橋だ。この先がつづら折りになっていることを知らせる道路標識も左側に見える。橋名板によると、この橋は桜橋というそうだ。左右左と道はうねり、直線になったところでまた橋に差しかかる。今度は鎧橋というそうだ。左前には大きな橋が見え、また多摩川をはっきりと見下ろせる。

鎧橋を越えて過ぎ、いくさばた入口交差点に差しかかる。さっきの大きな橋もここで合流し、その橋が軍畑大橋という名称であることもわかる。同交差点を右へ折れたところで「軍畑駅入口」の看板が見え、そこから坂を上る。青梅街道と並走するような感じでなかなかの傾斜だ。

最初の角を折れるとその先に次の駅があるそうなのだが、角からコンクリ打ちっぱなしのドーナツ状のへこみがある道になっているのが見え、嫌な予感がする。

言うまでもなく、勾配が急な坂だ。23区内にもコンクリート舗装の勾配がある坂はあるけど、ここまで長いのはお目にかかれない。地図通りなら、次の駅はこの坂を上りきった奥にある。

途中で少しだけ傾斜が緩やかになってアスファルト舗装になる。そして、錆びた火の見やぐらが見えてきたところ(トップ画像参照)で小さな駅舎が見えてきた。

1時間40分経過、軍畑駅前に到着。このまま引き返してさっきの交差点に戻りまた青梅街道を西へ進むのだが、またあの急な坂を下るのか……

川側のバーベキュー場や製材工場の前を通過し、「秩父多摩国立公園 御岳渓谷遊歩道 入口」と書かれた看板を見つけ、いま歩いているのは国立公園の中であることを改めて思い出す。今は歩きやすいけど、実際は山の中の道なんだよな。

1時間54分経過、沢井駐在所に差しかかる。このすぐ先にある角を右に曲がり坂道に入る。切り返し用の踊り場に来たら急な角を左に入って更に坂を上る。コンクリート舗装の道だが、さっきの軍畑駅に比べれば傾斜は優しくて距離も短い。さっきの坂で少し気分が楽になっている。

坂を上り切ると踏切があり、その先に次の駅舎が見える。

1時間57分経過、沢井駅前に到着……したが駅名標がない。念のため、間違いがないか出入口の階段を上って駅舎を確認みる。すると、窓口と切符販売機の跡があり、乗り場と北口の案内を記したA4の紙が貼られている。その紙には「JR青梅線 沢井駅」と書かれていたので、間違いはないだろう。

確認して一安心したところで最初のトイレ休憩をここで済ませる。最近は郊外の単線駅を通過していて一番ありがたいのは、駅前に必ず公衆トイレがあることだ。

出入口前には立体交差の下り坂がある。その坂を下ると、最初の突き当りで酒造会社の裏手に出て、坂は右側に下っている。やはりコンクリート舗装の傾斜があるものだが、もう慣れてきた。途中で左へカーブし、沢井口入口交差点から青梅街道に戻る。

長い直線が続き、また上り坂になってくる。2時間11分経過したところで左へ大きくカーブしたところで平坦な道になる。少しの直線から少し左へ蛇行してところで「みたけ山ケーブルカー」の宣伝看板が見えてくる。

そこから直線が続き、右側に上り坂の側道が見えてくるところで道は大きく右へカーブする。その角に沿って飲食店や商店、簡易宿泊所、公共施設などが立ち並び、たけ駅前交差点の右側を見ると、観光案内所の左隣に次の駅の駅舎が見える。

2時間19分経過、御嶽駅前を通過。

これで青梅市内の駅をすべて通過したことになる。だが、余韻に浸る暇はない。どこかの秘境を目指す探検隊の気分になり、いつものように脳内でリズム・ヘリテイジの『反逆のテーマ』が鳴り響く。

すぐに先を進み、まだ見ぬ奥多摩町へ踏み込むのだ。

(その2:奥多摩町編)へ続く。