食費一ヶ月分相等の焼肉に意識改革のアノテリア
私はアイドルというものがそもそもそんなに好きではありません。
……と書くとだいぶ角が立つので普段はあまり明言しませんが
こんなにCD持ってるのに実際お金を出して買ったものは一枚もないです。
だいたいバンドサウンドかソロアーティスト。
まぁアイドルに限らずボーカルユニットでも
斉唱がそんなに好きじゃないというか
一曲に対してボーカルは一人ないし二人でいいなと思ってるのは事実です。
ボーカルってその曲の"顔"じゃないですか。
ここで個性を比べるのが楽しいのに
複数人が歌うことによってそれが均されてしまうのがもったいない、
誰が歌っても同じになってしまうんです。
もう一つは歌詞。
どうしても複数人が歌うので深みがありません。
いいこと歌おうとしてもその人が担当する部分は数行なので
思いを込めて歌唱しようにも文脈が繋がらないんですよね。
あと結局君が好きかどうかくらいしかテーマもないので
個人的にぜんぜん刺さらないというのも難点。
ラブソングに共感しない数少ない人類でごめんなさい。
そしてどうにもライブでのあのコールが苦手。
まぁそれはV系ライブでのヘドバンのように傍から見て受け入れられない
それぞれの文化で仕方ないとこなので不問ですが。笑
「曲は好きなんだけどなぁ」と思って集めてる音源は多いですよ。
レンタルとかで。
でも購入に至ったCDがないというのはそういうことだろうな、と
自己分析した末にそう思っています。
――こんなこと元アイドルマネージャーが言うことじゃないけどな!
「かわいい」が正義ではない
もちろん例外もいるわけですが、
基本歌が上手いで集まったわけではないグループが多いので
「かわいい」がアイドルの基準ステータスなわけです。
私は顔で音楽を聴いてるわけではないので
そんなもの1点のプラスにもなりません。
実は本日とあるアイドルのメンバーにライブに招待され赴いたのですが
その人も最初は「かわいい」アイドルユニットに所属していました。
歌唱力は推して知るべし。
ソロ歌唱の際もPAさんに「下手すぎて被せ音源と合わないから大変」と
言わしめる程度だったのです。
例えばかっこいいユニットだったならば、
歌が下手だと説得力も生まれないしかっこつかないわけですが
かわいいユニットだとむしろ下手さが愛らしくて
むしろ評価されてしまいがちです。
それに甘んじていた、わけではないんでしょうが
まぁお世辞にも上手くはなかったです。
それから幾年。
朗々と歌い上げる今日の彼女の姿にあのころの面影はありませんでした。
表現力が段違いに変わっていたのです。
そしてその理由を、先月知ったのでした。
密かに「かっこいい」が好きだった
前述のユニットが解散し、
次に彼女が組んだユニットはゴシックな様式美を纏ったアイドルでした。
その方向転換に最初はびっくりしましたが
ソロ歌唱でカバー選曲していたものを見てみると
実はシリアスな活動をしたかった要素もあったということになります。
さて、かっこいいユニットをやることになった彼女。
これまでの歌唱力では成り立ちません。
ゴシックをやるなら最低限の歌唱力は必要じゃないですかね……?
ここで強力な相方に出会うことになります。
結局結成当初から解散まで変わらなかったメンバーが2名のみ、
そのもう一人がとあるアニソンカバー企画で受賞歴のある人物でした。
その歌姫に触発されたのかどうかは定かじゃありませんが
少なくとも歌唱力のお手本がすぐ近くにいる環境が生まれたわけです。
かわいく笑顔を振りまくだけのアイドルから
表情一つで世界観を体現する表現者へ。
この活動は間違いなくメタモルフォーゼへの一歩となったと捉えています。
2年位前ですかね。
撮影会(という名の短時間デート企画)の付き添いで
カラオケを聴く機会があったのですが
明らかに歌唱力が上がっていました。
採点機能に顕著に出るくらいに。
この頃はなんだかしばらく聴かないうちに上手くなったなぁ、
程度にしか思っていませんでした。
好きな作家の音楽に下手な歌を乗せたくない
彼女は一つの夢を叶えました。
それは、とある有名作曲家にオリジナル楽曲を提供してもらうこと。
その作曲家は間口を閉じていないので
ぶっちゃけ金銭面さえ工面できれば叶うものではありました。
これまでも数多くのアニソンを作曲してきた新鋭気鋭の作曲家。
ベテランとは言えなくとも中堅と呼んで差し支えないでしょう。
指折り数える代表曲はどれも有名なもの。
一曲目から私は「○○かな?」と正解するくらいには。
いざ、もろもろの調達が整い
レコーディングの日程までが決まっていきます。
製作依頼を進めていく中で芽生えたもの。
それは、尊敬する作家の前でみじめな姿は見せたくない!ということ。
せっかく理想のかっこいいオリジナル楽曲ができたのに
それに乗るボーカルが下手なものでは台無しだ、と考えたそうです。
その心意気やヨシ!!
とても純粋で崇高な動機だと思います。
昨日も、「めちゃくちゃかっこいいので期待してくださいw」
とLINEきてました。
自分のオリジナル曲に自信が持てるって素敵なことですね。
本日伺ったライブは結成一周年記念のワンマンライブだったので
その中のソロコーナーで披露してくれました。
無茶苦茶かっこよかったです。
と、同時に、まさにそれに見合う歌唱力と表現力だったと感動しました。
まず初期とは姿勢が違いますよね。
ちゃんと持ち歌に対する意識を持ったというか。
楽曲への理解の解像度が増してアウトプットする姿勢が。
もちろん通常のユニット曲でもそれはいかんなく発揮されており
なんとなく他のメンバーも彼女の歌唱力共々
精神的支柱にしてるんじゃないかな?という印象を受けました。
最初は下手だなんて思っててごめん。
今じゃ完全に中心メンバーじゃん。
目標を見つけたことによって変わっていく姿を
こうしてリアルアイムで感じられたいい機会でした。
今日呼んでくれてありがとう。
これからも陰ながら応援しています。
アイドルを応援するって
きっとこういう気持を味わえるからなんだろうなって
ちょっと思い直しました。
音楽の良し悪しだけじゃない、
成長していく姿をリアルタイムで追っていく楽しみがあるんだなと。
Afterword
まぁそのオリジナル曲、『Pledge to the world』という曲名らしいんですが
むちゃくちゃ藍井エイルっぽかったです笑
すげーかっこよかったけどね!
作曲者名は大人の事情で明かせないらしいんですが
その癖まではごまかせてません。おもいっきり色が出ちゃってます。
そんな感じで、
一人のアイドルの成長が見れて満足でしたという記事でした。
それを彼女と、
あと自分が担当していた8bitBRAINを見てて、そう感じます。
――今後お金を出すかどうかはまた別のお話ですけどね。苦笑
彼女のソロ曲もサブスクで聴きまくることにします。
まだされてないけど「絶対配信する!」って意気込んでたので。
楽しみに待ってます。
あ、サムネは先月のその成長した理由を聴いたときの焼肉の様子です。
Nさん(Tちゃんさんのほうがいいのかな?)、
相変わらずその節は大変お世話になりました。ごちそうさまですm(_ _)m
貴方のおかげでこの世にまた一曲名曲が誕生したわけですから。