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コラム 10 UXデザインはやさしさにつながる

今回は、デザインってとってもやさしいんだよーというお話です。

UI/UXデザインという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
略された言葉ですので、とりあえずカタカナにしておきます。

UI(ユーザーインターフェイス)
UX(ユーザーエクスペリエンス)


UIは、機械などを操作するときの、入力方法や、表示方法などを決めること。(今回はこちらのお話には触れません)

UXは、サービスなどに関わると起こってくる全ての体験に関わる要素を作ること。(とってもわかりにくいですね)←このようなカッコ書きでの補足は思考を誘導・補助するという意味でUXに近いですね。

もう少し噛み砕きますね。

そこに関わる相手のことを、よく調べ、よく考え、自然な行動を促すための環境を作り上げること。と言えます。(まだわかりにくでしょうか)


例えば、
【二股に分かれた道があるとして、男性は右、女性は左、に進んでほしい】
としたら、どのようにするでしょうか?

「看板を設置する」、「地面に表示を書く」、「案内音声を流す」などが思い浮かぶかもしれませんね。

今このように頭の中で考えたことが、実はUXデザインなんです。

なにかの行動を促すために、出来る限りわかりやすく、混乱を起こさず実現するために考えること、そしてそれを実行することがUXデザインなんです。

この考え方で、なんとなくわかっていただけたとしたら、「UXデザインって普段の生活の中で、みんなやってることじゃないの?」と感じられるかもしれません。実はその通りなんです。


子供にしっかり勉強をしてほしい時には、「勉強机を用意する」、「勉強している間は静かにする」、「しっかりやったらほめてあげる」などは、すべてUXデザインといえます。

言い方を変えると、自分が「相手にやってほしいこと」を、「相手の自然な意思として動いてもらうため」に、相手の立場に立ってよく考え、環境を整えてあげることが、UXデザインと言えるかもしれません。

この「相手の立場に立って考えること」というのは、おそらくいろいろな場面で聞いたことがあるかと思います。

小学校の道徳などの授業で、「人のために、相手の立場に立って物事を考えましょう。」と教えられたことを覚えておられる方もいるでしょうが、それだけでは実際の動き方は分かりにくかったかもしれません。


人は自分の得のためにしか動かないので、相手の立場に立ったとしても、それが自分の得にならないと判断すると、その行動にはブレーキがかかってしまいます。

(「人は自分の得のためにしか動かない」という言い方は、少し決めつけた言葉と思われるかもしれませんね。しかし今回はこのまま続けさせてください。)

相手に何かをしてほしい(動いてほしい)と思う時には、その相手が自ら動けるような、その人にとっての得を示してあげた方が良いと考えます。


先ほどの、二股に分かれた道の場合の相手の得は何でしょうか?

「間違わずに進むこと」「迷わずスムーズに選べること」などでしょうね。

UXデザインでは、ただ単に相手の立場に立つだけではなく、そこに相手の得になることを含ませながら、自然と行動できる環境を作り出すことを目指しています。

これって、とてもやさしい考え方ですね。

「相手のためを思って、なんでも自分でやってあげる」ではなくて、「相手が自然と行動できるような環境づくりをしてあげる」ということです。(声をかける、手を貸す、なども環境づくりの一つとして捉えています)


いつもデザインのことを考えていると思うことがあります。

「デザインって、見た目のキレイさやカッコよさだけではなくて、やさしさの表現方法なんだな」と。

相手のことを考え、情報を集め、その人のためになることを想像し、方法を選択し行動する。

UXデザインの考え方で、やさしい世の中になりそうですね。

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