エッセイ 02 1億台のミニカー
中学校のとき、車が大好きな男の子がいました。
その男の子は、車の写真のほんの一部分を見ただけで、その車が何の車なのかを当てることが出来ました。
ヘッドライトの端っこが少し映っている写真を見て、これは「カローラの 何々だ」と、そのグレードまで当ててきました。
いつも車雑誌の写真の一部を手で隠し、その子に見せて車を当てるゲームを楽しんでいました。
写真の中にもともと一部しか映っていないような車は、その子の答えが当たっているのかどうかすら誰も解りませんでした。
ただ、とき